■永遠のナンバー2は生まれたときからスポーツセダン
やがて消え去るスポーツセダントヨタ・マークXについてその生い立ちと、卓越した走行性能を紹介しましょう。
マークXの前身モデルになるのが、マークⅡ。
元々は、コロナ(プレミオの前身モデル)の派生車種として誕生しました。
ポジション的には、クラウンとコロナの間。
今でもクラウンとプレミオの間に位置している永遠の№2は、マークⅩのCMを演じた佐藤浩市演ずる部長の悲哀さを誕生当時から醸し出していたのですね。
それはさておき、初代モデル(1968年登場)から1900ccの大排気量エンジンが搭載されました。
続く2代目(1972年)では、はやくもクラウンと同じ直6M型エンジンや直4・18RGなどセリカに積まれたDOHCスポーツエンジンも搭載されスポーツセダンに成長しました。
次の3代目(1976年)は、アメ車風のデザインになり搭載エンジンは2600ccの3ナンバーが登場。
最近、CMやドラマで度々見かけ懐かしくなっています。
4代目(1980年)では、2600ccから2800ccへと排気量がアップ。
シリーズ初のハードトップボディ。
いよいよ、ハイソカーブームの幕開けです。
ハイソカーブームの頂点となったのが5代目(1984年登場)でしょうね。
ツインターボ(GT-TWINTURBO 1G-GTEU型)は、高価だったにも拘わらずトヨタはその販売力でチェイサー・クレスタとともにマークⅡ3兄弟となしてホワイトボディのハイソカーを売りまくったのでした。
6代目(1988年登場)は、最後の5ナンバーサイズのマークⅡです。
エンジンバリエーションも直4・直6そしてディーゼルと多彩で全7種類。
とうとう3ナンバー化した7代目(1992年登場)FRのほかに4WDも登場しました。
いよいよマークⅡ3兄弟での最終モデルとなったのが8代目(1996年登場)1JZ-GTE搭載エンジンでFR駆動はドリフト小僧御用達マシンです。
9代目では、クレスタ・チェイサーが廃止され後継モデルとしてヴェロッサが登場。
ボディデザインがかなり異なったのであまり兄弟車のイメージがありません。
マークⅡのボディスタイルは、ハードトップが廃止されてセダンだけ、シャーシはクラウンと共通となってボディサイズも全幅・全長ともにクラウンと同じなのは意外な事実ですね。
搭載エンジンは、2500cc直6DOHCのNAとターボそして廉価版の2000cc直4DOHCの3種類。
このモデルもドリ車の需要が高いモデルですね。
■シリーズ10代目で、車名変更〜搭載エンジンも直6〜V6へ進化
10代目モデル(2004年登場)にチェンジする際に、マークⅡからマークXに車名が変更されました。
マークⅡとマークXの大きな違いは搭載エンジンです。
マークⅡまでは、直6エンジンでしたがマークxではV6エンジン搭載と大きく変わりました。
直6は、エンジン全長が長くなるためフロントノーズが重くなってしまうのが欠点です。
V6では、エンジン全長が約半分になるためフロント荷重が軽く出来て車体の重量バランスを適正に保ちやすくなります。
搭載エンジンは、2500ccと3500ccのV6DOHCの2種類。
過激な走りを望むターボ搭載車が、ラインアップから消えたのも寂しい限りです。
最高出力も先代モデルの280PSから、256PS(3000cc)とすっかり大人しくなりました。
まぁ、やんちゃな車からジェントルな車にイメチェンしたつもりかもしれません。
2009年登場した現行マークⅩ(2代目)。
標準の搭載エンジンは2500ccと3500ccのV6・DOHCのNAが基本なのは先代と同じです。
しかし、特別仕様車などで、マークⅡ時代にあったMTミッションの復活や300PSオーバーエンジンも誕生して再び走りのスポーツセダンが復活して頼もしい限りです。
G’s仕様やマイナーチェンジ後のGRスポーツまたは、Vertigaそして極めつけはクラウン・アスリートと同じスーパーチャージャーを搭載した+M SuperCharger(360PS/50.8kg・m)は、ボディサイズの大きなクラウンと同じスペック。
クラウンよりも小柄なマークXが、クラウンと同じ強心臓が与えられればどんな走りをするのかワクワクしますね。
時にジェントルで、時にはスポーツ走行もこなすことが出来るスポーツセダン。
今こそ手に入れて爽快な走りを楽しむべき時ではないでしょうか。
【日時】2018年01月22日(月)
【提供】YAZIUP