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メルティブラッド攻略・地方

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ゲーム総合においた方が望ましいと思われるものはゲーム総合にスレ立てして下さい。
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NO.654720
【君も作れる】あなざーすとーりー2【物語り】
メルブラ(月姫)自作小説スレその2。
書いてみて面白い! と思ったら、ここに投稿してみよう。

前スレ
(991にスレ内の全作品へのアンカーがあります)

【Ifの】メルブラあなざーすとーりー【物語り】
https://bakusai.com/thr_res/ctgid=127/acode=3/bid=780/tid=656399/

※携帯ユーザーの為に、アドを貼る際はht抜き推奨。
※PCユーザーはtp://jbbs〜のjからコピペすれば一発で見れます。

#3352006/11/08 16:11

取り敢えずさ、改行したりとか行間空けたりとかして見やすくしようよ

[匿名さん]

#3362006/11/08 18:38

字数いっぱいまで使っているので余白が…orz
次のにはもう少し気をつけてみます。

[304]

#3372006/11/08 18:38

字数いっぱいまで使っているので余白が…orz
次のにはもう少し気をつけてみます。

[304]

#3382006/11/08 18:46

レス二つに分けてでも見やすくするべきだと思うよ

[匿名さん]

#3392006/11/08 19:02

まあ見やすさは大事だな。>>304よ、レス分けるなり次から気をつけてくれ。
ただ、過去レスにもあったような気がするがあんまり改行使い過ぎるとウザったくなるので注意すべし。

[匿名さん]

#3402006/11/08 20:19

了解しました!
他にも指摘等ありましたら遠慮なくどうぞ。見辛い、解り辛いなんでも結構です。
出来る限り善処します。
 
後連投スマソorz

[304]

#3412006/11/10 01:47

「で、どうなの最近?それなりに元気だって事は知ってるけどさ」
「『それなりに』?私はいつもと何ら変化ありませんよ」

「…嘘ばっかり、嘘言う時はいつも解りやすいのよね貴女」


『ある感情をかたちに』


「だってあんまり互いの近況を報告する機会ってないじゃん
 だって敵同士なんだし私達」
「だからといって、喫茶店に入って貴女と話す事なんて
 一切何一つありませんよアルクェイド、だって敵同士なんですし私達」

「だったら戦う?昼でも戦っていいんだよ私?」

「だから…貴女は馬鹿ですか、いきなり昼間から町中で
 学生が外人の女が暴れまわってたら問題でしょうに」
「別に私自身は異存は…」
「私にとって問題あるんです!ああいうのは夜だけで十分です」

「まあ確かに、昼間から殺し合いってのはいただけないかもね」


天気の良い昼下がり、ある街の一角にある大きな喫茶店
金髪の外国人と思われる女性と
学生らしき眼鏡がよく似合う女性が向かい合って座っている
一見会話だけ聞いてると物騒な二人だが
以外と和気藹々として見てとれる様です

「で、なんであんまり元気ないのシエル?」
「だから元気ありますっ!勘違いもいいとこですよ」
「嘘でしょ、もしくは自分で気付いていないか」

「…そんなにそんな風に見えます?」

「うん見える、…といってもそう感じるのは私かセブンくらいかもね
 …多分、志貴にはわからないかも知れない」

眼鏡の女性は少し考えながら
『ああなるほど』といった感じで首をあげました

「どういう基準かなんとなくわかりました」

「そういう事、じゃあ助けになんないだろうけど
 話くらい聞いてあげるから話してみなさいな
 聞いてもらうだけでも、スッキリする事もあるでしょうに」

「癪ですね」
「かもね、じゃあ止めようか?」
「それはもっと癪ですね」
「かもね」

こういうやりとりだけ見てみると
二人は以外に楽しんでる様にみえます

「あんまり気にしてるつもりじゃないですけどね」
「うん」
「これでも私は結構やれるだと思ってたわけですよ」
「うん」
「けど、この街に来てから以外と上手くいかない」
「そうかもね、それの原因は私とか?」

「貴女が最たる者でしょうね、しかも貴女以外にも原因はいる」
「そうよね、少しシエルには荷が重いかも」
「平静を装うつもりも何も、自然体のつもりだったのですが…」
「気にしたら負けじゃない?私も結構骨を折ってるし」

互いに溜息をついて、そして二人同時にこう呟きました

[ある感情をかたちに]

#3422006/11/10 01:50

つづき〜



「大体、この街にはなんでこんなにラスボス並みの強敵が
 うようよやって来るんでしょうか?
 貴女とか、ネロとか、ロアとか、ワラキアとか
 邪魔でしょうがないです」 byシエル

「大体、この街にはなんでこんなに可愛らしい女の子が
 うようよいるのかしら?
 貴女とか、妹とか、シオンとか、あの姉妹とか
 邪魔でしょうがないわ」 byアルクェイド


「え?」
「ん?」

互いをパチクリ見合わせた後、
同時に互いの台詞に対するツッコミの応酬がはじまりました

「シエルの元気が無い理由ってその事だったの!?」
「アルクェイド…貴女って人は…」

「ゴメンゴメン勘違い、確かに人間の貴女には
 そのことは大問題よね」
「まったく…」

「けど、私の言った事も元気の無い理由の一つじゃない?」
「…どうでしょうね」
「だから、嘘言う時の貴女は解りやすいわよ」

「…まったくもって癪ですね」
「かもね、けどスッキリしたでしょ」

そうアルクェイドがいった後は二人とも無言で
席を立つのはそれから暫くした後でした
喫茶店の外に出ると外は夕方
気持ち的に寒い季節になったみたいです


「ねぇシエル」
「なんですか」
「私は貴女にも感謝してるわ
 私は長い間生きていたけど『今』が一番楽しい
 志貴に恋して、貴女と戦って、普通の日常をすごせて
 永遠を生きるのが辛いと思う様になるなんて、ね」

「アルクェイド、貴女は敵ですけど」
「うん?」
「少し感謝してます」
「なんで?」
「さっき私の事を、可愛らしい女の子って言ってくれたから
 結構元気が出ましたよ」

