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女優の前田敦子（24）が、来春公開予定の沖田修一監督の映画『モヒカン故郷に帰る』でヒロイン役に抜擢され、初の妊婦役に挑戦することがわかった。

同作は、恋人との結婚の報告を兼ねて6年ぶりに瀬戸内海に浮かぶ故郷の島に戻った売れないバンドマンが、父親の余命宣告を受け、家族と共に奔走するヒューマンストーリーだ。

今回、前田は妊娠をきっかけに夫の故郷へ一緒に帰る恋人役を演じる。

天真爛漫で少し世間知らずな性格で、健気に夫を支える一方、その家族に戸惑いを見せながら次第に心を通わせていくという重要な役どころだ。

嫁姑として共演した女優のもたいまさこ（62）は、「前田さんは本当に可愛くて仕方がない。彼女のようなお嫁さんはとっても楽しいと思う」と前田を絶賛。

撮影を通して親交を深め、プライベートでも仲が良いことを明かした。

また、前田の義父役を務めた柄本明（66）とも役柄同様に撮影中は常に一緒に食事をするなど、本当の家族のような関係性を築いていたという。

「前田さんの魅力は屈託のなさや変な気負いがないところなのでしょうね。今回も、共演したもたいさんとはキャリアや年齢を超えて、まるで同級生のように打ち解けていたようです。AKB48時代には、エースという立場からか、飄々としながらもどこか気負っているような印象もありましたが、女優としてさまざまな作品に出るようになってからは肩の力が抜けているようにも見えます。常に自然体であることを心がけているような...。いずれにしろ、もともとトップアイドルなわけですから人をひきつける魅力は抜群。女優としてキャリアを積む彼女が、ベテラン俳優から好意的な意見が寄せられているのも納得です。それに、面白いのが柄本明さんとの関係ですね。前田さんは、息子である柄本時生（えもと・ときお／25）さんと、2010年のドラマ『Q10（キュート）』での共演をきっかけに親交を深め、高畑充希（たかはた・みつき／23）さん、池松壮亮（いけまつ・そうすけ／25）とともに『ブス会』と銘打って定期的に集まるほど仲が良い。時生さんと前田さんは、今放送中のドラマ『ど根性ガエル』（日本テレビ系）でも共演しますが、父親も含めて家族ぐるみの付き合いに発展するかもしれませんね。柄本明さん一家は、長男の柄本佑（えもと・たすく／28）さんや妻で女優の角替和枝（つのがえ・かずえ／60）と超がつくほどの個性派俳優一家ですから、前田さんにとってみれば、女優としていい影響もありそうです」（芸能ライター）

AKB48を卒業してから約3年が過ぎ、女優業もすっかり板に付いてきた前田。

当初こそ演技面に対して不安の声も聞かれたが、山下敦弘、黒沢清、堤幸彦など、日本の映画界を牽引する監督たちの作品に出演し、着実に評価を上げている。

現在公開中の松田翔太（29）主演の映画『イニシエーション・ラブ』でもヒロインに起用されており、興行収入12億円を突破するヒットを記録中だ。

『モヒカン故郷に帰る』で主演を務めるのは、その松田翔太の兄である松田龍平（32）。

前田と松田龍平は2007年の映画『伝染歌』（原田眞人監督）にそろって出演しているものの、共演シーンはなく、本作品が本格的な初共演となる。

そんな松田龍平について前田は、「自然体な方なのでお芝居は無理せず皆で一緒に楽しんで下さっている感じがしました」とコメント。

『イニシエーション・ラブ』の際には松田翔太のことを「すごくスマートな方」と表現しており、兄と弟の違いを肌で感じ取ったようだ。

周知の通り、この松田兄弟の父は俳優の故・松田優作（享年40）。

柄本一家と同じく、生粋の役者といえる松田兄弟との共演は前田にとって大きな刺激となったことだろう。

今回の映画で妊婦役に初挑戦するなど、演技の幅を徐々に広げつつある前田。

3キロの詰め物を装着した臨月のシーンでは「妊婦らしく見えるように歩くのが難しかったです」と苦労を語っていたが、それも貴重な経験となったことだろう。

現在放送中の『ど根性ガエル』で演じている主人公の永遠のマドンナ"京子ちゃん"役には辛辣な意見も聞かれるが、一方で役柄とマッチしていないだけと擁護する声もある。

新境地といえる妊婦役で前田がどんな表情を見せてくれるのか楽しみにしたい。

（文＝kamei）