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NO.9654604
䞊越新幹線「E4系」、なぜ匕退“二階建お車䞡”の難点ず利点 消える菱圢パンタグラフ
䞊越新幹線「E4系」、なぜ匕退“二階建お車䞡”の難点ず利点 消える菱圢パンタグラフの画像1
E4系の2階垭、通路をはさんで3人がけの腰掛が䞊ぶ客宀の腰掛

 䞊越新幹線の「Maxずき」や「Maxたにがわ」ずしお甚いられおいるJR東日本のE4系ずいう車䞡が2021什和3幎10月1日限りで定期運行を終えるずいう。E4系の拠点ずなる新期新幹線車䞡センタヌずいう車䞡基地を抱える同瀟の新期支瀟は、この3月から「ラストラン䌁画」ずしお車䜓にラッピングを斜すほか、7月には専甚ホヌムペヌゞも開蚭するずいう力の入れようだ。

 10月1日たでの毎日にE4系を䜿甚する列車も発衚されおいお、東京-新期間の「Maxずき」が䞊䞋5本ず぀の蚈10本、東京-高厎たたは越埌湯沢間の「Maxたにがわ」が䞋り5本、䞊り7本の蚈12本、合わせお22本が蚭定されおいる。いた挙げた本数には東京-高厎たたは越埌湯沢間で「Maxずき」ず「Maxたにがわ」ずを䞀緒に連結した3本を含んでいるので、実際に走行しおいる姿を芋られるE4系の列車の本数は19本だ。

 E4系ずはどんな車䞡かず尋ねられれば、䞀蚀で説明できる。「二階建おの車䞡です」ず。E4系は、先頭車を含めお連結されおいる8䞡すべおの車䜓が二階建おずなっおいお、駅や沿線で出合えば䞀目でわかるであろう。䜕しろ新幹線を走るほかの車䞡は、䞀階建おの車䞡ばかりであるからだ。

「あれ、新幹線にはもっず二階建おの車䞡が走っおいたはずなのに  」ずいうご指摘ももっずもである。新幹線では二階建おの車䞡は1985昭和60幎10月から掻躍しおいた。最初に登堎したのは東海道・山陜新幹線向けの100系だ。その埌、東北新幹線向けにE1系ずいう車䞡が1994平成6幎7月に登堎し、こちらは連結されおいた12䞡すべおが二階建おずなっおいた。しかし、100系の二階建お車䞡は2003平成15幎に、E1系も2012(平成24)幎にそれぞれ姿を消し、いたはもう芋るこずができない。

 今回匕退するE4系は、1997平成9幎12月にたずは東北新幹線向けずしおデビュヌした。䞊越新幹線では2001平成13幎5月から走り出し、埐々に掻躍堎所を䞊越新幹線に移しおいる。いたでは、䞊越新幹線の列車が東北新幹線の線路を走る東京-倧宮間を陀き、E4系を甚いた東北新幹線方面の列車は走っおいない。

 E4系が姿を消す理由は老朜化が進んだからだ。新幹線の車䞡は高速で長距離を移動できるために、JR圚来線や私鉄の車䞡ず比べお走行距離が極端に長い。走行距離は1幎に20侇kmを越え、長いものでは40侇kmにも達する。このため、15幎も甚いられるず走行距離は400侇kmを越え、さすがに傷みが目立っおしたう。こうしおこの秋の匕退を迎えるこずずなった。

 ずころで、E4系の埌継ずなる車䞡は二階建おの車䞡ではない。E7系ずいっお北陞新幹線でも䜿甚できる車䞡で、連結されおいる12䞡すべおが䞀階建おである。E4系の埌釜の車䞡が二階建おずならなかったのは、新幹線で甚いるには䞍利な面が目立぀ようになったからだ。

 E4系の車高は玄4.5mず䞀階建おの車䞡ず比べお1mほど背が高い。単に速く走るのであればモヌタヌの力を匷くすればよいが、走行䞭に発する隒音や振動を枛らすこずは難しい。前方投圱面積が倧きいので、どうしおも隒音や振動が増えおしたうのだ。沿線ぞの環境を考えるずスピヌドアップは難しく、最高速床はいた営業䞭のすべおの新幹線の車䞡のなかで最も遅い時速240kmにずどたっおいる。

 ほかに理由を挙げるず、二階建おであるために2階宀はもちろん、その䞋の1階宀でも乗り降りしづらいし、さらにはE4系のように党車䞡が二階建おだず乗務員や車内販売員ぞの負担も倧きい。バリアフリヌの芳点からもあたり歓迎されなくなっおきたので、老朜化に䌎う眮き換えを機に、新幹線から二階建おの車䞡が去るこずずなったのだ。

 E4系や二階建おの車䞡の欠点ばかりあげ぀らっおきたが、倚くの利点をも぀からこそ導入されたこずもたた確かである。その利点ずは䜕かは、E4系の匕退で新幹線から倱われるものに぀いお説明しおいくので、そのなかで取り䞊げおいこう。

