
ガザ地区で1月19日、イスラエルと「ハマス」との間で停戦が発効し、人質となっていた3人の女性が解放された。
停戦の発効が遅れ、19人のパレスチナ人が死亡
当初、停戦の発効は19日の午前8時(現地時間)の予定だったが、イスラエル側は「ハマス」が人質の名簿を提出していないと反発。このため停戦が約3時間遅れ、午前11時15分(現地時間)に発効されることになった。
「ハマス」側は、人質の名簿の提供が遅れたのは、「技術的な問題」だと主張したが、停戦が3時間遅れる間にも、イスラエル軍はガザ地区へ攻撃を行い、19人のパレスチナ人が殺害された。
停戦発効後、「ハマス」は3人の女性の人質を解放し、赤十字の職員に引き渡した。そして赤十字の職員が、彼女らをイスラエル軍に引き渡し、ガザ地区から連れ出したという。
イスラエル軍もその後、3人の人質がイスラエル領内に運ばれ、空から病院へ搬送されていることを確認した。イスラエル側の医師は、3人の健康状態は良好だとしている。
一方、ヨルダン川西岸地区にあるオフェル刑務所でも1月20日、収監されていた90人のパレスチナ人が釈放され、彼らを乗せたバスが刑務所を後にしたという。
ヨルダン川西岸では入植者の襲撃が続く
停戦が発効したことを受け、さっそく人道支援物資を積んだトラックがガザ地区へ入ったと報じられている。
ガザ地区には今後、人道支援物資を積んだトラック600台が、毎日到着する予定で、トラックの半分はガザ地区の北部へ向かい、残りは南部に留まると言われている。
ただガザ地区では停戦が実現したが、ヨルダン川西岸地区では、イスラエル人の入植者がパレスチナ人を襲撃し続けているという。
ヨルダン川西岸地区での入植者による暴力を監視するイスラエルの団体「イェシュ・ディン」は19日、イスラエル人入植者がパレスチナ人の村に押し入り、家屋に放火したとして、数十件の襲撃が報告されたと明らかにした。
パレスチナの「ワファ」通信によれば、ヨルダン川西岸地区のナブルス北西にある町、セバスティアもイスラエル軍に襲撃され、パレスチナ人の10代の少年が射殺されたという。
パレスチナ赤新月社もこの事実を確認しており、襲撃中に15歳の少年が胸を撃たれ、その後近くの病院に緊急搬送されるも、死亡が確認されたそうだ。(了)