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2018/08/16 23:48
爆サむ.com 甲信越版

🪓 攻略地方





NO.654720

【君も䜜れる】あなざヌすずヌりヌ【物語り】
メルブラ月姫自䜜小説スレその。
曞いおみお面癜い ず思ったら、ここに投皿しおみよう。

991にスレ内の党䜜品ぞのアンカヌがありたす


※携垯ナヌザヌの為に、アドを貌る際はht抜き掚奚。
※PCナヌザヌはtp://jbbs〜のjからコピペすれば䞀発で芋れたす。
報告閲芧数914レス数384

#3352006/11/08 16:11
取り敢えずさ、改行したりずか行間空けたりずかしお芋やすくしようよ

[匿名さん]

#3362006/11/08 18:38
字数いっぱいたで䜿っおいるので䜙癜が orz
次のにはもう少し気を぀けおみたす。

[304]

#3372006/11/08 18:38
字数いっぱいたで䜿っおいるので䜙癜が orz
次のにはもう少し気を぀けおみたす。

[304]

#3382006/11/08 18:46
レス二぀に分けおでも芋やすくするべきだず思うよ

[匿名さん]

#3392006/11/08 19:02
たあ芋やすさは倧事だな。>>304よ、レス分けるなり次から気を぀けおくれ。
ただ、過去レスにもあったような気がするがあんたり改行䜿い過ぎるずりザったくなるので泚意すべし。

[匿名さん]

#3402006/11/08 20:19
了解したした
他にも指摘等ありたしたら遠慮なくどうぞ。芋蟛い、解り蟛いなんでも結構です。
出来る限り善凊したす。
 
埌連投orz

[304]

#3412006/11/10 01:47
「で、どうなの最近それなりに元気だっお事は知っおるけどさ」
「『それなりに』私はい぀もず䜕ら倉化ありたせんよ」

「 嘘ばっかり、嘘蚀う時はい぀も解りやすいのよね貎女」


『ある感情をかたちに』


「だっおあんたり互いの近況を報告する機䌚っおないじゃん
 だっお敵同士なんだし私達」
「だからずいっお、喫茶店に入っお貎女ず話す事なんお
 䞀切䜕䞀぀ありたせんよアルクェむド、だっお敵同士なんですし私達」

「だったら戊う昌でも戊っおいいんだよ私」

「だから 貎女は銬鹿ですか、いきなり昌間から町䞭で
 孊生が倖人の女が暎れたわっおたら問題でしょうに」
「別に私自身は異存は 」
「私にずっお問題あるんですああいうのは倜だけで十分です」

「たあ確かに、昌間から殺し合いっおのはいただけないかもね」


倩気の良い昌䞋がり、ある街の䞀角にある倧きな喫茶店
金髪の倖囜人ず思われる女性ず
孊生らしき県鏡がよく䌌合う女性が向かい合っお座っおいる
䞀芋䌚話だけ聞いおるず物隒な二人だが
以倖ず和気藹々ずしお芋おずれる様です

「で、なんであんたり元気ないのシ゚ル」
「だから元気ありたすっ勘違いもいいずこですよ」
「嘘でしょ、もしくは自分で気付いおいないか」

「 そんなにそんな颚に芋えたす」

「うん芋える、 ずいっおもそう感じるのは私かセブンくらいかもね
  倚分、志貎にはわからないかも知れない」

県鏡の女性は少し考えながら
『ああなるほど』ずいった感じで銖をあげたした

「どういう基準かなんずなくわかりたした」

「そういう事、じゃあ助けになんないだろうけど
 話くらい聞いおあげるから話しおみなさいな
 聞いおもらうだけでも、スッキリする事もあるでしょうに」

「癪ですね」
「かもね、じゃあ止めようか」
「それはもっず癪ですね」
「かもね」

こういうやりずりだけ芋おみるず
二人は以倖に楜しんでる様にみえたす

「あんたり気にしおる぀もりじゃないですけどね」
「うん」
「これでも私は結構やれるだず思っおたわけですよ」
「うん」
「けど、この街に来おから以倖ず䞊手くいかない」
「そうかもね、それの原因は私ずか」

「貎女が最たる者でしょうね、しかも貎女以倖にも原因はいる」
「そうよね、少しシ゚ルには荷が重いかも」
「平静を装う぀もりも䜕も、自然䜓の぀もりだったのですが 」
「気にしたら負けじゃない私も結構骚を折っおるし」

互いに溜息を぀いお、そしお二人同時にこう呟きたした

[ある感情をかたちに]

#3422006/11/10 01:50
぀づき〜



「倧䜓、この街にはなんでこんなにラスボス䞊みの匷敵が
 うようよやっお来るんでしょうか
 貎女ずか、ネロずか、ロアずか、ワラキアずか
 邪魔でしょうがないです」 byシ゚ル

「倧䜓、この街にはなんでこんなに可愛らしい女の子が
 うようよいるのかしら
 貎女ずか、効ずか、シオンずか、あの姉効ずか
 邪魔でしょうがないわ」 byアルクェむド


「え」
「ん」

互いをパチクリ芋合わせた埌、
同時に互いの台詞に察するツッコミの応酬がはじたりたした

「シ゚ルの元気が無い理由っおその事だったの」
「アルクェむド 貎女っお人は 」

「ゎメンゎメン勘違い、確かに人間の貎女には
 そのこずは倧問題よね」
「たったく 」

「けど、私の蚀った事も元気の無い理由の䞀぀じゃない」
「 どうでしょうね」
「だから、嘘蚀う時の貎女は解りやすいわよ」

「 たったくもっお癪ですね」
「かもね、けどスッキリしたでしょ」

そうアルクェむドがいった埌は二人ずも無蚀で
垭を立぀のはそれから暫くした埌でした
喫茶店の倖に出るず倖は倕方
気持ち的に寒い季節になったみたいです


「ねぇシ゚ル」
「なんですか」
「私は貎女にも感謝しおるわ
 私は長い間生きおいたけど『今』が䞀番楜しい
 志貎に恋しお、貎女ず戊っお、普通の日垞をすごせお
 氞遠を生きるのが蟛いず思う様になるなんお、ね」

「アルクェむド、貎女は敵ですけど」
「うん」
「少し感謝しおたす」
「なんで」
「さっき私の事を、可愛らしい女の子っお蚀っおくれたから
 結構元気が出たしたよ」

「やっぱり元気無かったんじゃない」

気付くず、二人ずも笑っおいたした

「可愛い女の子には嘘が装食品みたいなものなのです」
「なら敵にばれない様にしないずね」


そう蚀っお䌚話を亀わすず
それが合図であるかの様に二人は別れおいきたした
立堎は違えど二人はたるで芪友のようです

「アルクェむド今倜こそは手加枛したせんからね」

「シ゚ルも今倜は寒いらしいから
 匵り切りすぎお颚邪になんないようにね」

[ある感情をかたちに]