「やっぱり元気無かったんじゃない」

気付くと、二人とも笑っていました

「可愛い女の子には嘘が装飾品みたいなものなのです」
「なら敵にばれない様にしないとね」


そう言って会話を交わすと
それが合図であるかの様に二人は別れていきました
立場は違えど二人はまるで親友のようです

「アルクェイド!今夜こそは手加減しませんからね!」

「シエルも!今夜は寒いらしいから
 張り切りすぎて風邪になんないようにね!」

[ある感情をかたちに]

#3432006/11/10 02:03

あとがきです

どうも、誰も覚えていないかもしれませんが
昔に此所で書かせて頂いてた者です

久しぶりに書けるかなみたいな感じで
少しづつ書いてギュッと纏めたのが
>>341>>342なわけです

ま、『ある感情〜』のコンセプトは
ちょっとエロい恋の話だったのですが
男キャラを全員使いきってしまったので
アルクとシエルの仲良し話を

個人的には仲が良いアルク、シエルが好みなので
設定的にずれてしまった感があります
受け付けられない人もいるかも知れないので
マズッたな…というのが正直な感想としてあります

まいどの如く、ツッコミ、批判、感想があれば
参考にしたいと思いますので
いろいろ書いて頂ければ幸いです

また、書く機会があれば是非

[匿名さん]

#3442006/11/10 12:23

GJ

[匿名さん]

#3452006/11/10 14:46

久しぶりにいい話を見させてもらった。GJ!

[匿名さん]

#3462006/11/10 14:55

久々の良SSktkr!
GJ!

[匿名さん]

#3472006/11/10 16:54

うん、まさかここでこれが来るとは思わなかった。
面白かった、GJっす!

[匿名さん]

#3482006/11/10 18:23

GJ!

[匿名さん]

#3492006/11/10 21:13

こういう板があると聞いて、ちょっと覗きに来た者なのだけれど。
ここは書くのが初めてな人も普通に投稿できるような場所ですかい?
何か結構常連さんっぽいのが多くて、どうなのかなー、とか思ったり。
勘違いだったらゴメン。

まぁ、まだ構想がまとまってるわけでもないのだけれど。

[匿名さん]

#3502006/11/10 21:35

>>349
全然大丈夫だと思いますよ
作品の善し悪しとかは、とりあえず置いておいて
まずは書く事からチャレンジしてください
私も初めての時はそんな似たような感じでした
ちょっと緊張しますけどね

>>344
本当にありがとうございます、嬉しいです

>>345
いい話といってもらえて、真に感謝

>>346
久々にならない様に、一定周期でなおかつ
高クオリティの作品が出せれば…いいんですけどね

>>347
その『面白かった』という言葉に救われます

>>348
GJの一言でも、見てもらえてるんだという実感が湧きます
ありがとうございます


レスうれしかったです、また書きます

[匿名さん]

#3512006/11/10 21:55

>>350
レスありがと。一応今、
秋葉視点のほのぼの系なストーリー、ってことで書いてみてるから、
あんま期待せずに待っててくれると嬉しい。

[匿名さん]

#3522006/11/10 21:57

ageごめ。あと連投スマン・・

[匿名さん]

#3532006/11/11 00:39

プロローグ

「・・・・ふぅ、朝、か。」

9月22日、夏の暑さも和らぎ、過ごしやすくなってきたある晴れた秋の日。
私はいつも通り目覚めた。
・・・と言うのはあくまで建前で、目覚めたには目覚めたのだが、とても眠い。
それは前日の夜になかなか寝付けなかったからで、さらにその理由はというと。

「・・・ハッピーバースデイ、トゥーミー。」

この日を年柄にもなく、楽しみにしていたからであった。
さぁ、あの人は私の、遠野秋葉の誕生日を覚えているだろうか・・・・



-秋の夜長-




「失礼します、秋葉さまー。」
目覚めてから程なく、扉を叩く音が聞こえた。その音と同時に、ガチャッ、と扉が開く。
扉の隙間から顔を出したのは琥珀だった。
いつも通りの朝。
「おはようございます、秋葉さまー。お目覚めですかー?」
琥珀は私に、そう声をかけた。ヒマワリのような笑みと、いつも通りの明るい声。
「おはよう琥珀、今日も良い朝ね。」
そう微笑みながら言うと、琥珀はまた輝くような笑みを浮かべ、
「はい、良いお返事です。おはようございますっ」と言った。

そしていつも通り、琥珀は朝食の準備のために台所に・・・・
戻らなかった。なぜかベッドの横に立ったまま、ニコニコ笑っている。

「・・・どうしたの琥珀。朝ごはんの準備をするん」じゃ、と続きを言う前に、
琥珀が突然私の耳元に口を寄せ、

「突然ながら。お誕生日おめでとうございます、秋葉さま」

と本当に突然、もっとも今日あの人の口から飛び出る事を期待している台詞を、琥珀が言った。

「っっっっっっっっ!!」
正直相当ビックリである。まさかこの琥珀が、人の誕生日を覚えていて、それを祝う事があるなんて。
「あれ、そんなに驚かれてどうされました?」
「・・・・そんなに給料を上げて欲しいの琥珀?」
「やだなぁ、そんな打算的なこと考えてるはずないじゃないですかー。
私は純粋に、秋葉さまの誕生日をお祝いしただけで。」と、私の台詞を一蹴しつつ、


「ただ、秋葉さまの周りの方々のうちの何人が、
今日が秋葉さまの誕生日である事を覚えているか、それを知りたいだけです。
とりあえず私はサービスで。一人目と数えましょう。
志貴さまは覚えてるかなーっ♪」


私が最も気にしている事をあっさり最後に言いながら、
琥珀は私の元からさっと離れ、早々に部屋を出て行った。
キツネのようなシッポが琥珀から生えている気がしたが、気のせいだろう。

「あの腹黒家政婦・・・・」
やはり琥珀は琥珀だった。でも、不思議と悪い気はしない。

その理由を考えつつ、私は琥珀に言うべき言葉を言っていないことに気付いた。
「まぁ、後で二人きりになったときにでも言っておこうかしら。」


後で食卓であの人と顔を合わせた時に言ってしまったら、
今日が私の誕生日であることをあの人にみすみす教えてしまう事になるし。
やはりあの人・・・兄さんには、自分自身で気付いてもらって祝ってもらうのが最高に嬉しい。
誰かに教えてもらって祝うのなど意味がないのだ。

