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アイドルグループ「乃木坂46」の4期生・林瑠奈さん。彼女は一日の終わりを音楽で締めくくる。その日の気分で曲を選び、タイトルや歌詞に対して自分なりの解釈を添えて「きょうの一曲」と題した企画をトークアプリで発信している。それが私たちの知らない曲であっても、彼女が普段どんな音楽を聴いているのか知ることができるからうれしい。ニッカンスポーツ・コム『林瑠奈の負けるな！しょげるな！乗り遅れるな！』の連載にて、昨年11月4日に更新されたコラムに「きょうの一曲」についての内容が書かれているのでぜひ読んでもらいたい。

ここで注目したいのが、林さんが聴いている音楽についてだ。彼女が聴いている音楽のジャンル、その幅広さに私は驚きを隠せなかった。なぜなら二十歳の彼女がマイブラ(My Bloody Valentine)を知っていたからだ。

洋楽好きなら誰もが通るバンドかもしれないが、乃木坂46にマイブラを知っていてシューゲイザーに興味を持つメンバーがいるなんて思いもしない。ポップ、ロック、アイドル、インディーズ、ヒップホップ、アニソン、ボカロ…幅広いジャンルで「きょうの一曲」を紹介する林さんは、母親の影響で聴き始めたというバンド楽曲に関しては、先ほどのマイブラのように二十歳とは思えない熱い選曲をしてくる。

SUPERCAR、銀杏BOYS、くるり、NUMBER GIRL、ZAZEN BOYS、きのこ帝国、andymoriなど、夜が明けるまで一対一で語り合いたいくらいのラインアップだ。しかも、選曲理由がしっかりしていて、日常的に聴き込んでいるのが文章から伝わってくる。

歌詞の一部を抜粋しては、その歌詞に当てはまる自身のエピソードを添えて送ってくれることも多いのだが、そのエピソードにしても歌詞の解釈にしても、どれもが興味深い内容で面白い。楽曲に体験談を重ね合わせる文脈のうまさは彼女の才能だ。詳しい内容が気になる方は、林さんのトークアプリ登録をおすすめする。

普段こうしてアプリで発信していることが、乃木坂46のライブ中に形となって現れる場面があった。それは先日開催された「12th YEAR BIRTHDAY LIVE」でのこと。初日公演のMCで話を振られた林さんは、DAY1に披露される曲(2011年～2014年)の中でも特に『指望遠鏡』が好きであることを打ち明ける。

この曲のAメロ“目に見える世界はすべて過去の物語さ”という歌詞について「ちょっと悲しい(歌詞)じゃないですか。でもDAY1にやる曲って今の私たちがいない先輩方の曲だし、先輩方の衣装をお借りしてやらせてもらう曲だから、受け継げるものは受け継いでいきたいけど、自分たちらしさも出して今日頑張れたら」と話し、楽曲の歌詞にグループの現在地を重ね合わせて「きょうの一曲」かのように想いを届けた。

私にとっての「きょうの一曲」は、乃木坂46『生まれたままで』

サビ前に全員がギターをかき鳴らすダンスの振り付けがあるのだが、そこでの林さんが最高にかっこいい！ 数々のバンドを知る彼女だからこそ表現できるかっこよさであり、今年1月に開催された34thSGアンダーライブで私はその一瞬に目を奪われた。

“比較することやめた時から本当の自分”という歌詞がある。オリジナルを大切にしつつも、林さんが言う“自分たちらしさ”を出して過去の楽曲をパフォーマンスすることも大事だ。一瞬の振り付けに“らしさ”をぶつけることもそうだし、この曲に限らずオリジナルメンバーがいない楽曲をブラッシュアップしながら守り続けてくれたらうれしい。

そして、音楽の幅が広いことで逆にファンが置き去りにならないように「私はどこにも行かないよ」と言ってくれるアイドル・林瑠奈さん。彼女の優しい言葉にファンの心はニッコ氏だ。

【日時】2024年03月12日 18:00
【提供】BUBKA WEB

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