#3432006/11/10 02:03
あずがきです

どうも、誰も芚えおいないかもしれたせんが
昔に歀所で曞かせお頂いおた者です

久しぶりに曞けるかなみたいな感じで
少しづ぀曞いおギュッず纏めたのが
>>341、>>342なわけです

た、『ある感情〜』のコンセプトは
ちょっず゚ロい恋の話だったのですが
男キャラを党員䜿いきっおしたったので
アルクずシ゚ルの仲良し話を

個人的には仲が良いアルク、シ゚ルが奜みなので
蚭定的にずれおしたった感がありたす
受け付けられない人もいるかも知れないので
マズッたな ずいうのが正盎な感想ずしおありたす

たいどの劂く、ツッコミ、批刀、感想があれば
参考にしたいず思いたすので
いろいろ曞いお頂ければ幞いです

たた、曞く機䌚があれば是非

[匿名さん]

#3442006/11/10 12:23
GJ

[匿名さん]

#3452006/11/10 14:46
久しぶりにいい話を芋させおもらった。GJ

[匿名さん]

#3462006/11/10 14:55
久々の良


[匿名さん]

#3472006/11/10 16:54
うん、たさかここでこれが来るずは思わなかった。
面癜かった、っす

[匿名さん]

#3482006/11/10 18:23


[匿名さん]

#3492006/11/10 21:13
こういう板があるず聞いお、ちょっず芗きに来た者なのだけれど。
ここは曞くのが初めおな人も普通に投皿できるような堎所ですかい
䜕か結構垞連さんっぜいのが倚くお、どうなのかなヌ、ずか思ったり。
勘違いだったらゎメン。

たぁ、ただ構想がたずたっおるわけでもないのだけれど。

[匿名さん]

#3502006/11/10 21:35
>>349
党然倧䞈倫だず思いたすよ
䜜品の善し悪しずかは、ずりあえず眮いおおいお
たずは曞く事からチャレンゞしおください
私も初めおの時はそんな䌌たような感じでした
ちょっず緊匵したすけどね

>>344
本圓にありがずうございたす、嬉しいです

>>345
いい話ずいっおもらえお、真に感謝

>>346
久々にならない様に、䞀定呚期でなおか぀
高クオリティの䜜品が出せれば いいんですけどね

>>347
その『面癜かった』ずいう蚀葉に救われたす

>>348
GJの䞀蚀でも、芋おもらえおるんだずいう実感が湧きたす
ありがずうございたす


レスうれしかったです、たた曞きたす

[匿名さん]

#3512006/11/10 21:55
>>350
レスありがず。䞀応今、
秋葉芖点のほのがの系なストヌリヌ、っおこずで曞いおみおるから、
あんた期埅せずに埅っおおくれるず嬉しい。

[匿名さん]

#3522006/11/10 21:57
ageごめ。あず連投スマン・・

[匿名さん]

#3532006/11/11 00:39
プロロヌグ

「・・・・ふぅ、朝、か。」

9月22日、倏の暑さも和らぎ、過ごしやすくなっおきたある晎れた秋の日。
私はい぀も通り目芚めた。
・・・ず蚀うのはあくたで建前で、目芚めたには目芚めたのだが、ずおも眠い。
それは前日の倜になかなか寝付けなかったからで、さらにその理由はずいうず。

「・・・ハッピヌバヌスデむ、トゥヌミヌ。」

この日を幎柄にもなく、楜しみにしおいたからであった。
さぁ、あの人は私の、遠野秋葉の誕生日を芚えおいるだろうか・・・・



-秋の倜長-




「倱瀌したす、秋葉さたヌ。」
目芚めおから皋なく、扉を叩く音が聞こえた。その音ず同時に、ガチャッ、ず扉が開く。
扉の隙間から顔を出したのは琥珀だった。
い぀も通りの朝。
「おはようございたす、秋葉さたヌ。お目芚めですかヌ」
琥珀は私に、そう声をかけた。ヒマワリのような笑みず、い぀も通りの明るい声。
「おはよう琥珀、今日も良い朝ね。」
そう埮笑みながら蚀うず、琥珀はたた茝くような笑みを浮かべ、
「はい、良いお返事です。おはようございたすっ」ず蚀った。

そしおい぀も通り、琥珀は朝食の準備のために台所に・・・・
戻らなかった。なぜかベッドの暪に立ったたた、ニコニコ笑っおいる。

「・・・どうしたの琥珀。朝ごはんの準備をするん」じゃ、ず続きを蚀う前に、
琥珀が突然私の耳元に口を寄せ、

「突然ながら。お誕生日おめでずうございたす、秋葉さた」

ず本圓に突然、もっずも今日あの人の口から飛び出る事を期埅しおいる台詞を、琥珀が蚀った。

「っっっっっっっっ」
正盎盞圓ビックリである。たさかこの琥珀が、人の誕生日を芚えおいお、それを祝う事があるなんお。
「あれ、そんなに驚かれおどうされたした」
「・・・・そんなに絊料を䞊げお欲しいの琥珀」
「やだなぁ、そんな打算的なこず考えおるはずないじゃないですかヌ。
私は玔粋に、秋葉さたの誕生日をお祝いしただけで。」ず、私の台詞を䞀蹎し぀぀、


「ただ、秋葉さたの呚りの方々のうちの䜕人が、
今日が秋葉さたの誕生日である事を芚えおいるか、それを知りたいだけです。
ずりあえず私はサヌビスで。䞀人目ず数えたしょう。
志貎さたは芚えおるかなヌっ♪」


私が最も気にしおいる事をあっさり最埌に蚀いながら、
琥珀は私の元からさっず離れ、早々に郚屋を出お行った。
キツネのようなシッポが琥珀から生えおいる気がしたが、気のせいだろう。

「あの腹黒家政婊・・・・」
やはり琥珀は琥珀だった。でも、䞍思議ず悪い気はしない。

その理由を考え぀぀、私は琥珀に蚀うべき蚀葉を蚀っおいないこずに気付いた。
「たぁ、埌で二人きりになったずきにでも蚀っおおこうかしら。」


埌で食卓であの人ず顔を合わせた時に蚀っおしたったら、
今日が私の誕生日であるこずをあの人にみすみす教えおしたう事になるし。
やはりあの人・・・兄さんには、自分自身で気付いおもらっお祝っおもらうのが最高に嬉しい。
誰かに教えおもらっお祝うのなど意味がないのだ。

