保守分裂、知事も動く 両陣営事務所開き 県議選輪島市選挙区
北村氏に馳知事
「麻記子を推薦したい」
北村氏が事務所開きに臨んだ。北村氏のイメージカラーである緑色のマスクとネクタイを着用して登場した馳知事は「麻記子を推薦したい」と名前を呼び捨てにして信頼関係をアピール。「奥能登に希望を持てる環境をつくるため、新たな人材が必要だ」などと、19分にわたって熱弁を振るった。
澤田英樹後援会長、坂口市長、久岡政治日本商工連盟輪島支部長のほか、父の北村茂男元衆院議員も涙ながらに支援を求めた。北村氏は「子どもたちが誇りや希望を持って暮らせるふるさとにしたい」と約150人に決意表明した。
この30分前、馳知事は宮下氏事務所を訪問した。出迎えた宮下氏と西田氏に「よんどころない事情があって、始まる前にあいさつに上がりました」と切り出し、「今後の県の成長戦略についても宮下さんのお力をいただきたい」とエールを送った。最後に宮下氏とガッツポーズで写真におさまると、滞在時間約10分でその場を後にした。
宮下氏陣営は馳知事にも招待状を出していたものの、北村氏に近い立場から「欠席もやむなし」(陣営幹部)とみていた。直前に県秘書課から顔を出すと連絡があり、宮下氏は「来てもらえて率直に良かった」と話した。
事務所内に馳知事のポスターも貼るなど親密さを強調している北村氏は、宮下氏陣営に行くことを知らなかったとし「相手は現職の県議であり、知事の立場を考えると仕方がないのかなと思う。私の方だけに来てくれることがイレギュラーだ」と話した。