何はともあれ、まずは琥珀へ、心の中で呟いておこう。

「・・・ありがとう、琥珀。」

[秋の夜長]

#3542006/11/11 00:42

続きですー。4まで一応あるので、それまでお目汚し失礼します・・。

着替えて部屋を出て食卓に行くと、朝ごはんが一人分、テーブルに並んでいた。

兄さんは私と比べて起きるのが遅いので、
「ご飯が冷めてしまわないように」という琥珀の気遣いで、
兄さんが起き次第、琥珀が新たに兄さんの分の朝食を準備する、というスタンスを取っている。
なので、「一人分」という事には違和感を覚えない。いつもの事だから。
しかし。

何でこんなに朝食が豪華なのだろう。

確かにこの屋敷は、けして金に困っていると言うわけではない。
むしろ使用人を雇っている分、かなり裕福と言える。
しかしいつもの朝食は、

マツタケと旬の野菜が山ほど入っている炊き込みご飯であったり、
蟹の足が汁から飛び出ているような味噌汁だったり、
フルーツ盛り合わせだったり、そう言ったものではない。断じて。

「・・・・どうしたの琥珀、この張り切りっぷりは?」
そう琥珀に聞くと、琥珀は何を言ってるんだと言うような顔で、

「いや、これが私からの秋葉さまへの誕生日プレゼントですよー?
秋葉さまには一杯食べてもらって、もっと大きくなっていただかなければいけませんし。いろんな意味で。」
と、そうふざけたことをのたまった。
ここで反応したら琥珀に負けた気がするので、無視してイスに座る。

平常心平常心。

そう自分に言い聞かせ、食事を始めようとすると、
「おはようございます、秋葉さま」後ろからそう、繊細な声が聞こえた。
振り向くとそこに立っていたのは、琥珀の妹でもあり、あの人付きの使用人でもある女性。翡翠だった。

「おはよう、翡翠。今日もいい朝ね。」
琥珀に向けたのと同じような台詞を、同じように微笑みながら言うと、
翡翠は多少面食らったような顔をしながらも深々とお辞儀を返した。
琥珀とは正反対の性格が、ここにも現れている。琥珀はどう間違っても深々と私にお辞儀などはしない。
そして、多少予想はしていたが。
「秋葉さま、お誕生日、おめでとうございます。」と、
睡蓮のように鮮やかな微笑みを浮かべながら、翡翠はそういった。

私がそれに感謝の気持ちを示すより前に、琥珀は
「お、これで二人目ですねー。私は翡翠ちゃんには教えてませんから、これもカウントです。」
と素早く反応する。人の誕生日をネタにして、すっかりゲーム気取りである。

そんな琥珀に失笑しつつ、私は、
「ありがとう翡翠。忘れてなかったのね、嬉しいわ。」と素直に言った。
「い、いえ、使用人として、主人の誕生日を忘れるなどあってはならない事です。おめでとうございます。」
「そんなことないわ。ところで、翡翠は琥珀みたく、
誕生日プレゼントを朝ごはんで片付けてしまうような浅ましい真似はしないわよね?」
と冗談半分で言うと、翡翠は一瞬きょとんとした後、耳まで真っ赤にさせた。
どうやら、プレゼントの事は頭に入っていなかったようだ。

「ぁ、ぅ、・・・申し訳ありません!すぐに買いに行き」
ます、と言いながら本当に屋敷を飛び出していきそうだったので、私は翡翠の首根っこを掴んで止める。
「落ち着きなさい。今何時だと思ってるの?朝早くでどこも店なんてやってないわよ?」と嗜めると、
翡翠はますます赤くなって、しゅんとしぼんだ。

[秋の夜長]

#3552006/11/11 00:45


そんなこんなで朝ごはんも食べ終わり、そろそろ学校の時間だというところで、上からどたばたと騒がしい音が聞こえた。と同時に翡翠が戻ってきて、

「志貴様がお目覚めになられました。姉さん、朝食の準備を。」と琥珀に告げる。

はいはーい、とキッチンから琥珀の声が聞こえる中、ドクン、と私の胸は高鳴った。

兄さんは気付いているだろうか、朝私になんと声をかけてくれるだろうか、
どう答えればいいか、どもったりしたらマズい、と悶々とした気持ちで食卓の周りを歩き回る。落ち着かない。
はしたないと思いつつ、この状況を楽しいと思ってる自分がいる。

「・・・・は」
ああ、ダメだ。こんなんじゃ今日の授業なんて身に入るはずがない。いっそサボってしまおうか。

「・・・きは」
急に調子が悪くなったフリをして寝室に戻れば、琥珀が何とか取り計らってくれるだろう。
むしろ風邪のふりをして、兄さんに看病してもらえれば・・・

「秋葉!」
突然耳元で大声で叫ばれた。思わず「ひゃう!」と本来出るはずのない声の出し方で声が出てしまう。

「どうしたんだ秋葉。朝からボーっとして。らしくないぞ。」と嗜めるような声。横を見ると、すぐ近くに兄さんの顔があった。

色んな事を考えすぎて、兄さんが階段から降りてきて琥珀に朝の挨拶をした事にすら気付かなかったのだ、
と論理的に物事を考える余裕は、今の自分にはない。
それどころかすぐ近くに兄さんの顔がある、という状況にさらに困惑し、慌てて後ずさり。本当にはしたない。
「お・・・・おはようござい、ます。兄さん。」
やっとの思いでそう告げると、兄さんは満足したように
「うん、おはよう、秋葉。」と、自分にとって反則レベルの笑みを浮かべながら言った。