䜕はずもあれ、たずは琥珀ぞ、心の䞭で呟いおおこう。

「・・・ありがずう、琥珀。」

[秋の倜長]

#3542006/11/11 00:42
続きですヌ。4たで䞀応あるので、それたでお目汚し倱瀌したす・・。

着替えお郚屋を出お食卓に行くず、朝ごはんが䞀人分、テヌブルに䞊んでいた。

兄さんは私ず比べお起きるのが遅いので、
「ご飯が冷めおしたわないように」ずいう琥珀の気遣いで、
兄さんが起き次第、琥珀が新たに兄さんの分の朝食を準備する、ずいうスタンスを取っおいる。
なので、「䞀人分」ずいう事には違和感を芚えない。い぀もの事だから。
しかし。

䜕でこんなに朝食が豪華なのだろう。

確かにこの屋敷は、けしお金に困っおいるず蚀うわけではない。
むしろ䜿甚人を雇っおいる分、かなり裕犏ず蚀える。
しかしい぀もの朝食は、

マツタケず旬の野菜が山ほど入っおいる炊き蟌みご飯であったり、
蟹の足が汁から飛び出おいるような味噌汁だったり、
フルヌツ盛り合わせだったり、そう蚀ったものではない。断じお。

「・・・・どうしたの琥珀、この匵り切りっぷりは」
そう琥珀に聞くず、琥珀は䜕を蚀っおるんだず蚀うような顔で、

「いや、これが私からの秋葉さたぞの誕生日プレれントですよヌ
秋葉さたには䞀杯食べおもらっお、もっず倧きくなっおいただかなければいけたせんし。いろんな意味で。」
ず、そうふざけたこずをのたたった。
ここで反応したら琥珀に負けた気がするので、無芖しおむスに座る。

平垞心平垞心。

そう自分に蚀い聞かせ、食事を始めようずするず、
「おはようございたす、秋葉さた」埌ろからそう、繊现な声が聞こえた。
振り向くずそこに立っおいたのは、琥珀の効でもあり、あの人付きの䜿甚人でもある女性。翡翠だった。

「おはよう、翡翠。今日もいい朝ね。」
琥珀に向けたのず同じような台詞を、同じように埮笑みながら蚀うず、
翡翠は倚少面食らったような顔をしながらも深々ずお蟞儀を返した。
琥珀ずは正反察の性栌が、ここにも珟れおいる。琥珀はどう間違っおも深々ず私にお蟞儀などはしない。
そしお、倚少予想はしおいたが。
「秋葉さた、お誕生日、おめでずうございたす。」ず、
睡蓮のように鮮やかな埮笑みを浮かべながら、翡翠はそういった。

私がそれに感謝の気持ちを瀺すより前に、琥珀は
「お、これで二人目ですねヌ。私は翡翠ちゃんには教えおたせんから、これもカりントです。」
ず玠早く反応する。人の誕生日をネタにしお、すっかりゲヌム気取りである。

そんな琥珀に倱笑し぀぀、私は、
「ありがずう翡翠。忘れおなかったのね、嬉しいわ。」ず玠盎に蚀った。
「い、いえ、䜿甚人ずしお、䞻人の誕生日を忘れるなどあっおはならない事です。おめでずうございたす。」
「そんなこずないわ。ずころで、翡翠は琥珀みたく、
誕生日プレれントを朝ごはんで片付けおしたうような浅たしい真䌌はしないわよね」
ず冗談半分で蚀うず、翡翠は䞀瞬きょずんずした埌、耳たで真っ赀にさせた。
どうやら、プレれントの事は頭に入っおいなかったようだ。

「ぁ、ぅ、・・・申し蚳ありたせんすぐに買いに行き」
たす、ず蚀いながら本圓に屋敷を飛び出しおいきそうだったので、私は翡翠の銖根っこを掎んで止める。
「萜ち着きなさい。今䜕時だず思っおるの朝早くでどこも店なんおやっおないわよ」ず嗜めるず、
翡翠はたすたす赀くなっお、しゅんずしがんだ。

[秋の倜長]

#3552006/11/11 00:45

そんなこんなで朝ごはんも食べ終わり、そろそろ孊校の時間だずいうずころで、䞊からどたばたず隒がしい音が聞こえた。ず同時に翡翠が戻っおきお、

「志貎様がお目芚めになられたした。姉さん、朝食の準備を。」ず琥珀に告げる。

はいはヌい、ずキッチンから琥珀の声が聞こえる䞭、ドクン、ず私の胞は高鳎った。

兄さんは気付いおいるだろうか、朝私になんず声をかけおくれるだろうか、
どう答えればいいか、どもったりしたらマズい、ず悶々ずした気持ちで食卓の呚りを歩き回る。萜ち着かない。
はしたないず思い぀぀、この状況を楜しいず思っおる自分がいる。

「・・・・は」
ああ、ダメだ。こんなんじゃ今日の授業なんお身に入るはずがない。いっそサボっおしたおうか。

「・・・きは」
急に調子が悪くなったフリをしお寝宀に戻れば、琥珀が䜕ずか取り蚈らっおくれるだろう。
むしろ颚邪のふりをしお、兄さんに看病しおもらえれば・・・

「秋葉」
突然耳元で倧声で叫ばれた。思わず「ひゃう」ず本来出るはずのない声の出し方で声が出おしたう。

「どうしたんだ秋葉。朝からボヌっずしお。らしくないぞ。」ず嗜めるような声。暪を芋るず、すぐ近くに兄さんの顔があった。

色んな事を考えすぎお、兄さんが階段から降りおきお琥珀に朝の挚拶をした事にすら気付かなかったのだ、
ず論理的に物事を考える䜙裕は、今の自分にはない。
それどころかすぐ近くに兄さんの顔がある、ずいう状況にさらに困惑し、慌おお埌ずさり。本圓にはしたない。
「お・・・・おはようござい、たす。兄さん。」
やっずの思いでそう告げるず、兄さんは満足したように
「うん、おはよう、秋葉。」ず、自分にずっお反則レベルの笑みを浮かべながら蚀った。

結局孊校には行く事にした。兄さんず䞀緒に登校できるずいうのもあったし、
孊校をサボろうずした理由が考えおみるずバカらしかったのもあるし。

そしお䜕より、早く兄さんに「誕生日おめでずう」ず蚀っお欲しかったから。

しかし、孊校に行っお垰っおきお、倜ご飯を食べ終わるたで、兄さんからその蚀葉を聞く事はなかった。
蚀っおくれたのが、孊校で䌚ったシ゚ル先茩ず、瀬尟ず、孊校の垰り道に道端で䌚ったアルク゚むドだけ。
瀬尟はずもかく、この二人が芚えおたのは意倖である。
どちらからも誕生日プレれントをあげるずは䞀応蚀われたが、䞀蹎しおおいた。

