🐟️ 阿久根市雑談

　阿久根市の「市民交流センター建設計画」について、旧建設省で迎賓館赤坂離宮改修工事の国家事業トップを務めるなどした経験を持つ川畑安則氏が、阿久根市議会の委員会で参考人招致を受けた。

　川畑安則氏は「率直に言ってデタラメ」と計画全体について語った。川畑氏の意見は次のようなものであった。

　—そもそも提示された予算のなかでまとめるのが建築の基本である。

　事業予算を大幅に増加させた原因は、市が適切に査定をしなかった事。　市側には専門家がいない。設計者が提示したものを検討し、総工事費や設計契約料を判断する事のできるレベルの技術者がいないからだ。

　設計図をみると、阿久根市民の生活レベルや文化レベルの実情に全くふさわしくない。

　高さ８メートルものガラス張りはまるで東京の百貨店。これでは掃除など美観の維持にカネがかかる。冷暖房が効かず設備ばかりか燃料費も過大になる。

　見てくれ優先で本来の機能を全く無視している。

　このような建築物は建築家の自己満足に過ぎず、公共施設としてふさわしくない。

　「静的空間」の図書館と「動的空間」であるホールを併設するのも問題だ。大切なのは建築の基本に沿うこと、そして市民の現状に合わせることだ。

　—市民の生活、文化レベルに合わせるというのは卑下する見方でもなんでもなく、そのことからかけ離れたものをつくっても市民からそっぽを向かれ誰も寄り付かない。今の設計は「人間の生活になじむ」という建築の基本から全くかけ離れている。

　更に言えば、タイミングがよくない。いまの市民会館はボロボロで、建て替えの必要はあると思うが、阿久根市は財政難。こじんまりした市民会館で良い。それよりも、市民みんなの暮らしを豊かにすることに重点を置くべきである。