米カリフォルニア州公衆衛生局(CDPH)は今月22日、ガソリンスタンドで販売されたボツリヌス菌で汚染されたチーズソースを食べた患者1人が死亡、9人が深刻な中毒状態だと発表した。
カリフォルニア州では韓国から輸入したハーブティーが原因で2人がボツリヌス中毒を発症したケースも報告されている。
猛毒のボツリヌス中毒を発症したのは、カリフォルニア州中部のサクラメント郡のガソリンスタンドで販売されていた「ナチョチーズ」と言われるチーズソースをかけたスナック菓子を食べた10人。
公衆衛生局によると、先月以降、10人が医療機関で入院し、このうち男性1人の死亡が確認された。
原因となったナチョチーズは、今月5日までガソリンスタンドの店頭から撤去されており、検査の結果、ソースから患者のものと同じ遺伝子型のボツリヌス菌が検出されている。
現在、どの段階でボツリヌス菌に汚染されたのか、製造工場を中心に原因を調べている。
公衆衛生局では、バーベキューシーズンを迎えるなかで、新たな発症例が増えるおそれがあるとして警戒している。
一方、カリフォルニア州では今月8日、ロサンゼルスの食品輸入会社が韓国から輸入した、ティーバッグ入りのハーブティーを飲んだ2人がボツリヌス食中毒が疑われる症状を発症しており、自主回収が公表された。
ボツリヌス食中毒はボツリヌス毒素で汚染された食品を食べることで発症するもので、菌は缶詰や瓶詰め、真空パックなど、空気の少ない環境で毒素を作る。
国立感染症研究所によると、食べてから通常48時間以内で、まぶたが開きにくくなったり、ものが二重に見えるなどのほか、嚥下障害などが起きる。
重症化すると脳神経麻痺から全身に麻痺が広がり、呼吸困難に陥って死亡するケースもある。
国内では今年4月、東京・足立区で生後5カ月の赤ちゃんが、離乳食として与えられたハチミツが原因で、乳児ボツリヌス症を発症し、死亡した例も報告されている。
【日時】2017年05月24日(水) 12:39
【提供】ハザードラボ