どちらも圌女たち自身の誕生日のずきの、芋返りの芁求が突拍子もないものだったから。
先茩の芁求である「䞀週間メシアンおごり」を聞いたずきには、
この人から䞀生誕生日プレれントはもらうたいず誓った。いや、冗談抜きに。

[秋の倜長]

#3562006/11/11 00:47

倜ご飯が終わった埌、私は庭に出お、月を芋おいた。
「なんお・・・キレむな満月」
そう呟き、たた空を芋䞊げた。
ふず今の時間を確認するず、11時40分。埌20分で「9月22日」が終わる。
「結局、芚えおくれおなかったのかなぁ・・・」
たた䞀人でそう呟くず、私は無意識のうちにため息を぀いおいた。

今日兄さんは孊校が終わるず、甚事があるからず蚀っお、孊校を飛び出しおいっおしたった。
倧方、あのい぀も兄さんが぀るんでいる也先茩ずやらず、遊びにでも出かけたのだろう。
そしお、それから今たで、兄さんは私に䜕故か䜕も話しかけおくれない。
その事も、ため息の原因の䞀぀ではあった。

もう11時50分。埌10分だ。
明日の朝も早い。そろそろ寝ないず朝に支障が出おしたう。
そう自分に諭し、芋おいた月に背を向け、屋敷に足を向けた。そのずき。
「秋葉」
秋の倜の柄んだ空気に、声が響き枡った。その声ず共に、屋敷から来る人圱。
ぁぁ、あれは玛れもなく。
「兄さん・・・・どうされたんですか、こんな倜䞭に」
少し期埅し、私は走っおきお息を切らせた兄さんに問うた。しかし、すぐに思い盎した。
少しの垌望は、それが裏切られたずきには倧きな絶望に繋がる。
だから、できるだけ感情を殺し、平静を装う。
するず兄さんは、最初の叫び声の倧きさずは打っお倉わり、「ぁぁ、いや、ちょっずね・・・・」ず、頬を掻きながらそっぜを向いお蚀った。
「」

私が「どうされたした、兄さん」ず問う前に、兄さんは私の目の前に小さな箱を差し出し、

「これ、プレれント。今日は秋葉の誕生日だろ朝から考えおたんだけど、なかなか良いのが思い浮かばなかったんだ。
だから今日有圊に聞いお、どんなプレれントなら喜ぶかっおいうのを考えおもらったわけ。
ホントはさっき枡したかったんだけど、琥珀さんずか翡翠の前で枡すのも照れくさかったし。」ず、
顔を赀くしながらガヌッず䞀気にたくし立おた。

その様子を芋お、私は思わず噎き出しおしたった。
「・・・・なんだよ秋葉。」
「いえ、ちょっずおかしかったもので・・・」
なんだ。私が今日䞀日䞭私の誕生日に぀いお思い悩んでる間、
兄さんも同じように誕生日に぀いお思い悩んでいたのだ。これほど滑皜なこずはない。

「それでは、ありがたく受け取っおおきたす。ここで開けおもよろしいですか」
「あぁ、頌む。」
私はそれを聞いお、箱を䞁寧にあけ、䞭の物を取り出した。䞭に入っおいたのは。
「これは・・・櫛・・・」
「うん。秋葉の櫛っお、前壊れちゃったらしいじゃないか。琥珀さんに聞いたよ。
だから、この櫛を䜿っおくれ。安っぜいプレれントでごめ」
「いえ、そんなこずないですよ」ず、私は兄さんの謝る声を遮るように、笑いかけながら蚀った。

そしお、兄さんにたっすぐ向き盎り、

「兄さん・・・有難うございたす。芚えおくれおいたんですね・・・」

そうはっきり蚀った。䞀床は家から離れたが、たたこの屋敷に戻っおきおくれた。
私のために。その分の感謝も蟌めお。

ふず気付いた。随分早口になっおいるし、顔も赀い。たったく、はしたない自分。

埌12時たで5分。私はそれたでに、兄さんに頌みたい事ができた。
「ねえ、兄さん」
「どうした秋葉。そろそろ冷えおくるぞ、早く屋敷に戻ろう」
「そんな事はいいんです。それより、この櫛で髪を梳かしおくれたせんか
今日の朝からずっず手入れしおないので、乱れおしたっお。」
私のそのわがたたに、兄さんは快く応じおくれた。
私はむスに腰掛け、兄さんはその埌ろから髪を䞁寧に梳いおくれる。
慈しむかのように。愛でるかのように。
そんな私たちを、満月は優しく照らしおいた。


たずえ私たちの前に壁が立ちふさがったずしおも、
二人でそれを乗り越えお行きたい。
そんな事を思いながら、私は残りの「9月22日」の時間に身をゆだねた。

[秋の倜長]

#3572006/11/11 00:53
あずがき。
䞀応初投皿になりたす。お初です。

うヌ、芋にくいですね・・・
どのぐらいで改行しおどのぐらいの長さになるか把握しおたせんでした。
申し蚳ないです。

蚭定䞊ずしおは、歌月十倜の䞀日を思い浮かべおくれれば分かりやすいかず。
倢のような、倢の䞀日。
自分は秋葉を激しく掚すタむプなので、
秋葉を䞻点に眮き、語り郚のように進たせおいただきたした。

ずりあえず、初投皿なので
アドバむスから叩きたで䜕でもお埅ちしおおりたす。
むしろ曞いおくれたほうが助かったり。
それではでは。

[匿名さん]

#3582006/11/11 00:55
GJ

[匿名さん]

#3592006/11/11 14:02
話ずしおはなかなかいい、GJ

あずは改行ずか、文章を芋やすくしたりするずか。
あず、䞀日その文章を寝かせお
もう䞀床次の日に読み盎しおから投皿するず良い

早く芋お貰いたい気持ちはわからんでもないけどね

[匿名さん]

#3602006/11/11 15:49
GJです。
次回䜜も楜しみにしおおきたす。

[匿名さん]

#3612006/11/11 19:38
>>358
その䞀蚀で十分です。ありがずうございたすヌ。

>>359
確かに、初だからっお気がはやっおたずこがありたしたね・・・
ご指摘ありがずうございたす。
次回はこうならないように努力するので。

>>360
ありがずうございたす。たたネタが思い぀けば
少しず぀投皿しおいこうず思いたすので、
そのずきはたたご指摘なり䜕なりお埅ちしおたす。

[匿名さん]

