■近年のトレンドは「デビューしたモン勝ち」
ダービーの翌週からJRAでも2歳の新馬戦が始まる。
昔は7月にデビューした馬なら、その後ローカル各地の2歳Sを経由し、暮れの2歳G1まで月イチローテでトントンと使い込むのが相場。
春のクラシックを目指す馬なんてとてもじゃないが出てこなかった。
しかし6月の東京と阪神でデビューすることになった近年では、のちのG1馬までが出走し、その後もゆったりローテでおいしいところだけを使い、余裕を持って来春を迎えるのがトレンドになりつつある。
■これだけ豪華な1週目デビュー組
一昨年のメジャーエンブレム、ロードクエストがそのいい例で、昨年も
マイネルバールマン
ブレスジャーニー
アルメリアブルーム
マイネルパラディ
らが1週目の新馬戦を使ったにもかかわらず、その後ゆっくり時間をかけてOPにまで登り詰めた。
また一部はそこで頭打ちにならず、重賞勝ち、OP特別勝ちも収めるなど、決して早熟性だけではないところを見せている。
■6月新馬戦をどう読み解くか
というわけで、この時期の新馬勝ち馬を1年追いかけるのはよいのだが、その前にまず新馬戦の馬券を取らなくては面白くもなんともない。
「でも新馬戦って、荒れないでしょ」
「調教を見て、評判を聞けば、だいたいわかるもん」
はいはい、それがそうでもないんだって。
6月新馬戦に関していうと、
▼1番人気は思いのほか不振
(4番人気あたりがクサい)
▼人気騎手×一流厩舎コンビが不発
(ルメール×安田隆、デムーロ×須貝、戸崎×森など)
▼傍流種牡馬、穴厩舎、減量騎手も侮れず
つまり、単なる「平場戦」のような様相を呈しているのだ。
そのよい例が去年でいえばブレスジャーニーだろうか。
父バトルプラン
美浦・本間忍厩舎
柴田善臣騎手騎乗
セリ価格270万円!
渋すぎるコンビで結局1番人気に1度もなることなく、重賞を2つ勝っていった典型的な「侮られ役」である。
こういう馬が潜んでいるから、6月新馬は目を皿のようにして、見届けなければならない。
■ただし!新馬1番人気のその後には注意せよ
この時期の1番人気馬には、さほど深い意味はない。
それは決して将来性No.1という意味ではないのだ。
▼1度勝てなかった人気馬はその後流浪の旅に出る危険性あり
これがかなり恐ろしい鉄則で、条件戦とも未勝利戦とも違う傾向なのだが、新馬1番人気で勝てずにいると、その後中央どころか、地方競馬に転出され、それでもまだ勝てない馬まで出てくる。
いったい何を見て当時1番人気に祭り上げられたかは知らないが、玉石混交、海のものとも山のものともつかぬ2歳戦ならではの怖い話である。
くれぐれも負けた馬の深追いだけはしないように。
叩き2戦目とか、ホント、嘘だからね。
【日時】2017年05月29日(月)
【提供】YAZIUP