コラム
2020年7月7日5:57 午後UPDATED 3ヶ月前
コラム:5月家計調査の衝撃、米国より弱い日本の消費マインド
By 田巻一彦
3 MIN READ
[東京 7日 ロイター] - 5月家計調査は、新型コロナウイルス感染による衝撃の大きさを見せつける結果になった。大幅に伸びた5月米小売売上高と比較すれば、日本の消費マインドがいかに痛めつけられたかがわかる。5月に不振だった外食などは6月に入っても夜間の集客数が戻り切らず、夏休みの旅行も予約の出足は鈍いままだ。7─9月期の国内総生産(GDP)で期待されている需要の回復も、力不足となる危険性が高まっている。
7月7日、日本の5月家計調査は新型コロナウイルス感染による衝撃の大きさを見せつける結果になった。写真は5月26日、東京・銀座で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)
<収入増でも減る消費>
5月家計調査は、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の消費支出が前年比16.2%減少と過去最大のマイナス幅となった。勤労者世帯の実収入(2人以上の世帯)が、実質、名目ともに前年比9.8%増と過去最大の上げ幅になったにもかかわらずだ。一律10万円の給付金が一部で支払われ、その効果が出ていたが、消費は落ち込んでしまった。
その要因は、総務省が公表した消費行動に大きな影響がみられた品目・サービスの一覧から推定できる。いわゆる巣ごもり対応品と知られるパスタの購入額が前年同月比38.8%増、「家飲み」効果でチューハイ・カクテルが同52.6%増、家事消耗品が同45.2%増と大幅に伸びた。
一方、宿泊料が同97.6%減、パック旅行費が同95.4%減、映画・演劇等入場料が同96.7%減と大幅に落ち込み、鉄道運賃も同86.0%減、飲食代が同88.4%減となった。
すでに指摘されていることとは言え、外出自粛やテレワークシフトなどでカットされた支出項目の減り方が目立つ。
2020年7月7日5:57 午後UPDATED 3ヶ月前
コラム:5月家計調査の衝撃、米国より弱い日本の消費マインド
By 田巻一彦
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[東京 7日 ロイター] - 5月家計調査は、新型コロナウイルス感染による衝撃の大きさを見せつける結果になった。大幅に伸びた5月米小売売上高と比較すれば、日本の消費マインドがいかに痛めつけられたかがわかる。5月に不振だった外食などは6月に入っても夜間の集客数が戻り切らず、夏休みの旅行も予約の出足は鈍いままだ。7─9月期の国内総生産(GDP)で期待されている需要の回復も、力不足となる危険性が高まっている。
7月7日、日本の5月家計調査は新型コロナウイルス感染による衝撃の大きさを見せつける結果になった。写真は5月26日、東京・銀座で撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)
<収入増でも減る消費>
5月家計調査は、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の消費支出が前年比16.2%減少と過去最大のマイナス幅となった。勤労者世帯の実収入(2人以上の世帯)が、実質、名目ともに前年比9.8%増と過去最大の上げ幅になったにもかかわらずだ。一律10万円の給付金が一部で支払われ、その効果が出ていたが、消費は落ち込んでしまった。
その要因は、総務省が公表した消費行動に大きな影響がみられた品目・サービスの一覧から推定できる。いわゆる巣ごもり対応品と知られるパスタの購入額が前年同月比38.8%増、「家飲み」効果でチューハイ・カクテルが同52.6%増、家事消耗品が同45.2%増と大幅に伸びた。
一方、宿泊料が同97.6%減、パック旅行費が同95.4%減、映画・演劇等入場料が同96.7%減と大幅に落ち込み、鉄道運賃も同86.0%減、飲食代が同88.4%減となった。
すでに指摘されていることとは言え、外出自粛やテレワークシフトなどでカットされた支出項目の減り方が目立つ。