11日朝に噴火した霧島連山の新燃岳では、山体の隆起と火口内の膨張が続いており、気象庁は噴火警戒レベルを「入山規制」に引き上げ、「今後さらに活発化するおそれがある」として、警戒を呼びかけている。
気象庁機動調査班の現地調査によると、噴火に伴って新燃岳から20キロ範囲内に位置する宮崎県内では火山灰が降り、とりわけ火口から東北東に8キロほど離れた高原町では、町役場や車道で1?あたり270gを超える多量の降灰を確認。
また、二酸化硫黄を含む火山ガスの放出量は1日あたり800トンを記録。
新燃岳で火山ガスが最後に検出されたのは2012年9月が最後(10トン/日)で、噴火が始まる前の今月7日の調査では検出の限界未満だったという。
火山監視カメラを見ると、12日現在も噴煙が勢いよく噴出しており、一向に衰える気配は感じられない。
防災科学技術研究所は11日、地球観測衛星だいち2号と欧州のSentinel-1がとらえたレーダー画像を解析。
その結果、今年夏ごろから、火口の中心付近の地表は沈む一方で、噴火直前の6日以降は、東側の縁で膨張が起きていたことが判明。
噴火して中から水蒸気や溶岩が噴出すると、地表は通常しぼむものだが、噴火後も膨張は元に戻っていないという。
気象庁による地殻変動の観測でも、山体の隆起が続いていることから、噴火活動は今後さらに活発化する可能性があるという。
現地で観測を続ける鹿児島大学の火山学者、井村隆介准教授は「2011年1月のような大きな噴火に進展する可能性もある」と指摘したうえで、「ゴーゴーと鳴動がして、窓ガラスがガタガタと連続的に揺れたら、激しい爆発が起こるプリニアン噴火のおそれがあります。怖い・危ないと思ったら、情報が出なくても自分で判断して避難してください」と話している。
【日時】2017年10月12日(木) 10:24
【提供】ハザードラボ