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２２年に共済年金廃止　与党協、「厚生」へ一本化

　与党年金制度改革協議会は２８日、公務員や私立学校の教職員が加入する共済年金を平成２２年をめどに廃止し、公務員も民間サラリーマンと同じ厚生年金に加入させる方針を決めた。４月に閣議決定された年金一元化の基本方針では、厚生、共済両年金はそれぞれ存続させたうえで、保険料や給付水準など諸条件を統一することになっていたが、制度を一体化させた方が国民の理解を得やすいと判断した。

　年内にも制度の詳細をまとめ、来年の通常国会に提出する予定の年金一元化法案に盛り込む方針。これにより公的年金は勤め人の厚生年金と、自営業者らの国民年金の２制度に大別される。

　共済、厚生両年金の一元化について、政府は（１）共済年金の保険料率を最終的に厚生年金と同じ年収の１８・３％に統一（２）「追加費用」や「職域加算」と呼ばれる共済年金のみの上乗せ優遇制度を廃止・縮小し、現在の受給者がいなくなる約１００年後に差異をなくす−との基本方針を閣議決定した。制度自体はそれぞれ存続させることにしていた。

　今回、閣議決定の基本方針を見直すことにしたのは、国家公務員共済、地方公務員共済、私学共済、厚生年金と４つの制度に分けて残すと、加入者数や保険料収入の差によって財政上の優劣がつきかねず、「将来的に公務員優遇策が再び導入されかねない」（自民党幹部）との懸念が与党内に広がったためだ。このため「財政を一本化し後戻りできない制度設計を目指す」（公明党幹部）ことにした。

　これまでに固まった方針では、現在は厚生年金と共済年金とで別々に行われている保険料収入や基礎年金の運用損益に関する会計処理を、特別会計の「厚生年金勘定」に一本化。ここから年金給付も行う。公務員も含めた加入者全体の収支を把握することで財政の透明性を確保できるようにし、一体的な運用をすることで、運用損益の差に伴い将来、給付額や保険料率に再び違いが生じることを防ぐ狙いもある。

　ただ、３共済とも運営組織は当面は統合せず、年金保険料徴収や健康保険業務を継続する。共済年金の積立金も「共済にしかない役割がある」との理由から、地方債購入や学校建設費への助成事業を続ける方針だ。
（産経新聞） - 11月29日8時1分更新
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