郵政グループ・腐った「だんご3兄弟」〈かんぽ高齢者喰い、ゆうちょ銀不正引き出し…底なしのモラルハザード体質はなぜ改善されないのか? 〉/藤田知也――文藝春秋特選記事【全文公開】
12/16(水) 6:00配信
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文春オンライン
もはや「銀行」と呼ぶのも憚られる惨状ではないだろうか。
顧客から預かるお金が不正に抜き取られる被害が起き、多くの口座が危険にさらされていることがわかってからも、自ら被害を公表して注意を呼びかけることはしなかった。不正を防ぐための対策を講じるのも遅れ、被害を拡大させた。以前から被害が出ていたのに、補償などの対応は提携事業者に任せっきりで、なかには3年以上も補償されずに放置された被害者もいた――。
きっかけは9月初め、複数の地方銀行の顧客が、口座のお金が「ドコモコウザ」によって引き出されているとネット上で声を上げたことだ。NTTドコモが提供する電子決済サービス「ドコモ口座」へと、口座振替サービスによって預貯金が流出していたのだが、被害者たちの多くはキャッシュレス決済はおろか、ドコモの携帯さえ使っていなかった。
顧客の資産が不正に抜き取られるという、銀行ビジネスの信用を根底から揺るがしかねない事態に、地銀勢は大慌てになった。不審な取引をしらみつぶしに調べ、預金の流出が疑われる顧客に電話を入れ始めた。被害状況をホームページで公表し、顧客に注意喚起を促すところも少なくなかった。
ただ一行、ゆうちょ銀行だけは悠然としていた。
同行広報部は複数の被害が出たことだけは認めたが、被害の件数や金額などは「非公表」に徹した。
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もはや「銀行」と呼ぶのも憚られる惨状ではないだろうか。
顧客から預かるお金が不正に抜き取られる被害が起き、多くの口座が危険にさらされていることがわかってからも、自ら被害を公表して注意を呼びかけることはしなかった。不正を防ぐための対策を講じるのも遅れ、被害を拡大させた。以前から被害が出ていたのに、補償などの対応は提携事業者に任せっきりで、なかには3年以上も補償されずに放置された被害者もいた――。
きっかけは9月初め、複数の地方銀行の顧客が、口座のお金が「ドコモコウザ」によって引き出されているとネット上で声を上げたことだ。NTTドコモが提供する電子決済サービス「ドコモ口座」へと、口座振替サービスによって預貯金が流出していたのだが、被害者たちの多くはキャッシュレス決済はおろか、ドコモの携帯さえ使っていなかった。
顧客の資産が不正に抜き取られるという、銀行ビジネスの信用を根底から揺るがしかねない事態に、地銀勢は大慌てになった。不審な取引をしらみつぶしに調べ、預金の流出が疑われる顧客に電話を入れ始めた。被害状況をホームページで公表し、顧客に注意喚起を促すところも少なくなかった。
ただ一行、ゆうちょ銀行だけは悠然としていた。
同行広報部は複数の被害が出たことだけは認めたが、被害の件数や金額などは「非公表」に徹した。