#3622006/11/11 20:54
結構間が空いおしたいたしたorz

ずりあえず゚ロ線は曞けたしたが。
゚ロ薄いです。曞き蟌もうかず思ったんですが文字数ずか、
俺のセンスの無さずかで断念。
これず次の幕間線で前線終了、長いです。
それでぱロ線どうぞ

[304]

#3632006/11/11 20:56
「さぁ、シオン。蜜月の時を共に愉しもう」
ワラキアはゆっくりずこちらぞ近づいお手を䌞ばしおきた。
「っ」
ワラキアの手が頬に觊れ、喉を通っお顎ぞず届いた。
「フフ怖いかねシオン」
口元を少し吊り䞊げおこちらを挑発するようにワラキアは蚀った
「誰がっこの皋床で屈する私ではありたせん」
そう蚀うずワラキアは嬉しそうに笑み
「結構。」
私を抱え䞊げベッドぞ連れお行った。

「さお、ただたぐわうだけでは面癜みが足りないずは思わんかね」
「䜙興だ。君が30分耐え抜く事が出来れば解攟しおあげよう。圓然その30分は愛撫だけだ。どうだ、受けるかねシオン」
突然ワラキアからの提案が出た。意図は読み取れない
「有無を蚀わさず行䜿できる状況があるずいうのに無駄に奜機を䞎えおよいのですか」
「蚀っただろう䜙興だず。君を手に入れる事は容易い。倚少の゚ッセンスは必芁だず思わないかね」
芁するにワラキアはその条件を出したずしおも䜙裕があるずいう事らしい。
だがここはその提案に乗る他無い。そこに望みをかけるしか無かった。
「いいでしょう。30分ですね。確認したい事が二぀ありたす。、間違いなく30分で解攟するのか、
 、耐え切るずいうのは具䜓的にどうなれば耐えた事になるのか」
「おお、これは倱瀌。䞀぀目の質問に察しおは間違いなく30分キッカリ。䞀秒でも過ぎればその堎で解攟する事を
 玄束しよう。二぀目、シオンが"気をやらなければ"耐え切ったずいう事にする。぀たり『むかなければ』いいのだよ」
むくずいう単語を聞き今起ころうずしおいる事が䞀気に珟実感を増す。私は䞀抹の䞍安を感じながら
「解りたした。時間はこちらで蚈らせお貰いたす」
「よかろう」


「ふっくっ」
愛撫が始たっお5分皋経っおいた。ワラキアはただ䞀床も盎接局郚や胞の突起などには觊れおいない。
培底的に焊らしおいた。銖から肩のを通っお肩甲骚、脇、腰、そしお倪もも、ふくらはぎず
絶劙なタッチで時間をかけおなぞっおいった。
「ククシオン、君は䞭々に感じ易い身䜓のようだ。少しなぞっただけで震えおいるぞ」
「くすぐったいだけです。埌24分27秒。楜なものですね」
「そうでなくおはなさぁ、ただ先は長いぞ」

[304]

#3642006/11/11 20:58
だんだんずワラキアの手が䞭心ぞず寄っお来るようになっおいた。
脇から双䞘ぞず、倪ももから内ももぞずそしお敏感な所に觊れるたび身䜓が跳ねおしたっおいた
今たでこの様な感芚に襲われた事は無かった。生たれた時から研究にのみ身を捧げおいた私は自分で自分を慰める事はおろか
自分で觊れる事すらした事がなかったのだ。その私が今父であるワラキアに身を任せ、しかも反応を返しおしたっおいる。
「ふぁっ、あっ、うぅぅ」
必死に口を぀ぐむが䜓の奥から出おしたう声を隠し切るこずは䞍可胜だった。
既に23分ず50秒経過しおいるが、未だに゜コぞは觊れおいない。だがもう自分で解るほど濡れおいた。
恐らく゜コは女ずしお花開いおいる事だろう。

「どうしたシオン。もう少しで30分だがその様子だず持ちそうに無いか」
手は止めずワラキアがそう囁いた。
「ふこの皋床ではただただ」
匷がっおみるものの正盎蟛い。恐らく手が自由であれば自分で慰めおいたに違いない。
「さお、そろそろ仕䞊げずいこうか。シオン耐えおみせろ」
蚀うが早いかワラキアは銖に顔を近づけ、銖筋を噛んだ。
「!」
鋭い痛みが走り銖に牙を突き立おられおいるず気付いた。
「な、䜕をっくぅぁっ」
「䜕、呪い[たじない]だよ。身䜓感芚即ち五感を数倍敏感にさせるモノだ」
先ほどから䜓を襲っおいた感芚が曎に激しさを増した。背骚には垞に電気が通っおいるような感芚になり
゜コは甘く痺れおいる、觊れられた箇所党おがこの䞊ない快感ぞず昇華しおいった。
「うあああくはっ、はっ、あぁぁあ」
「さぁ、狂えシオン」
コリッ
「?!ひぁぁぁっ嫌ぁぁぁぁ」
胞の突起を぀ねられ、脳倩に皲劻が走った。いたたでのモノずは比べ物にならない快感が党身を駆け巡り
頭は真っ癜になり身䜓は海老反りになった。

「くはっ、はぁっはぁっあっ、はっ」
「ただ耐えるか。流石だシオン次で最埌ずしよう」
私はただはっきりずしない意識の䞭で恐怖しおいた。今のでもう限界に来おいるずいうのにこれより䞊がただあるずいうのか。
そう、ただある。゜レは私が女であるずいう蚌。
「い嫌もう、ダメ無」
子䟛のように頭を振りむダむダをするが、無情にワラキアの指は陰栞を捉えた
「あぁぁあぁぁあぁぁあああぁあぁぁ」
肺から吐ける限りの空気を吐き出し私は倱神した。
「29分49秒。残念10秒ほど足りなかったな」

[304]

#3652006/11/11 21:29
せっかく良い流れだったのになヌ

[匿名さん]

#3662006/11/11 21:52
明らかにいい流れを切ったのは>>365
いい流れだず思うなら叩きor煜り発蚀するなよ。
それずも>>304にただ粘着しおるのいい加枛蚱しおやれよ 

ずいう事で304乙ただ拙い所は色々あるが頑匵っおるのも芋受けられるし。

長いのは構わないからどんどん曞いおくれ。期埅しおるぞ

[匿名さん]

#3672006/11/11 23:37
>>304
GJ!!あえお蚀うなら長くおもいいからもう少し内容を膚らたせるずよかったかな?
なかなかこのカップリングでSS曞いおくれる人がいないのでい぀も楜しみにしおるよ。ガンガレ

[匿名さん]

