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(1)科料の刑罰の重さ
刑事事件の裁判で有罪判決を言い渡される場合、科される刑罰は、受ける不利益の種類によって、「生命刑」「自由刑」「財産刑」の3つに分かれます。
「生命刑」は、受刑者の生命を奪う刑罰で、「死刑」のことです。
「自由刑」は、受刑者の身柄を拘束し、自由を奪う刑罰で、「懲役」、「禁錮」、「拘留」の3つがあります。
「財産刑」は、受刑者の財産を奪う刑で、「罰金」と「科料」の2つがあります。
これらの刑罰を重い順に並べると、死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料となり、科料はもっとも軽い刑罰といえます。
(2)科料は前科になる
科料はもっとも軽い刑罰とはいえ、他の刑罰と同様、言い渡されると前科になります。前科は戸籍や住民票に記載されることはありませんが、検察庁が管理する前科調書に記載されてしまいます。
就職活動や結婚の際に前科の存在を秘匿していたことが後々問題になるなど、事実上の影響があることは否定できません。まずは前科回避に向けた弁護活動が望ましいといえるでしょう。
拘留も、わが国の法律で規定されている刑罰のなかでも軽微なものとして分類されている自由刑のひとつです。
懲役・禁錮と比べると身柄拘束を受ける期間はごく短期ですが、前科がついてしまうことに変わりはありません。社会生活から隔離されてしまうため、甚大な悪影響を受けるおそれも否定できないでしょう。