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「嫁が本当に実家へ帰るか調べてほしいです」

こう依頼してきたのは40代前半の男性でした。半年前に奥様が同窓会に行ってから頻繁に誰かとLINEをするようになったそうです。スマホもロックがかかり画面を下に向けて置いたり、就寝時も布団の中でこっそりスマホを触っているなどあきらかに以前とは違う様子。数週間後に奥様が宮古島にある実家へ帰るというので、不審を抱いた依頼者は到着先まで尾行してほしいと調査を依頼されました。

当日、大阪空港国内線出発ロビーで張込調査を開始。ロビーに現れた対象者（奥様）は沖縄行きの搭乗ゲートを通過し飛行機に乗り込みました。その後を追って対象者の座席後部に座る探偵。そして時刻通りに出発して那覇空港に着陸しました。

那覇空港から宮古島への乗り継ぎゲートに向かうと、気象の影響でフライトが遅れるトラブル発生。すると、時計を見てそわそわしている対象者が探偵に近づき、何時ごろになるのでしょうかと声をかけてきました。予想外の展開でしたが、そこから会話が弾み対象者自ら身の上話をしてくれたのです。その流れで聞き出せたのは、半年ぶりに会う同級生と宮古島で待ち合わせをしていることでした。数時間後にフライトが再開し１時間弱で宮古島に到着。到着ロビーで対象者は同級生と思われる男性を紹介してくれました。挨拶をして別れるとふたりはタクシーに乗って移動。探偵もその後を追いタクシーの中で変装します。対象者たちが入っていったのは高級なヴィラブリゾートでした。

腕を組みながらロビーへ向かいチェックインをするふたり。探偵はその傍へ近づき2103号室に部屋を取っていることを確認し、21階で止まるエレベーターを撮影しました。すぐに依頼者に電話で報告をすると「御苦労様でした。もうこれで結構です。せっかくなので宮古島でゆっくりしてから帰ってください」と労いの言葉を頂きました。電話越しに依頼者が泣いていたことに探偵も悲しくなりました。