9月23日に放送された『東京マキタスポーツ』(テレビ東京系)にアイドルグループの『仮面女子』が出演した。
彼女たちは、芸能事務所・アリスプロジェクトが手がける、ジェイソンマスクをトレードマークにする『アリス十番』、ガスマスクの『スチームガールズ』、鉄仮面の『アーマーガールズ』の3つのユニットで、秋葉原の常設劇場では365日ライブを行い、1年間の劇場観客動員数30万人という数字を記録し、あのAKB48を上回ってアイドル劇場で史上最大という大型アイドルグループだ。
「恋愛OK(ただしファンと関係者はNG、破ったら解雇又は謹慎)」「紅白出場した際にはアイドル業界初! ファンを自宅に招いてもてなす」「基本仮面は取りません。(仮面を外すのは人気メンバーと劇場のみ)」という"仮面女子三か条"が「ユニークすぎる」とネット上でも話題を集めている。
そんな仮面女子を特集した番組には熱狂的なファンが出演し、「つぎこんだ金は100万を超えている」「毎日ライブに通っている」「仮面女子はこれからの人生そのもの」などのトークで盛り上がった。
そんな中、なによりインパクトがあったのは、仮面女子の生みの親であるアリスプロジェクトの代表取締役・せいじ社長(37)の過去だった。
16歳から働き、貪欲に金を追い求めるとビジネスで成功し、フェラーリなどの外車を何台も持つようになったというせいじ社長。
そんな彼に転機が訪れたのは24歳のとき。
強盗に入られた彼は、ボコボコに殴られると半殺し状態にされてしまったのだ。
彼はその時のすさまじさを、「唇とれるくらい」と振り返っていた。
壮絶リンチだけでも人生観が変わるレベルだが、彼にショックを与えたのはそれだけではなかった。
なんと、捕まった犯人の1人が自分の1番信用していた"右腕"とも言うべき男だったのだ。
この事実を知った彼は、「なんにも俺幸せじゃねーわ。世の中金じゃねーわ」と悟り、すぐさま高級車を処分し、狭い家に引っ越したという。
その後、芸能界を目指す1人の女の子から「芸能事務所に騙されてお金を取られた」という相談を受けたせいじ社長。
レッスン料、登録料、撮影費などの名目で金を請求され、ローンでそれを払っていると話す彼女のほかにも似たような境遇にある女の子の存在を知った彼は、「そんな夢を持った女の子がたくさんいて、騙されているくらいだったら...」とアリスプロジェクトを立ち上げることを決意したのだった。
そんなせいじ社長の過去を初めて耳にした、アーマーガールズの黒木ひな子(18)は、「社長はすごい人でイイ人だと思ってたんですけど、今、すごい壮絶な人生を歩んできたんだっていう話を聞いてこれからもついていきたいなと思いました」と改めて尊敬の眼差しを向けていた。
番組で詳細は語られなかったが、せいじ社長が成功したビジネスというのは、ホストクラブ「Club ACQUA」のことだろう。
関西最大規模のホストクラブで、2005年には、東京にも店舗をオープンし、月商は25億円。
80人のホストを連れて沖縄旅行に行くほどの盛況ぶりだったという。
『スーパーテレビ情報最前線』(日本テレビ系)の"実録!ホストの花道No.1の色男軍団"というコーナーで何度も紹介され、楓十座などの名物ホストを生み出した実績は有名だ。
いちホストクラブを関西最大規模にするだけでもせいじ社長の辣腕ぶりには脱帽だが、彼はさらに他のホストクラブの追随を許さない仕掛けを打った。
なんと、せいじ社長を含むホスト8人で『AcQuA-E.P.』というビジュアルバンドを組みデビューしたのだ。
しかも一発限りの企画モノではなく、5枚のシングルをリリースするという本格的な活動のもの。
その中の『Re:dear...』という曲は、作詞を飯島愛、作曲を黒夢の清春が手掛けるという、ホストの曲とは思えないほど豪華なものだった。
2008年に活動休止を発表したが、パワーアップして必ず再開するとの約束をファンと交わしている。
売れないビジュアル系バンドがホストになるというパターンは多かったが、ホストがビジュアル系バンドになるというオンリーワンを実行したせいじ社長。
言うは易く行うは難しとのことわざがあるが、その道程は生半可なものではなかっただろう。
もちろんアイドルグループを育てるのも厳しい道だが、これからは貪欲に金を求めたホスト時代の苦い過去を糧に、ぜひ『仮面女子』を最高のアイドルに育てることに尽力してもらいたい。
【日時】2014年09月26日(金) 00:35
【提供】メンズサイゾー