結局学校には行く事にした。兄さんと一緒に登校できるというのもあったし、
学校をサボろうとした理由が考えてみるとバカらしかったのもあるし。

そして何より、早く兄さんに「誕生日おめでとう」と言って欲しかったから。

しかし、学校に行って帰ってきて、夜ご飯を食べ終わるまで、兄さんからその言葉を聞く事はなかった。
言ってくれたのが、学校で会ったシエル先輩と、瀬尾と、学校の帰り道に道端で会ったアルクエイドだけ。
瀬尾はともかく、この二人が覚えてたのは意外である。
どちらからも誕生日プレゼントをあげるとは一応言われたが、一蹴しておいた。

どちらも彼女たち自身の誕生日のときの、見返りの要求が突拍子もないものだったから。
先輩の要求である「一週間メシアンおごり」を聞いたときには、
この人から一生誕生日プレゼントはもらうまいと誓った。いや、冗談抜きに。

[秋の夜長]

#3562006/11/11 00:47


夜ご飯が終わった後、私は庭に出て、月を見ていた。
「なんて・・・キレイな満月」
そう呟き、また空を見上げた。
ふと今の時間を確認すると、11時40分。後20分で「9月22日」が終わる。
「結局、覚えてくれてなかったのかなぁ・・・」
また一人でそう呟くと、私は無意識のうちにため息をついていた。

今日兄さんは学校が終わると、用事があるからと言って、学校を飛び出していってしまった。
大方、あのいつも兄さんがつるんでいる乾先輩とやらと、遊びにでも出かけたのだろう。
そして、それから今まで、兄さんは私に何故か何も話しかけてくれない。
その事も、ため息の原因の一つではあった。

もう11時50分。後10分だ。
明日の朝も早い。そろそろ寝ないと朝に支障が出てしまう。
そう自分に諭し、見ていた月に背を向け、屋敷に足を向けた。そのとき。
「秋葉!」
秋の夜の澄んだ空気に、声が響き渡った。その声と共に、屋敷から来る人影。
ぁぁ、あれは紛れもなく。
「兄さん・・・・どうされたんですか、こんな夜中に」
少し期待し、私は走ってきて息を切らせた兄さんに問うた。しかし、すぐに思い直した。
少しの希望は、それが裏切られたときには大きな絶望に繋がる。
だから、できるだけ感情を殺し、平静を装う。
すると兄さんは、最初の叫び声の大きさとは打って変わり、「ぁぁ、いや、ちょっとね・・・・」と、頬を掻きながらそっぽを向いて言った。
「?」

私が「どうされました、兄さん?」と問う前に、兄さんは私の目の前に小さな箱を差し出し、

「これ、プレゼント。今日は秋葉の誕生日だろ?朝から考えてたんだけど、なかなか良いのが思い浮かばなかったんだ。
だから今日有彦に聞いて、どんなプレゼントなら喜ぶかっていうのを考えてもらったわけ。
ホントはさっき渡したかったんだけど、琥珀さんとか翡翠の前で渡すのも照れくさかったし。」と、
顔を赤くしながらガーッと一気にまくし立てた。

その様子を見て、私は思わず噴き出してしまった。
「・・・・なんだよ秋葉。」
「いえ、ちょっとおかしかったもので・・・」
なんだ。私が今日一日中私の誕生日について思い悩んでる間、
兄さんも同じように誕生日について思い悩んでいたのだ。これほど滑稽なことはない。

「それでは、ありがたく受け取っておきます。ここで開けてもよろしいですか?」
「あぁ、頼む。」
私はそれを聞いて、箱を丁寧にあけ、中の物を取り出した。中に入っていたのは。
「これは・・・櫛・・・?」
「うん。秋葉の櫛って、前壊れちゃったらしいじゃないか。琥珀さんに聞いたよ。
だから、この櫛を使ってくれ。安っぽいプレゼントでごめ」
「いえ、そんなことないですよ?」と、私は兄さんの謝る声を遮るように、笑いかけながら言った。

そして、兄さんにまっすぐ向き直り、

「兄さん・・・有難うございます。覚えてくれていたんですね・・・」

そうはっきり言った。一度は家から離れたが、またこの屋敷に戻ってきてくれた。
私のために。その分の感謝も込めて。

ふと気付いた。随分早口になっているし、顔も赤い。まったく、はしたない自分。

後12時まで5分。私はそれまでに、兄さんに頼みたい事ができた。
「ねえ、兄さん?」
「どうした秋葉。そろそろ冷えてくるぞ、早く屋敷に戻ろう」
「そんな事はいいんです。それより、この櫛で髪を梳かしてくれませんか?
今日の朝からずっと手入れしてないので、乱れてしまって。」
私のそのわがままに、兄さんは快く応じてくれた。
私はイスに腰掛け、兄さんはその後ろから髪を丁寧に梳いてくれる。
慈しむかのように。愛でるかのように。
そんな私たちを、満月は優しく照らしていた。


たとえ私たちの前に壁が立ちふさがったとしても、
二人でそれを乗り越えて行きたい。
そんな事を思いながら、私は残りの「9月22日」の時間に身をゆだねた。

[秋の夜長]

#3572006/11/11 00:53

あとがき。
一応初投稿になります。お初です。

うー、見にくいですね・・・
どのぐらいで改行してどのぐらいの長さになるか把握してませんでした。
申し訳ないです。

設定上としては、歌月十夜の一日を思い浮かべてくれれば分かりやすいかと。
夢のような、夢の一日。
自分は秋葉を激しく推すタイプなので、
秋葉を主点に置き、語り部のように進ませていただきました。

とりあえず、初投稿なので
アドバイスから叩きまで何でもお待ちしております。
むしろ書いてくれたほうが助かったり。
それではでは。

[匿名さん]

#3582006/11/11 00:55

GJ!!!