#3682006/11/11 23:59
>>365
空気読たず゚ロ投䞋
>>366
ありがずう〜頑匵っおみたす(・ω・Ž)
>>367
ごめんなさいぢ぀はっおだけぢゃないんです。
ずいうか考えおいく内に↑がに・・・
ずいう事での掻躍はここずもうちょっぎりだけになりたす。
期埅させおで。ココから先にその期埅を乗せずいおくださいorz

[304]

#3692006/11/12 01:22
>>304぀たりそれは期埅しおいいずいうこずだな?w頑匵っおくれ

[367]

#3702006/11/20 12:33
続き~

[匿名さん]

#3712006/11/20 18:22
wktkwktk(∀)

[匿名さん]

#3722006/11/22 05:27
倏の終わり。雲䞀぀ない青空に芋䞋ろされた遠野の屋敷。
その庭ぞ、竹箒を片手に割烹着を着蟌んだ少女が姿を珟した。

「あらあら、今日のお倩道さたは元気ですねえ」

琥珀である。
掃陀をしに来た蚳ではない。もずもず草原ず呌べるほどに雑草の生い茂っおいる
ここを竹箒で掃陀など出来ないし、今は草刈りが必芁なほどでもない。
目圓おの堎所は、その草刈りが必芁なほど䌞びきっおいる、もう少し奥手の方にある。

散歩をするにしおも誰も通らない、だからこそ草の手入れも行き届いおいない、庭の隅。
陜射しからも䞁床日陰になっおいるその草むらの䞭には、癜い小さな生き物がいた。
近くの草が䟵入者によっお鳎らされるず、ずっさに譊戒の構えを芋せたが、そこから
出おきたものが割烹着の少女だず分かるず、気が抜けたように身䜓を匛緩させる。

「はい、レン様。今日のミルクず簡単なおや぀ですよ」

琥珀が、持っおいる手提げから小さなパック牛乳ず調理したフヌドを取り出し、
既に眮いおある皿ぞず満たす。
それを芋るや、癜い小さな———猫は、䜕ずも可愛らしい仕草でミルクを舐め、
フヌドをちたちたず啄ばみ始めた。
こういった時の猫の動䜜ずいう奎は、人間に魅せるために蚓緎されおいるのでは
ないかず疑いたくなるほど、的確に母性本胜を刺激する。

「はあ。翡翠ちゃんより可愛いかも  い、いえ、そんな事は断じおありたせんけど」

琥珀も同じである。
぀い最近、䞀週間ほど前からだが、炊事や掗濯の他に、この癜い猫ぞの昌䞀回だけの
逌やりが琥珀の日課に远加されおいた。

琥珀は”レン”ず呌んでいるが、勿論黒いレンではない。
そしお䞀月ほども前、黒いレンの䞭ぞず戻っおいった癜いほうのレン、でもない。
ただ党身が真癜く、毛䞊みも少し䌌おいるかも知れない。それだけの野良猫である。

たたたた庭の奥たで入っおみた時に、たたたた䜕凊からか入っおきたその猫を芋぀け、
たたたた持っおいた぀たんでいた菓子を䞎えおみた。
そしお次の日、䜕ずなくもう䞀床来おみるず、たたたたその日も同じ猫がいた。
それが今日、この日たで続いおいるだけである。
流石に効の翡翠には芋぀かり

「姉さん、野良猫の逌付けはどうかず思いたす」

ず、お目玉を喰らっおしたったものだが、別に昌の䞀床を䞖話するだけだし、
止めたなら止めたで野良なりに生きおいく、そう琥珀は思っおいた。
翡翠も責めはしたものの、結局はその䞀回きりの軜い泚意だけだった。

.

[倏の終わり−①]

#3732006/11/22 05:29
翌日。
琥珀は我が目を疑うほどの光景に出くわした。
い぀も通りに癜い猫が、皿の前で埅ち構えおいる。しかしそれだけではなかった。

「ちょっず、も、もう  可愛っ  」

なんず隣に、仕組んだかのように真黒い猫が䞀匹座っおいるではないか。
もちろんレンではない。䜓栌もやや倪め、癜い猫よりずっず逞しいず蚀える。
それでも癜ず黒の二匹の猫が揃っおこちらを芗いおくる様は、琥珀ずしおも
本圓に錻血でも噎き出しおしたうのではないか、ずいうほどだった。

ただ、あいにく今は䞀匹分のミルクずフヌドしかない。
䜕せ残しおも琥珀が食べられる物ではないから、䜙分には䜜りもしおいなかったのだ。

「すぐ黒い猫さんのも䜜っおきたすから、埅っおお䞋さいね」

そう蚀い、ずりあえず持っおきた䞀人分を皿に入れおその堎を起った。
屋敷に入り、履物を脱ぎ、台所に向かう足が嫌でも早たる。
癜いほうを今たでレンず呌んできたが、やはり黒いほうもレンず呌んでみようか。
癜いレンさた、黒いレンさた。ずなるず本物の方はどうしたら良いだろう。
いずれにせよ、明日からはもう䞀匹分必芁になるだろう。
手提げを少しだけ倧きいのに倉えた方が良いだろうか。

そんなこずを考えおいるうち、矎味しそうに匂う䞀匹分のフヌドはすぐに完成した。
本来は明日の分だったミルクパックを冷蔵庫から手に取り、手提げにしたう。
来た時よりもさらに早い足取りで、琥珀は台所から出た。

「きゃっ」
「ひゃわっ」

よく䌌た悲鳎が二぀、廊䞋で同時に軜く響いた。

「翡翠ちゃん びっくりしたあ」
「姉さん。䜕をそんなに急いで  」

蚀いかけた翡翠の瞳が、琥珀の草にたみれた手提げに向けお光った。
それは ず聞くたでもなく察したのだろう、呆れるように小さなため息を぀く。
そんな可愛い効の手を、琥珀は空いたほうの手で掎んだ。

「そんな固い顔しおないで、翡翠ちゃんも䞀床芋おみなさいっお」
「あっ、ちょっず姉さん」
「いいから、いいから」

戞惑う翡翠を、ぐいぐいず庭の方ぞ匕っ匵っお行く。
翡翠は確かに”お固い”ずころもあるが、根元は歳盞応の少女なのだ。
あの可愛さをそんな理由で芋もしないのは勿䜓ない、そんな琥珀の姉心だった。

.

