慶応陸上部はなぜ強い? コーチ不在でも山縣亮太ら躍進の理由
10/13(土) 7:00配信
文春オンライン
慶応陸上部はなぜ強い? コーチ不在でも山縣亮太ら躍進の理由
リオ五輪では、男子100mリレーの1走として銀メダル獲得に貢献した山縣 ©JMPA
後続を引き離して圧勝した後でも、その表情に浮かんだのは苦笑いだった。
「いやー、残念です。風、強いっすね! スタートに立っているだけで向かい風を感じるようなコンディションでしたから……まぁしょうがないですね」
【写真】国体での永田、山縣、小池のスリーショット
今季これまで絶好調のままに走り続けてきた
今月、福井県で行われた国体の陸上成年男子100m決勝レース。1万人近い観客で満席となったスタンドが期待していたのは、山縣亮太(セイコー)による日本記録の更新と9秒台への突入だった。山縣は今季、これまで3度の10秒0台を記録し、アジア大会でも銅メダルを獲得するなど、絶好調のままに走り続けてきた。国体が今シーズンの最終戦ということもあり、ファンのボルテージは最高潮に達していた。
記録を阻んだのは、台風接近にともなって発生した突風ともいえる向かい風。風速5mを越える最悪のコンディションでは、いくら好調の山縣といえど10秒58で走りきるのが精いっぱいだった。その一方で、これで山縣は今季日本人には負けなし。タイムはともかくとして、悪条件下でも関係なく、圧倒的な勝負強さを見せつける格好になった。