[匿名さん]

#3592006/11/11 14:02

話としてはなかなかいい、GJ

あとは改行とか、文章を見やすくしたりするとか。
あと、一日その文章を寝かせて
もう一度次の日に読み直してから投稿すると良い

早く見て貰いたい気持ちはわからんでもないけどね

[匿名さん]

#3602006/11/11 15:49

GJです。
次回作も楽しみにしておきます。

[匿名さん]

#3612006/11/11 19:38

>>358
その一言で十分です。ありがとうございますー。

>>359
確かに、初だからって気がはやってたとこがありましたね・・・
ご指摘ありがとうございます。
次回はこうならないように努力するので。

>>360
ありがとうございます。またネタが思いつけば
少しずつ投稿していこうと思いますので、
そのときはまたご指摘なり何なりお待ちしてます。

[匿名さん]

#3622006/11/11 20:54

結構間が空いてしまいましたorz

とりあえずエロ編は書けましたが。
エロ薄いです。書き込もうかと思ったんですが文字数とか、
俺のセンスの無さとかで断念。
これと次の幕間編で前編終了・・・ゴメンナサイ、マジ長いです。
それではエロ編どうぞ

[304]

#3632006/11/11 20:56

「さぁ、シオン。蜜月の時を共に愉しもう」
ワラキアはゆっくりとこちらへ近づいて手を伸ばしてきた。
「・・・っ!」
ワラキアの手が頬に触れ、喉を通って顎へと届いた。
「フフ・・・怖いかね?シオン」
口元を少し吊り上げてこちらを挑発するようにワラキアは言った
「誰がっ!この程度で屈する私ではありません!」
そう言うとワラキアは嬉しそうに笑み
「結構。」
私を抱え上げベッドへ連れて行った。

「さて、ただまぐわうだけでは面白みが足りないとは思わんかね?」
「余興だ。君が30分耐え抜く事が出来れば解放してあげよう。当然その30分は愛撫だけだ。どうだ、受けるかね?シオン」
突然ワラキアからの提案が出た。意図は読み取れない・・・
「・・・有無を言わさず行使できる状況があるというのに無駄に好機を与えてよいのですか?」
「言っただろう?余興だと。君を手に入れる事は容易い。多少のエッセンスは必要だと思わないかね?」
要するにワラキアはその条件を出したとしても余裕があるという事らしい。
だがここはその提案に乗る他無い。そこに望みをかけるしか無かった。
「・・・いいでしょう。30分ですね。確認したい事が二つあります。1、間違いなく30分で解放するのか、
 2、耐え切るというのは具体的にどうなれば耐えた事になるのか」
「おお、これは失礼。一つ目の質問に対しては間違いなく30分キッカリ。一秒でも過ぎればその場で解放する事を
 約束しよう。二つ目、シオンが"気をやらなければ"耐え切ったという事にする。つまり『イかなければ』いいのだよ」
イくという単語を聞き今起ころうとしている事が一気に現実感を増す。私は一抹の不安を感じながら
「解りました。時間はこちらで計らせて貰います」
「よかろう」


「ふっ・・・くっ・・・」
愛撫が始まって5分程経っていた。ワラキアはまだ一度も直接局部や胸の突起などには触れていない。
徹底的に焦らしていた。首から肩のラインを通って肩甲骨、脇、腰、そして太もも、ふくらはぎと
絶妙なタッチで時間をかけてなぞっていった。
「クク・・・シオン、君は中々に感じ易い身体のようだ。少しなぞっただけで震えているぞ?」
「くすぐったいだけです。後24分27秒。楽なものですね」
「そうでなくてはな・・・さぁ、まだ先は長いぞ」

[304]

#3642006/11/11 20:58

だんだんとワラキアの手が中心へと寄って来るようになっていた。
脇から双丘へと、太ももから内ももへと・・・そして敏感な所に触れるたび身体が跳ねてしまっていた
今までこの様な感覚に襲われた事は無かった。生まれた時から研究にのみ身を捧げていた私は自分で自分を慰める事はおろか
自分で触れる事すらした事がなかったのだ。その私が今父であるワラキアに身を任せ、しかも反応を返してしまっている。
「ふぁっ、あっ、うぅぅ・・・」
必死に口をつぐむが体の奥から出てしまう声を隠し切ることは不可能だった。
既に23分と50秒経過しているが、未だにソコへは触れていない。だがもう自分で解るほど濡れていた。
恐らくソコは女として花開いている事だろう。

「どうした?シオン。もう少しで30分だが・・・その様子だと持ちそうに無いか?」
手は止めずワラキアがそう囁いた。
「ふ・・・ゥ・・・この程度で・・・ッは・・・まだまだ・・・」
強がってみるものの正直辛い。恐らく手が自由であれば自分で慰めていたに違いない。
「さて、そろそろ仕上げといこうか。シオン耐えてみせろ」
言うが早いかワラキアは首に顔を近づけ、首筋を噛んだ。
「ッ・・・!」
鋭い痛みが走り首に牙を突き立てられていると気付いた。
「な、何をっ!くぅぁっ!」
「何、呪い[まじない]だよ。身体感覚即ち五感を数倍敏感にさせるモノだ」
先ほどから体を襲っていた感覚が更に激しさを増した。背骨には常に電気が通っているような感覚になり
ソコは甘く痺れている、触れられた箇所全てがこの上ない快感へと昇華していった。
「うあああ?!くはっ、はっ、あぁぁあ!」
「さぁ、狂えシオン」
コリッ
「?!ひぁぁぁっ!嫌ぁぁぁぁ!」
胸の突起をつねられ、脳天に稲妻が走った。いままでのモノとは比べ物にならない快感が全身を駆け巡り
頭は真っ白になり身体は海老反りになった。

「くはっ、はぁっ!はぁっ!あっ、はっ」
「まだ耐えるか。流石だシオン次で最後としよう」
私はまだはっきりとしない意識の中で恐怖していた。今のでもう限界に来ているというのにこれより上がまだあるというのか。
そう、まだ・・・ある。ソレは私が女であるという証。
「い・・・嫌・・・もう、ダメ・・・無・・・」
子供のように頭を振りイヤイヤをするが、無情にワラキアの指は陰核を捉えた
「あぁぁあぁぁあぁぁあああぁあぁぁ!!!」
肺から吐ける限りの空気を吐き出し私は失神した。
「29分49秒。残念10秒ほど足りなかったな」

[304]

#3652006/11/11 21:29

せっかく良い流れだったのになー

[匿名さん]

#3662006/11/11 21:52

明らかにいい流れを切ったのは>>365
いい流れだと思うなら叩きor煽り発言するなよ。
それとも>>304にまだ粘着してるの?いい加減許してやれよ…

という事で304ガンガレ&エロ乙まだ拙い所は色々あるが頑張ってるのも見受けられるし。

長いのは構わないからどんどん書いてくれ。期待してるぞ

[匿名さん]

#3672006/11/11 23:37

>>304
GJ!!あえて言うなら長くてもいいからもう少し内容を膨らませるとよかったかな?
なかなかこのカップリングでSS書いてくれる人がいないのでいつも楽しみにしてるよ。ガンガレ!!