[倏の終わり−②]

#3742006/11/22 05:31
庭に着いた琥珀は、もう䞀床我が目を疑うこずになる。

翡翠は䞡手で口を芆い、癜い肌の顔をさらに青癜く倉える。最近の圌女は、
以前よりもずっず衚情豊かになったず蚀えるだろう。
逆に琥珀は、今この時だけ衚情がなかった。
ず蚀うより、圌女の経隓の䞭には、このような時にすべき衚情が芋付からない。

「ひどい  」

今にも泣きそうな声で、翡翠が声をもらす。
黒い猫は、もう琥珀が残したミルクを舐め終わる所だった。フヌドは既に食べ
終えおしたったらしい。
癜い猫は  もう、赀くなっおいた。
耳が片方なくなり、錻はほずんど抉られ、党身には削られたような無数の傷。
そしお倧量の血は、䜕か別のモノが芋えかけおいる腹からのものだった。

疑いようもない。
黒い猫の足先や口は、たるで絵筆のようにそこだけ赀い。
癜い皿に満たされおいた癜いミルクも、飲たれた埌には赀いものが混じっおいる。
ここ、庭の奥は、どこも人間の腰ほどもある草が茂っおいるが、この䞀垯だけは
琥珀が猫のために草の手入れをしおいた。
だから倧きくおも小さくおも、近くに赀い足跡があれば分かるはずである。
むしろ琥珀は、祈るようにしお目だけでそれを探した。探しおいた。

「姉さん  」

翡翠が、遠慮がちに琥珀の背䞭ぞ声をかける。
割烹着に包たれたその華奢な身䜓は、肩も、手提げを持っおいる手の指先
たでも、震えの䞀぀すら芋られない。
効の方を振り返るこずなく、琥珀は蚀った。

「翡翠ちゃん。手袋ずシャベル、持っおきお」

こくん、ず頷きだけで返事をしお、翡翠はその堎から走り去った。
残された琥珀の顔を、新しく匂う逌を求める黒い猫が可愛らしく芗きこんでいる。
黒で隠せないほどの赀が、その目蓋にも化粧のように塗りたくられおいる。

「ごめんなさい  」

かすかに、琥珀の口元が動いた。
そしお垯に挟んでいた竹箒を手に取り、匷く握った。

.

[倏の終わり−③]

#3752006/11/22 05:33
倏も終わりに入れば日も短くなり、倜は冷えるようになる。
遠野屋敷のリビングルヌム。
軜く暖の取られたここぞ、倕食埌には屋敷に䜏たう四人党員が揃う。

「琥珀。今日の玅茶も䞭々良いわ」
「いえいえ、秋葉様には最高の物しかお出ししたせんから」

高貎な笑顔ず、満面の笑みを向け合う二人。

「翡翠。たた新しいお茶入れおくれたのか」
「ええ、志貎様が以前呟いおおられた銘を調べたしお」

穏やかな笑顔ず、ささやかな笑みを向け合う二人。
軜い談笑や、ちょっずしたヒステリヌなども混じった団欒を䞀通り枈たせるず
あずは自然に解散ぞず流れ、琥珀ず翡翠はい぀も通り、それぞれの䞻人を自宀
たで送り届けるこずになった。

「お䌑みなさいたせ、志貎さた」

䞀瀌し、䞻人の郚屋の扉を閉める翡翠。
その背埌に䞀぀の気配があった。

「姉さん  」

琥珀である。

「シヌッ。いいからいいから、翡翠ちゃんは芋回りのほうお願い」

リビングを出るのは秋葉、぀たり琥珀の方が早かったので、この到着に䞍自然
はない。ずはいえ秋葉を自宀に送っおすぐ、こちらぞ来たこずになる。
恐らく途䞭でリビングに寄っお、志貎ず翡翠の䞍圚を確かめもしただろう。
翡翠は、特に䜕もせず蚀われるたた远い払われた。
もずもず今倜の芋回りは、倧郚分が翡翠の圓番である。

翡翠を芋送り終わっおから、琥珀は扉をノックした。

「こんばんは、倱瀌したヌす」
「あれ、琥珀さん」

たるで遊びにでも来たような感じで入っおきた琥珀に、志貎はい぀も通りの
やや呆けた顔で応えた。
別に今でも、こういった蚪問は珍しいこずではない。

「今倜は䜕ですか TVゲヌムなら土曜日の玄束じゃ  」
「いえいえ、違いたす。実は本日、ちょっずばかり嬉しいこずがありたしお」
「嬉しいこず」

はい、ず頷き぀぀琥珀は軜い足取りで進み、志貎の座っおいるベッドの暪に
小さく腰をかけた。
互いの腰は、拳䞀぀分も離れおいない。これが、この二人の自然な距離だ。
最も二人以倖、ずくに秋葉が居る時などは人䞀人分䜍は空けるけども。

「嬉しいこず、ですか」
「はい。私、泣けるようになったんです」

蚀うず、琥珀は志貎の方ぞ身䜓を傟けおきた。

「え」
「だから、泣けるように、なった  んです、私」

四人しか䜏たない広倧で沈静な屋敷。その宀内では、小さな錻をすする音すら
敏感に響く。
既に志貎からは、琥珀の頭頂郚しか芋えない。
琥珀は座ったたた、䞡手も脚に挟んだたた、䞊半身だけを党お志貎ぞず任せおいる。

「だから  胞、ちょっず貞しおくださいね。
 せっかくだから、歀凊がいいんです。
 私、ここがいいんです」

それきり、琥珀は䜕も喋らなかった。
志貎も䜕も聞かなかった。
翡翠は、恐らく戻らないであろう姉のために、懞呜に芋回りを務めおいるのだろう。
秋葉は、琥珀の淹れた玅茶の味でも思い出しながら、優雅に寝静たっおいるのだろう。
そしお明日になれば、たた同じ䞀日が始たるのだろう。

ただ䞀぀。
もう誰も来るこずのない庭の奥に、癜ず黒に塗られた石ず皿ずいう、奇劙な
オブゞェが増えた以倖は。



...End

[倏の終わり−④]

#3762006/11/22 05:40
久しぶりに来たので、投皿しおおきたした。
䜕だか流れには沿わないSSですけど、お蚱しを。

琥珀が実際に䜕をしたのかは、皆さんの想像次第です。
それ次第で、この䜜品内の琥珀に察する解釈は少し違っおくるかも知れたせん。
たあ玠盎に読むのが䞀番ですけどね笑
䞀郚分だけ構成ミスを盎せないたた投皿したのが悔やたれるなぁ 。

たあ、お楜しみ䞋さい。
それでは。

[倏の終わり−あずがき]

#3772006/11/22 12:12
GJ
久々にはっちゃけおない琥珀さんが芋れお満足です

[匿名さん]

#3782006/11/22 12:31
GJです。
こういう琥珀さんも良いですね〜。
流れは気にせずに次回もよい䜜品を期埅しずきたす。

[370]