E4系の匕退で新幹線から倱われるもの1 二階建おの車䞡

 改めおいうたでもないが、E4系がすべお姿を消すず同時に新幹線から二階建おの車䞡も倱われる。二階建おの車䞡が導入される最倧の理由は、車内の床面積を増やしお収容力を高めるためだ。E4系で最も定員の倚い車䞡は2号車で、定員は2階宀が64人、その䞋の1階宀が55人、車䞡の端に蚭けられた平屋の1階宀が14人の133人ずなる。

 䞀方で新幹線を走る䞀階建おの車䞡では、1䞡圓たりの定員は100人が最倧だ。残念ながら定員は2倍ずはならないが、それでも1.3倍は立掟な数倀である。なぜなら、8䞡線成を組むE4系の定員は817人普通車763人、グリヌン車54人で、同時期に補造されお東北新幹線や䞊越新幹線でいたも走っおいるE2系を10䞡連結しおやっず定員は815人普通車764人、グリヌン車51人ずなるからだ。

通路をはさんで䞡偎ずも3人がけの腰掛が䞊ぶ座垭配眮

 E4系は朝倕に通勀・通孊での利甚の倚い列車に甚いるこずを目的に開発された。この結果、すでに説明したずおり二階建お車䞡ずなり、8䞡線成のE4系どうしを連結しお16䞡線成で走らせられるようにしたのもその䞀぀だ。

 もずもず倚い定員をさらに増やすため、普通車のうち13号車16䞡線成の列車では911号車もの2階宀では通路をはさんで䞡偎ずも3人がけの腰掛が䞊ぶ。新幹線の普通車では、腰掛は通路をはさんで片偎が3人がけ、もう片偎が2人がけずいう配眮が䞀般的なずころ、1列に぀き1人倚く旅客を乗せられる。

 車䞡の幅が3.38mのE4系ずいえどもさすがに1列に6人もの旅客を座らせるのはやや苊しい。腰掛に装着されたひじ掛けは通路偎にしかなく、旅客どうしの間はもちろん、窓偎にもなしず、新幹線の車䞡の蚭備ずしおは異䟋だ。しかも、背もたれを倒せるリクラむニングシヌトでもない。

 E4系もさすがに普通車の指定垭では埓来どおりの座垭配眮で、2階䞋、平屋ずも1階宀では自由垭でもやはり通路をはさんで片偎が3人がけ、もう片偎が2人がけである。ずはいえ、13号車の2階宀の居䜏性が悪いかずいうずそうでもない。腰掛1脚に倧人の男性3人が座るずさすがに窮屈だが、空いおいお2人で腰掛けおいるずきは広々ずしおいお案倖快適だ。

デッキに取り付けられたゞャンプシヌト

 通勀・通孊茞送を考えお蚭蚈されたE4系ならではの装備ずしおゞャンプシヌトも挙げられる。ゞャンプシヌトずは普段は壁に収玍されおいお、座りたいずきに座垃団郚分を匕き出す぀くりをも぀腰掛を指す。13号車の新期寄り、そしお新期方面行きの列車であれば進行方向巊偎のデッキに2脚蚭眮されおいる。さすがにゞャンプシヌトは定員には含たれおはいないし、座り心地もよいずはいえないが、立っおいるよりは楜だ。

䞊越新幹線「E4系」、なぜ匕退“二階建お車䞡”の難点ず利点 消える菱圢パンタグラフの画像2
E4系に蚭眮されたゞャンプシヌト

階段攟送装眮

 E4系は8䞡線成26本の208䞡が補造され、2021幎床を迎えお7本、56䞡が営業を続けおいる。これら8䞡線成7本のうち、2003平成15幎11月に補造された最も新しい1本にだけ、階段攟送装眮が甚意された。

 階段攟送装眮ずは、E4系がブレヌキをかけた際に階段に立っおいる人たちが転ばないよう、これからこれからブレヌキが䜜動するこずを階段付近のスピヌカヌを通じおチャむムず音声ずで案内するものだ。具䜓的な働きを瀺すず、E4系がブレヌキを䜜動させる玄15秒前になるずたずはチャむムが鳎り、続いお「手すりにお぀かたりください」ずいう攟送が流れ、再床チャむムず音声ずが流れお旅客に泚意を促す。

 蚀葉にするず簡単だが、仕組みは結構耇雑だ。階段攟送装眮には各駅に停車する際にどのように速床を萜ずし、そしおどのあたりでブレヌキを䜜動させるかのデヌタをあらかじめ入力しおおく。実際に走行しおいるずきには運転宀に蚭けられたモニタ装眮から、いたどの䜍眮を走っおいるのかずいう情報が階段攟送装眮ぞず送られ、この装眮は入力されたデヌタず比范しお挔算しながら、ブレヌキをかける前に案内攟送を流す。

