これまで想像を超えるスピードで上昇した株価は、今後も「異次元の相場」を続ける公算が高い。早ければ日経平均株価は、今年9月にも1989年末に付けた史上最高値の3万8915円を超えてくるかもしれない。にわかには信じ難いかもしれないが、上昇率で言えば、ここから3割も上がれば3万9000円に届く計算となる。これまでの上昇が予想外だったことを考えれば、「日経平均4万円」があってもおかしくない。
気になるのは株高がどこまで続くかだ。米国の中央銀行に当たるFRB(米連邦準備制度理事会)は株高を支えてきた金融緩和を2023年末まで続けると表明している。少なくとも、その半年前などにテーパリング(金融緩和の縮小)が当局からアナウンスされるようになるまでは株高が続くと見ても良いのではないだろうか。かなり先の話ではあるが、仮にその時の日経平均株価が4万円なら、1割ほど下落して3万6000円程度まで下がるかもしれない。
ただ、残念ながら、この株高の恩恵を最大限受けているのは、日経平均株価に連動する「インデックス・ファンド」や、「ファーストリテイリング」、「ソフトバンクグループ」といった、日経平均株価に対して寄与度の高い銘柄をひたすら持ち続けてきた“本当のお金持ち”に限られる。
[匿名さん]
時価総額の小さな小型株に目を凝らし、機敏に動いてきた個人投資家のほとんどはその恩恵に与っていない。まして、日本の個人金融資産の内訳を見ると、株式や投資信託の割合はわずか13%にすぎず、ほとんどの日本人がこの株高を横目で眺めているだけなのだ。
「3万円を超えたから、もう上がらないだろう」と考えている人もいるかもしれないが、その一方で「今日の高値が明日の安値」になるような局面が続いている。政府は「貯蓄から投資へ」という流れを促進しているが、一人ひとりがいち早くその流れに乗らなければ、今後も格差拡大の構図は続いていくのではないだろうか。
[匿名さん]