[匿名さん]

#3682006/11/11 23:59

>>365
空気読まずエロ投下スマソ
>>366
ありがとう〜頑張ってみます(`・ω・´)
>>367
ごめんなさいwぢつはワラxシオンってだけぢゃないんです。
というか考えていく内に↑がオマケに・・・
という事でワラの活躍はここともうちょっぴりだけになります。
期待させてコレでスマナス。ココから先にその期待を乗せといてくださいorz

[304]

#3692006/11/12 01:22

>>304つまりそれは期待していいということだな?w頑張ってくれ!

[367]

#3702006/11/20 12:33

続きマダ~?

[匿名さん]

#3712006/11/20 18:22

wktkwktk(・∀・)

[匿名さん]

#3722006/11/22 05:27

夏の終わり。雲一つない青空に見下ろされた遠野の屋敷。
その庭へ、竹箒を片手に割烹着を着込んだ少女が姿を現した。

「あらあら、今日のお天道さまは元気ですねえ」

琥珀である。
掃除をしに来た訳ではない。もともと草原と呼べるほどに雑草の生い茂っている
ここを竹箒で掃除など出来ないし、今は草刈りが必要なほどでもない。
目当ての場所は、その草刈りが必要なほど伸びきっている、もう少し奥手の方にある。

散歩をするにしても誰も通らない、だからこそ草の手入れも行き届いていない、庭の隅。
陽射しからも丁度日陰になっているその草むらの中には、白い小さな生き物がいた。
近くの草が侵入者によって鳴らされると、とっさに警戒の構えを見せたが、そこから
出てきたものが割烹着の少女だと分かると、気が抜けたように身体を弛緩させる。

「はい、レン様。今日のミルクと簡単なおやつですよ」

琥珀が、持っている手提げから小さなパック牛乳と調理したフードを取り出し、
既に置いてある皿へと満たす。
それを見るや、白い小さな———猫は、何とも可愛らしい仕草でミルクを舐め、
フードをちまちまと啄ばみ始めた。
こういった時の猫の動作という奴は、人間に魅せるために訓練されているのでは
ないかと疑いたくなるほど、的確に母性本能を刺激する。

「はあ。翡翠ちゃんより可愛いかも……い、いえ、そんな事は断じてありませんけど!」

琥珀も同じである。
つい最近、一週間ほど前からだが、炊事や洗濯の他に、この白い猫への昼一回だけの
餌やりが琥珀の日課に追加されていた。

琥珀は”レン”と呼んでいるが、勿論黒いレンではない。
そして一月ほども前、黒いレンの中へと戻っていった白いほうのレン、でもない。
ただ全身が真白く、毛並みも少し似ているかも知れない。それだけの野良猫である。

たまたま庭の奥まで入ってみた時に、たまたま何処からか入ってきたその猫を見つけ、
たまたま持っていた(つまんでいた)菓子を与えてみた。
そして次の日、何となくもう一度来てみると、たまたまその日も同じ猫がいた。
それが今日、この日まで続いているだけである。
流石に妹の翡翠には見つかり

「姉さん、野良猫の餌付けはどうかと思います」

と、お目玉を喰らってしまったものだが、別に昼の一度を世話するだけだし、
止めたなら止めたで野良なりに生きていく、そう琥珀は思っていた。
翡翠も責めはしたものの、結局はその一回きりの軽い注意だけだった。

.

[夏の終わり−①]

#3732006/11/22 05:29

翌日。
琥珀は我が目を疑うほどの光景に出くわした。
いつも通りに白い猫が、皿の前で待ち構えている。しかしそれだけではなかった。

「ちょっと、も、もう……可愛っ……!」

なんと隣に、仕組んだかのように真黒い猫が一匹座っているではないか。
もちろんレンではない。体格もやや太め、白い猫よりずっと逞しいと言える。
それでも白と黒の二匹の猫が揃ってこちらを覗いてくる様は、琥珀としても
本当に鼻血でも噴き出してしまうのではないか、というほどだった。

ただ、あいにく今は一匹分のミルクとフードしかない。
何せ残しても琥珀が食べられる物ではないから、余分には作りもしていなかったのだ。

「すぐ黒い猫さんのも作ってきますから、待ってて下さいね」

そう言い、とりあえず持ってきた一人分を皿に入れてその場を起った。
屋敷に入り、履物を脱ぎ、台所に向かう足が嫌でも早まる。
白いほうを今までレンと呼んできたが、やはり黒いほうもレンと呼んでみようか。
白いレンさま、黒いレンさま。となると本物の方はどうしたら良いだろう。
いずれにせよ、明日からはもう一匹分必要になるだろう。
手提げを少しだけ大きいのに変えた方が良いだろうか。

そんなことを考えているうち、美味しそうに匂う一匹分のフードはすぐに完成した。
本来は明日の分だったミルク1パックを冷蔵庫から手に取り、手提げにしまう。
来た時よりもさらに早い足取りで、琥珀は台所から出た。

「きゃっ!」
「ひゃわっ!」

よく似た悲鳴が二つ、廊下で同時に軽く響いた。

「翡翠ちゃん? びっくりしたあ」
「姉さん。何をそんなに急いで……」

言いかけた翡翠の瞳が、琥珀の草にまみれた手提げに向けて光った。
それは? と聞くまでもなく察したのだろう、呆れるように小さなため息をつく。
そんな可愛い妹の手を、琥珀は空いたほうの手で掴んだ。

「そんな固い顔してないで、翡翠ちゃんも一度見てみなさいって」
「あっ、ちょっと姉さん」
「いいから、いいから」

戸惑う翡翠を、ぐいぐいと庭の方へ引っ張って行く。
翡翠は確かに”お固い”ところもあるが、根元は歳相応の少女なのだ。
あの可愛さをそんな理由で見もしないのは勿体ない、そんな琥珀の姉心だった。

.

