活発な噴火が続いている新燃岳について、気象庁は7日現地調査を行い、二酸化硫黄を含む火山ガスの放出量が1日あたり3万4000トンに急増したと明らかにした。
溶岩が火口内に上昇している可能性が高く、これまで以上の規模の爆発的噴火が起こるおそれがある。
新燃岳では6日から7日にかけて、29回の爆発的噴火が発生している。
火山上空に厚い雲が立ち込めているため、気象庁の火山監視カメラでは、山頂のようすがわからないが、6日夜の爆発的噴火以降、大きな噴石が弾道を描いて火口外へ飛散するようになった。
夜間には火口内のマグマが噴煙に反射して赤く輝いて見える「火映」現象も観測されている。
国土地理院が地球観測衛星だいち2号のレーダー画像を解析した結果、火口東側にできた溶岩ドームが、6日から7日にかけて一気に巨大化したことが明らかになっている。
新燃岳の山頂火口は直径800メートル近くあるが、このうち溶岩ドームは直径約550メートルを占める。
溶岩ドームは、火口から押し出された溶岩が盛り上がって形成されるもので、上昇する溶岩の通り道を塞いでしまうと、内部の圧力が高まって巨大爆発につながるおそれがある。
気象庁がきのう行った現地調査では、火山ガス放出量は1日あたり3万4000トンと、5日前の観測時の15倍以上に急増したことがわかった。
これは溶岩が火口内に上昇してきたことが原因だという。
二酸化硫黄は毒性が高く、大気中の濃度が0.5ppm以上になると刺激臭を感じ、30〜40ppm以上で呼吸困難を引き起こし、100ppm近くでは、1時間以上とどまると危険だ。
ひんぱんに噴火を起こしている鹿児島県の桜島でも、平均的な放出量は、1日あたり平均1000〜3000トンを上下する程度だという。
気象庁は風下側では火山ガスや火山灰に注意するとともに、爆発的噴火に伴って噴石の飛散や火砕流、空気振動による窓ガラスの破損に警戒するよう呼びかけている。
【日時】2018年03月08日(木) 11:07
【提供】ハザードラボ