楽天が非常事態に陥っている。
先週末、日本ハムに3タテをくらい、8月15日以降の戦績は12試合1勝11敗。
トホホなことに球団創設初年度の8月2日から14日にかけて記録した12戦の成績とまったく同じになってしまった。
すべては終戦記念日の西武戦から始まった。
未知数の新外国人・コラレスを先発起用したところ3回5安打、7四死球、5失点。
監督通算771勝を誇る名将・梨田昌孝監督にとっても、その悪影響がここまで尾を引き「V逸の終戦記念日」になりかねない戦況悪化に追い込まれたのは、まったくの想定外だったはずだ。
首位・ソフトバンクとの差は今季最大の9.5ゲームに広がり、逆転優勝の目はかなり遠のいた。
しかし、戦いはまだ終わらない。
クライマックスシリーズを考えると、2度目の日本一へ向けて、ここからどう立て直していくのかが大事だ。
■プレーオフを見すえたときに気になる楽天打線の課題
課題点は様々あるが、最優先で改善すべき「気になる課題」がある。
相手が左投手のときの打撃成績だ。
交流戦で投手が打席に立ったときの数字を除くと、楽天打線の左右投手別の打撃成績は下記の通り。
■対右投手成績打率.266/出塁率.332/長打率.427/OPS.759
■対左投手成績打率.239/出塁率.326/長打率.340/OPS.666
■対左投手のときに減少する一発長打
対左投手の打率の低さもさることながら、留意すべきは長打率の減少。
とくに本塁打の発生頻度が落ちている点だ。
対右投手では、本塁打は32打席に1本のペースで量産してきた。
しかし、対左投手では64打席に1本の間隔になっている。
左腕からは4発以上の一発を打った楽天の打者は今季ここまで不在で、ペゲーロの3本塁打が最多。
ウィーラー、アマダーが各2本塁打、茂木栄五郎、銀次らが各1本塁打で続く状況だ。
■天敵・菊池雄星以外のサウスポーにも苦戦
勝敗を見ても、相手の先発が左投手になると21試合9勝12敗、勝率.429と負け越している。
楽天戦で5戦5勝を誇る天敵・菊池雄星(西武)の存在も確かに大きい。
また、交流戦期間中に行われた6月1日の巨人戦、プロ初先発の池田駿に5回無失点の好投を許して以降、左の先発投手が出てくると11試合で2勝9敗と著しく負けが込んでいる。
去る日曜日、8月27日の日本ハム戦でも加藤貴之に5回3失点の粘投を許した。
■25打数ヒットなしのモイネロ対策を!
ソフトバンクのブルペンを支えるキューバ出身の新星左腕・モイネロとの相性も悪い。
ここまで6試合で対戦し、打者27人で25打数ノーヒット、14三振、2四球。
ほとんどのアウトを三振か内野で奪われ、凡打とはいえ打球が外野に飛んだのはわずかに2本と完璧にねじ伏せられている。
また、同じくソフトバンクの嘉弥真新也との対戦打率も.225とかんばしくない。
楽天がプレーオフを勝ち進んで2度目の日本シリーズ出場権を手にするには、立ちはだかるソフトバンクの「サウスポー対策」が急務になっている。
(※成績は8月28日現在)
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【日時】2017年08月30日(水) 16:05
【提供】デイリーニュースオンライン