🔫 東京自衛隊・軍事

「日本にはもはや非戦闘員など存在しない。我々は日本の民間人を殺していたのではなく、日本の軍需産業を攻撃していたのだ。
スズキ家がボルトを造れば隣のタナカ家はナットを造り、お向かいのコンドウ家はワッシャーを造っていたというように、日本の木と紙でできた家一軒一軒が皆軍需工場だったのである。
これらをやっつけていったい何が悪いのか。」

アメリカ陸軍航空隊爆撃兵団司令官 カーチス・ルメイ

東条「私が、東条である。今回、陸軍大臣を拝命した以上、全力を尽くす覚悟である。宜しく、諸官の協力を頼む。」
将校「大臣閣下！その為にも一日も早く、日独伊三国同盟の締結へ、ご尽力を御願いします！ドイツと手を結べば、蒋介石はお手上げであります！」
東条「そんな事はわかっておる！」

独ソ開戦…
将校「閣下！千載一遇であります！日独が協力してソ連を叩く、絶好の機会であります！」
将校「ソ連領の北樺太には有望な石油資源が有ります！」
将校「この機を見て、ソ連を挟み撃ちにする手立てだけは考えておかねばならんと思います。」
将校「とにかく、ソ満国境に四個師団動員して十六個師団にしていただきます！」
将校「やりましょう閣下。関東軍特別大演習を発令します！御同意をお願いします！」
東条「…よろしい、同意する。しかし、あくまで演習だ。それを忘れてはいかんぞ。」
一同「はっ！」

海軍…
将校「次長、陸軍に北のソ連を始められたら、我が海軍は輸送船の護衛にせいぜい駆逐艦を動かす程度です。そんな事を海軍が黙って傍観するわけにはまいりません！」
将校「石油、ゴムなどの資源獲得の為に、南への作戦を考える必要があります。」
次長「アメリカと戦争にならん範囲でなら、俺も南へ出る事は賛成だ。」
将校「いいえ、アメリカと一戦覚悟で南へ出るべきです。日本の自存自衛の為です！」

首相官邸…
山本「陸軍が何と言おうと、ドイツと軍事同盟を結ぶなどということは…」
米内「無論私も反対しているよ。ドイツと手を結べば、アメリカ、イギリスとの戦争に発展するからね。」
山本「それに勝てる見込みは…対米戦となれば、おそらく日本中が焦土となるでしょう。総理、お願いします！」
米内「うむ、勿論だ。しかし、ドイツの勢いにばかり目を奪われてる連中があまりにも多い。私もいつまで総理の椅子に居られるか…」
山本「そんなぁ…総理、とことん頑張ってください！」

近衛邸荻外荘…
陸軍軍務局長「米内は全く話になりません。我々は内閣を倒すつもりです。」
近衛「倒す？」
軍務局長「はい。陸軍大臣は辞職する、軍は後任の推薦を拒否する、従って内閣は陸軍大臣を失って崩壊する。」
近衛「いやぁ、しかし、それは穏やかでない。」
軍務局長「止む終えません、時局もそれだけひっ迫しております。公爵、次の総理には是非、貴方に御出馬願いたい。」
近衛「いや…私は…」
軍務局長「この通り、全軍を挙げて応援します！」

陸軍…
参謀「凄い、ドイツは実に凄い。」
参謀「今にドーバーを渡って英本土に上陸する。イギリスの無条件降伏は時間の問題だ。」
参謀「一刻も早くドイツと手を結び、世界新秩序建設に向かわねばならん。」
参謀「ドイツと手を結べば、イギリスやオランダの植民地の資源、石油、ゴム、すずなどの戦略物資を確保できる。」
参謀「仏印を押さえれば、アメリカも蒋介石を援助する事はできん。一挙に事変解決だ。」

近藤中将「この作戦は不必要というだけでなく、必ずや失敗するものと思われる。」
作戦部長「ご説明願えませんか、近藤長官。」
近藤中将「ミッドウェーへの上陸作戦など、無理な相談だよ。それには、敵の飛行場と砲兵陣地を叩かねばならん。」
作戦部長「はい、ミッドウェーのアメリカ軍陣地は、南雲中将の空母機動部隊が粉砕します。」
近藤中将「敵の地上発進の爆撃機は、南雲部隊の艦載機より640キロも航続距離が長い。こちらが出る前に叩かれてしまう。」
南雲中将「私はハワイへ空母を接近させ、真珠湾の米国艦隊を壊滅させたが、あの時は地上発進の爆撃機はやって来なかったが。」
近藤中将「何を言ってるんだ、あの時は奇襲作戦だったから成功したんだ。しかし今度のミッドウェーとアリューシャンへの同時攻撃は、艦船200隻と兵員10万人の大作戦だ。」
山本大将「アリューシャンへの上陸作戦について何か懸念はあるかな？細萱。」
細萱中将「ありません。しかし、作戦は大規模で複雑です。もう少し検討の時間を頂きたい。それに間もなくMO作戦も始まりますし。」
山本大将「我が方の兵力は充分だぞ。」
山口少将「私も近藤さんと細萱さんの意見に賛成です。もう少し検討しましょう。珊瑚海作戦が終わった後で。」

青木大佐「長官、旗艦へようこそ。」
南雲中将「ありがとう大佐。草鹿少将は私の参謀長だ。こちらは艦長の青木君だ。」
草鹿少将「どうも。」
南雲中将「源田参謀はどうした？」
青木大佐「風邪をひいておりまして。」
南雲中将「容態はどうだ？いつ頃軍務に戻れる？」
青木大佐「2、3日後です。実はもう一人病人が出ました。淵田隊長です。今朝、盲腸炎で入院しました。」
南雲中将「よろしい、すぐに交代要員を手配しろ。」
青木大佐「はい、源田は飛龍に魚雷攻撃の達人を乗せると言ってきています。友永大尉です。」
南雲中将「源田の推薦なら良し。その友永にできるだけ早く会いたいな。」
青木大佐「は！承知しました。」
南雲中将「淵田は真珠湾奇襲の第一波を指揮した男、その作戦を立てた源田も病気とは。幸先が悪いな草鹿、今度はついていない。」