[夏の終わり−②]

#3742006/11/22 05:31

庭に着いた琥珀は、もう一度我が目を疑うことになる。

翡翠は両手で口を覆い、白い肌の顔をさらに青白く変える。最近の彼女は、
以前よりもずっと表情豊かになったと言えるだろう。
逆に琥珀は、今この時だけ表情がなかった。
と言うより、彼女の経験の中には、このような時にすべき表情が見付からない。

「ひどい……」

今にも泣きそうな声で、翡翠が声をもらす。
黒い猫は、もう琥珀が残したミルクを舐め終わる所だった。フードは既に食べ
終えてしまったらしい。
白い猫は……もう、赤くなっていた。
耳が片方なくなり、鼻はほとんど抉られ、全身には削られたような無数の傷。
そして大量の血は、何か別のモノが見えかけている腹からのものだった。

疑いようもない。
黒い猫の足先や口は、まるで絵筆のようにそこだけ赤い。
白い皿に満たされていた白いミルクも、飲まれた後には赤いものが混じっている。
ここ、庭の奥は、どこも人間の腰ほどもある草が茂っているが、この一帯だけは
琥珀が猫のために草の手入れをしていた。
だから大きくても小さくても、近くに赤い足跡があれば分かるはずである。
むしろ琥珀は、祈るようにして目だけでそれを探した。探していた。

「姉さん……」

翡翠が、遠慮がちに琥珀の背中へ声をかける。
割烹着に包まれたその華奢な身体は、肩も、手提げを持っている手の指先
までも、震えの一つすら見られない。
妹の方を振り返ることなく、琥珀は言った。

「翡翠ちゃん。手袋とシャベル、持ってきて」

こくん、と頷きだけで返事をして、翡翠はその場から走り去った。
残された琥珀の顔を、新しく匂う餌を求める黒い猫が可愛らしく覗きこんでいる。
黒で隠せないほどの赤が、その目蓋にも化粧のように塗りたくられている。

「ごめんなさい……」

かすかに、琥珀の口元が動いた。
そして帯に挟んでいた竹箒を手に取り、強く握った。

.

[夏の終わり−③]

#3752006/11/22 05:33

夏も終わりに入れば日も短くなり、夜は冷えるようになる。
遠野屋敷のリビングルーム。
軽く暖の取られたここへ、夕食後には屋敷に住まう四人全員が揃う。

「琥珀。今日の紅茶も中々良いわ」
「いえいえ、秋葉様には最高の物しかお出ししませんから」

高貴な笑顔と、満面の笑みを向け合う二人。

「翡翠。また新しいお茶入れてくれたのか?」
「ええ、志貴様が以前呟いておられた銘を調べまして」

穏やかな笑顔と、ささやかな笑みを向け合う二人。
軽い談笑や、ちょっとしたヒステリーなども混じった団欒を一通り済ませると
あとは自然に解散へと流れ、琥珀と翡翠はいつも通り、それぞれの主人を自室
まで送り届けることになった。

「お休みなさいませ、志貴さま」

一礼し、主人の部屋の扉を閉める翡翠。
その背後に一つの気配があった。

「姉さん……」

琥珀である。

「シーッ。いいからいいから、翡翠ちゃんは見回りのほうお願い」

リビングを出るのは秋葉、つまり琥珀の方が早かったので、この到着に不自然
はない。とはいえ秋葉を自室に送ってすぐ、こちらへ来たことになる。
恐らく途中でリビングに寄って、志貴と翡翠の不在を確かめもしただろう。
翡翠は、特に何もせず言われるまま追い払われた。
もともと今夜の見回りは、大部分が翡翠の当番である。

翡翠を見送り終わってから、琥珀は扉をノックした。

「こんばんは、失礼しまーす」
「あれ、琥珀さん?」

まるで遊びにでも来たような感じで入ってきた琥珀に、志貴はいつも通りの
やや呆けた顔で応えた。
別に今でも、こういった訪問は珍しいことではない。

「今夜は何ですか? TVゲームなら土曜日の約束じゃ……」
「いえいえ、違います。実は本日、ちょっとばかり嬉しいことがありまして」
「嬉しいこと?」

はい、と頷きつつ琥珀は軽い足取りで進み、志貴の座っているベッドの横に
小さく腰をかけた。
互いの腰は、拳一つ分も離れていない。これが、この二人の自然な距離だ。
最も二人以外、とくに秋葉が居る時などは人一人分位は空けるけども。

「嬉しいこと、ですか」
「はい。私、泣けるようになったんです」

言うと、琥珀は志貴の方へ身体を傾けてきた。

「え?」
「だから、泣けるように、なった……んです、私」

四人しか住まない広大で沈静な屋敷。その室内では、小さな鼻をすする音すら
敏感に響く。
既に志貴からは、琥珀の頭頂部しか見えない。
琥珀は座ったまま、両手も脚に挟んだまま、上半身だけを全て志貴へと任せている。

「だから……胸、ちょっと貸してくださいね。
 せっかくだから、此処がいいんです。
 私、ここがいいんです」

それきり、琥珀は何も喋らなかった。
志貴も何も聞かなかった。
翡翠は、恐らく戻らないであろう姉のために、懸命に見回りを務めているのだろう。
秋葉は、琥珀の淹れた紅茶の味でも思い出しながら、優雅に寝静まっているのだろう。
そして明日になれば、また同じ一日が始まるのだろう。

ただ一つ。
もう誰も来ることのない庭の奥に、白と黒に塗られた石と皿という、奇妙な
オブジェが増えた以外は。



...End

[夏の終わり−④]

#3762006/11/22 05:40

久しぶりに来たので、投稿しておきました。
何だか流れには沿わないSSですけど、お許しを。

琥珀が実際に何をしたのかは、皆さんの想像次第です。
それ次第で、この作品内の琥珀に対する解釈は少し違ってくるかも知れません。
まあ素直に読むのが一番ですけどね(笑)
一部分だけ構成ミスを直せないまま投稿したのが悔やまれるなぁ…。

まあ、お楽しみ下さい。
それでは。

[夏の終わり−あとがき]

#3772006/11/22 12:12

GJ!
久々にはっちゃけてない琥珀さんが見れて満足です

[匿名さん]

#3782006/11/22 12:31

GJです。
こういう琥珀さんも良いですね〜。
流れは気にせずに次回もよい作品を期待しときます。

[370]

#3792006/11/23 01:12

あれ? ちょ、目から汗が。・゚・(つД`)・゚・。
こんな話を書ける人がまだこのスレには居たのか……

[匿名さん]

#3802006/11/26 04:04

過疎りぎみかな?