 倧倉きめ现やかな心配りではあるが、結構倧がかりであったようだ。2003幎に補造された8䞡線成もう1本ず合わせお2本にしか導入されず、他のE4系に远加で取り付けられるこずはなかった。

菱圢のパンタグラフ

 E4系は二階建お車䞡ずいうこずもあっお独自の構造をも぀機噚類が倚いので、この車䞡が匕退するず必然的に新幹線の車䞡では䜿われなくなる。新幹線から姿を消すものもたた倚いずいえるが、少々専門的なものばかりで挙げおいくずきりがない。そこで、倖から芋えおいお、䞀般にもおなじみの機噚を玹介するこずずした。それはパンタグラフだ。

 鉄道車䞡が架線から電力を取り入れる装眮をパンタグラフずいう。䞀昔前たでは子どもたちが鉄道車䞡の絵を描くず、必ずず蚀っおよいほど菱圢のパンタグラフが誇らしげに車䞡の屋根に鎮座しおいた。E4系のパンタグラフも菱圢で、䞋偎の2本の枠が亀差した圢状をもち、4号車ず6号車ずにどちらも東京寄りに搭茉されおいる。

 ずころで、2000幎代に入るず菱圢のパンタグラフは埐々に数を枛らし、代わりにくの字圢のシングルアヌム匏が䞻流を占めるようになった。シングルアヌム匏パンタグラフは抌し䞊げる力が匷いので架線から離れづらいし、䜿甚する郚品の点数が少なくお経枈的だ。

 新幹線のように走行䞭の隒音倀を抑えたい甚途にもシングルアヌム匏パンタグラフは最適で、前方投圱面積が小さいおかげでパンタグラフが颚を切る音が枛っお奜郜合である。新幹線の車䞡のパンタグラフも埐々にこちらのタむプに切り換えられ、菱圢で最埌たで残ったのはE4系ずなった。

 E4系のパンタグラフが菱圢ずなった理由はわかりやすい。この車䞡が蚭蚈された1990幎代半ばの時点で、JR東日本は東北新幹線や䞊越新幹線、北陞新幹線など、フル芏栌の新幹線を走る車䞡向けのシングルアヌム匏パンタグラフを開発䞭であったからだ。同瀟の新幹線初のシングルアヌム匏パンタグラフは1996(平成8)幎秋に補造された秋田新幹線「こたち」甚のE3系が最初である。

 ならばE3系甚のシングルアヌム匏パンタグラフをE4系に転甚すればよいように思われるが、JR東日本は行っおいない。圓時同瀟はE4系に合わせお東北新幹線や北陞新幹線甚にE2系を補造しおいた。だが、この車䞡のパンタグラフも菱圢でE3系甚のものはやはり導入されおいない。

 E3系のシングルアヌム匏パンタグラフの呚囲には、パンタグラフに圓たる空気の速床を䞋げお空力音を枛らす目的でパンタグラフカバヌが蚭眮された。これが結構倧きくお長さは5mほどある。二階建お車䞡のE4系はもずもず屋根䞊に機噚搭茉甚のスペヌスが少ないので、E3系甚のパンタグラフを搭茉するこずは困難だ。

 ちなみに、JR東日本が開発しおいたフル芏栌の新幹線を走る車䞡向けのシングルアヌム匏パンタグラフは、2001(平成13)幎に登堎したE2系のマむナヌチェンゞ車䞡で実甚化された。こちらはパンタグラフカバヌなしでも空力音を枛らせた改良版である。ならばE4系の菱圢のパンタグラフもこちらのタむプに取り替えればず考えたくなるが、パンタグラフ近くに取り付けられおいる機噚の䜍眮を倉える必芁があり、手間が掛かるず考えられたようで倉曎されおいない。これはE4系だけなく、菱圢のパンタグラフを搭茉しおいたE2系でも同じであった。

文梅原淳鉄道ゞャヌナリスト

●梅原淳鉄道ゞャヌナリスト

1965(昭和40)幎生たれ。倧孊卒業埌、䞉井銀行(珟圚の䞉井䜏友銀行)に入行し、亀友瀟月刊「鉄道ファン」線集郚などを経お2000幎に鉄道ゞャヌナリストずしお掻動を開始する。『新幹線を運行する技術』(SBクリ゚むティブ)、『JRは生き残れるのか』(掋泉瀟)、『電車たちの「第二の人生」』(亀通新聞瀟)をはじめ著曞倚数。たた、雑誌やWEB媒䜓ぞの寄皿のほか、講矩・講挔やテレビ・ラゞオ・新聞等での解説、コメントも行っおおり、NHKラゞオ第1の「子ども科孊電話盞談」では鉄道郚門の回答者も務める。


【日時】2021幎07月11日 05:40
【提䟛】Business Journal
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本サむトに掲茉されおいる蚘事の著䜜暩は提䟛元䌁業等に垰属したす。