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　バンクーバー五輪のリュージュ公式練習中にグルジアのクマリタシビリ選手（２１）が死亡した事故で、国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）などが「選手のミスが原因」と早々に結論付けたことで、国際的に批判が高まっている。十四日（日本時間十五日）、短縮されたコースで男子１人乗りの競技は無事に終わったが、波紋は広がりそうだ。

　ＩＯＣや国際リュージュ連盟は、クマリタシビリ選手がコース外に放り出されて柱に激突した事故で調査を約束したが、たった十時間後に「コースに欠陥はなく、選手がカーブでミスをした」と発表。その一方で、最高スピードを抑えるため、男子レースのスタート地点を女子用地点まで前に出した。

　グルジアのサーカシビリ大統領はバンクーバーで会見し「スポーツでのミスが、死亡事故につながっていいはずがない」と反論。ＩＯＣの定例会見でも各国メディアから調査結果を疑問視する質問が相次いでいる。

　さらに、欧米メディアは、コースでの練習時間が、カナダ以外の外国選手には直前まで与えられなかったことを問題視。地元カナダの「グローブ・アンド・メール」紙まで、「カナダの“メダル獲得作戦”が事故を招いた」との見方を伝えた。このコースについて国際リュージュ連盟の幹部も数週間前、「想定の最高時速を二十キロも超えている」と英メディアに話していたことが判明。同連盟は発言撤回に躍起となっている。