[匿名さん]

#3812006/11/27 04:40

誰も書かないようなのでこっそり



・・・・・ペラ
目を覚ますと見慣れている天井ではなく、何もない暗い空間を見た。
不思議に思い、昨日の自分の行動を思い出した。
昨日はいつもどうりに1日を過ごし帰って自分の部屋で寝たはずだ・・・
思い出すにつれて、自分が何故ここにいるのか疑問を感じ始めた。
此処は何処なのだろう?辺りを見回すことにした。
・・・・ペラ
だが、何か硬いものに押えられ
手足はおろか首すらも動かせなかった。
視線を手のほうに向けてると、なにか冷たい鉄のような物が見えた。
・・・ペラ
突然ライトが彼を照らした。
彼はあまりの眩しさに目を瞑ってしまいそうになったが
今直ぐにでも状況を確認するために目を閉じなかった。
・・・・カツン、カツン
誰かが近寄ってくる音が聞こえてきた。
油断を誘うために目を閉じ、相手が至近距離まで近寄って来るまで待った。
・・カツン、カツン
自分を照らしているライトの影を何かが遮った時、彼は目を開けた。
・・・・ペラ
「こ・・琥珀さん・・・・・」
彼は驚き思考が停止した。
「志貴さん御目覚めですか〜?」
彼女はこの場にそぐわない、明るい声で話しかけてきた。
琥珀という少女のいつもと変わらない態度を見て彼は安心した。
「なんだ琥珀さんか、驚いたよ」
「驚かせてしまいましたか〜?」
琥珀がここにいるということはなにか自分はいたずらに巻き込まれたのだろう。
「琥珀さん、この拘束具外してくれませんかね?」
いつものように「仕方ありませんね〜」と言っていたずらをやめ、何かお願いをされて
終わりだろうと思った。
・・・・ペラ
「あは〜だめですよ〜」
琥珀の態度はいつもと違うなと思った。
「先に何か琥珀さんのお願いを聞いてからでもいいですから、外してくれませんか?」
琥珀はクスクスと笑い
「だめですね〜」
と、面白くてたまらないといった表情で笑いながら言った。
様子がおかしい・・・背中に氷を突っ込まれたような寒気が彼を襲った。
「そこをなんとか」
必死に頼んだ。今まで頼ってきた本能が危ないと告げたからだった。
だが、彼女はクスクスと笑ったままだった。
なんとか抜け出せないだろうかと行動し始めたとき、
「抜け出せませんよ、抜けられないように作られてますから」
と、別のところから声がした。
あの服装は・・・
・・・・ペラ
「シ・・・シオン」
「私がそれを製作しました、人にはその拘束具を抜け出す事は不可能です」
シオンが作っただって?
二人はいったいなんのためにこんな事をしたのだろうか、何故?
「目的はなんだ!?」
訳が分からず、おもわず叫んでしまった。
・・・ペラ
「当然志貴さんがいないとできないことですよ〜」
琥珀はこれから行う事が愉しみで仕方が無いようだった。
「志貴を使った実験です」
シオンはいつもどうり平然と言い放った。
「俺を使う実験?」
理解ができなかった。というよりも今の状態では考えることができない。
「はい〜、まずは志貴さんの足をダチョウさんの足と取り替えますね〜」
・・・・・はい?全く理解できなかった、つーかなんかカオスな感じ。
「次に志貴が憧れていた光線をだせるようにします」
・・・・・・・シオン、俺は憧れていただけであってだせるようになりたいとは思ってない。
つーか人をやめたいとは言ってないよ?うん。
「二人とも本気?」
「そのあとは髪の毛が飛ばせるようにしましょう」
「ミサイルも飛ばせるようにしましょうね〜」
全然本気っぽいよ?聞いてないしね、あーなんか涙が出てきた。
「そういうわけで志貴さん、がんばりましょうね〜」
「志貴、痛くないから大丈夫なはずです・・・・多分」
今多分って聞こえたよ!絶対やばいって!
「あは〜」
「フフフ」
「よせって、やめろー!や〜め〜て〜く〜れ〜」

つづく、かも

[匿名さん]

#3822006/12/24 20:57

                〜お知らせ〜
クラブセガでの稼動も確認できましたので、全国共通の26日を目安に、
旧DAT全スレを強制的に倉庫送りとします。つきましては現行スレで
IDの末尾に0が付かないスレの住人の皆様は新スレ作成のためのスレタイなどを
御決めください。なお倉庫送り決定までにスレタイが決まらない場合、
適当に当方管理人がスレタイを決定します。

[木人形@祝!一周年★]

#3832006/12/30 01:31


[木人形@祝!一周年★]

#3842018/08/16 23:48最新レス

子竜蛍の小説講座は破綻している!
子竜蛍・・・現役プロの小説家「子竜 螢」が、文学賞受賞へと導きます、子竜の目で見る添削は違います、などと「自分で」銘打っておいて、(評価は他人がしての評価だろーが)
小説講座始まって以来、数十年・・・未だにプロデビューさせた受講生が「0人」のクソ小説講座です。
地方紙の賞止まり・・・いわば、担当がつく作家ではない。
なにしろ、本人が小説の書き方を分かっていない。
だから教えることもできない。それなのに、自分に陶酔して、よく恥ずかしくもなく、「小説デビューに強い味方の子竜です」なんてHP上にアップできるな。
先生、なんて呼ぶの虫酸が走るわ!
馬鹿じじい!

[匿名さん]


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