#3792006/11/23 01:12
あれ ちょ、目から汗が。・・぀Д・・。
こんな話を曞ける人がただこのスレには居たのか  

[匿名さん]

#3802006/11/26 04:04
過疎りぎみかな

[匿名さん]

#3812006/11/27 04:40
誰も曞かないようなのでこっそり



・・・・・ペラ
目を芚たすず芋慣れおいる倩井ではなく、䜕もない暗い空間を芋た。
䞍思議に思い、昚日の自分の行動を思い出した。
昚日はい぀もどうりに日を過ごし垰っお自分の郚屋で寝たはずだ・・・
思い出すに぀れお、自分が䜕故ここにいるのか疑問を感じ始めた。
歀凊は䜕凊なのだろう蟺りを芋回すこずにした。
・・・・ペラ
だが、䜕か硬いものに抌えられ
手足はおろか銖すらも動かせなかった。
芖線を手のほうに向けおるず、なにか冷たい鉄のような物が芋えた。
・・・ペラ
突然ラむトが圌を照らした。
圌はあたりの眩しさに目を瞑っおしたいそうになったが
今盎ぐにでも状況を確認するために目を閉じなかった。
・・・・カツン、カツン
誰かが近寄っおくる音が聞こえおきた。
油断を誘うために目を閉じ、盞手が至近距離たで近寄っお来るたで埅った。
・・カツン、カツン
自分を照らしおいるラむトの圱を䜕かが遮った時、圌は目を開けた。
・・・・ペラ
「こ・・琥珀さん・・・・・」
圌は驚き思考が停止した。
「志貎さん埡目芚めですか〜」
圌女はこの堎にそぐわない、明るい声で話しかけおきた。
琥珀ずいう少女のい぀もず倉わらない態床を芋お圌は安心した。
「なんだ琥珀さんか、驚いたよ」
「驚かせおしたいたしたか〜」
琥珀がここにいるずいうこずはなにか自分はいたずらに巻き蟌たれたのだろう。
「琥珀さん、この拘束具倖しおくれたせんかね」
い぀ものように「仕方ありたせんね〜」ず蚀っおいたずらをやめ、䜕かお願いをされお
終わりだろうず思った。
・・・・ペラ
「あは〜だめですよ〜」
琥珀の態床はい぀もず違うなず思った。
「先に䜕か琥珀さんのお願いを聞いおからでもいいですから、倖しおくれたせんか」
琥珀はクスクスず笑い
「だめですね〜」
ず、面癜くおたたらないずいった衚情で笑いながら蚀った。
様子がおかしい・・・背䞭に氷を突っ蟌たれたような寒気が圌を襲った。
「そこをなんずか」
必死に頌んだ。今たで頌っおきた本胜が危ないず告げたからだった。
だが、圌女はクスクスず笑ったたただった。
なんずか抜け出せないだろうかず行動し始めたずき、
「抜け出せたせんよ、抜けられないように䜜られおたすから」
ず、別のずころから声がした。
あの服装は・・・
・・・・ペラ
「シ・・・シオン」
「私がそれを補䜜したした、人にはその拘束具を抜け出す事は䞍可胜です」
シオンが䜜っただっお
二人はいったいなんのためにこんな事をしたのだろうか、䜕故
「目的はなんだ」
蚳が分からず、おもわず叫んでしたった。
・・・ペラ
「圓然志貎さんがいないずできないこずですよ〜」
琥珀はこれから行う事が愉しみで仕方が無いようだった。
「志貎を䜿った実隓です」
シオンはい぀もどうり平然ず蚀い攟った。
「俺を䜿う実隓」
理解ができなかった。ずいうよりも今の状態では考えるこずができない。
「はい〜、たずは志貎さんの足をダチョりさんの足ず取り替えたすね〜」
・・・・・はい党く理解できなかった、぀ヌかなんかカオスな感じ。
「次に志貎が憧れおいた光線をだせるようにしたす」
・・・・・・・シオン、俺は憧れおいただけであっおだせるようになりたいずは思っおない。
぀ヌか人をやめたいずは蚀っおないようん。
「二人ずも本気」
「そのあずは髪の毛が飛ばせるようにしたしょう」
「ミサむルも飛ばせるようにしたしょうね〜」
党然本気っぜいよ聞いおないしね、あヌなんか涙が出おきた。
「そういうわけで志貎さん、がんばりたしょうね〜」
「志貎、痛くないから倧䞈倫なはずです・・・・倚分」
今倚分っお聞こえたよ絶察やばいっお
「あは〜」
「フフフ」
「よせっお、やめろヌや〜め〜お〜く〜れ〜」

぀づく、かも

[匿名さん]

#3822006/12/24 20:57
                〜お知らせ〜
クラブセガでの皌動も確認できたしたので、党囜共通の26日を目安に、
旧DAT党を匷制的に倉庫送りずしたす。぀きたしおは珟行で
IDの末尟に0が付かないの䜏人の皆様は新䜜成のためのなどを
埡決めください。なお倉庫送り決定たでにが決たらない堎合、
適圓に圓方管理人がを決定したす。

[朚人圢祝䞀呚幎★]

#3832006/12/30 01:31
次
https://bakusai.com/thr_res/ctgid=127/acode=3/bid=780/tid=630572/
移動お願いしたす。

[朚人圢祝䞀呚幎★]

#3842018/08/16 23:48最新レス
子竜蛍の小説講座は砎綻しおいる
子竜蛍・・・珟圹プロの小説家「子竜 螢」が、文孊賞受賞ぞず導きたす、子竜の目で芋る添削は違いたす、などず「自分で」銘打っおおいお、評䟡は他人がしおの評䟡だろヌが
小説講座始たっお以来、数十幎・・・未だにプロデビュヌさせた受講生が「人」のク゜小説講座です。
地方玙の賞止たり・・・いわば、担圓が぀く䜜家ではない。
なにしろ、本人が小説の曞き方を分かっおいない。
だから教えるこずもできない。それなのに、自分に陶酔しお、よく恥ずかしくもなく、「小説デビュヌに匷い味方の子竜です」なんお䞊にアップできるな。
先生、なんお呌ぶの虫酞が走るわ
銬鹿じじい

[匿名さん]


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📌携垯から芋た時にどのキャラを察象ずしたものか分かりやすい様にしお䞋さい。
📌スレ立おは自由なのでご自由にスレ立おしお䞋さい
(乱立、重耇スレは削陀の察象ずさせお頂きたす。)
投皿前の泚意
  • 掲瀺板あらし行為URLの蚘茉は 䞀回で曞蟌み犁止措眮ず臎したす。





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