⚽ 女子サッカー

男子選手と「同等賃金」を＝女子代表の訴えに関心高まる−米サッカー

2019年07月14日08時15分

サッカーの女子ワールドカップ（Ｗ杯）の優勝パレードに参加するラピノー選手（中央）ら米女子代表のメンバー＝１０日、ニューヨーク（ＡＦＰ時事）

　【ニューヨーク時事】今年のサッカー女子ワールドカップ（Ｗ杯）フランス大会で優勝した米国女子代表が訴えてきた男子選手との「イコール・ペイ（同等賃金）」に関心が高まっている。同性愛者であることを公表し、トランプ政権に批判的な姿勢で知られるラピノー選手らがＷ杯でも熱心に訴え、優勝で実力を改めて示したことが背景にあり、政界でも支援の動きが出ている。
　「ＵＳＡ！　イコール・ペイ！」。ニューヨークで１０日行われた女子代表の優勝パレードでは、賃金格差解消を求める群衆の大合唱が起きた。「パレードもいいけど、イコール・ペイはもっといい」。こう書かれたサインを手に行進する選手の姿もあった。
　米女子代表の２８選手は３月、米サッカー連盟を相手取り、男子代表との賃金格差の是正を求める訴訟を起こした。女子代表が男子代表よりも実績を残しているのに報酬が男子より低いのは「性差別」に当たると主張している。実際、Ｗ杯を４度制覇し、世界ランキング１位の女子に対し、男子は２０１８年のＷ杯出場を逃した。しかし、訴状によると、親善試合２０試合に勝利した場合の賞金は女子が最高９万９０００ドル（約１０７０万円）、男子は平均２６万３３２０ドル（約２８４０万円）で、女子の報酬は男子の半分にも満たない。
　連盟側は「市場の現実」を格差の理由に挙げる。しかし、ＦＯＸテレビによると、７日のＷ杯決勝の視聴者数は、１８年の男子Ｗ杯決勝を上回った。１６〜１８年の試合収入も、米国では女子が男子を上回ったと報じられている。
　女子代表を支持する動きが出ており、米メディアによると、民主党の上院議員２人は今月、米代表のスポーツ選手について、同等賃金を求める法案を提案した。
　女子代表と連盟は訴訟の和解を目指す方向で合意しており、Ｗ杯閉幕を受け双方の協議が本格化する。ラピノー選手はＣＮＮテレビに、同等賃金は単に賃金の問題でなく「若い世代や選手、コーチなどへの投資になる」と訴えている。

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