1958年に中国の地図出版社が出版した地図集。尖閣諸島を「尖閣群島」と明記し,沖縄の一部として取り扱っている。中国側は,同地図集には,「中国との国境線の部分は,抗日戦争前(すなわち台湾が日本植民地だった時代)の地図を基にしている」との注記があり,1958年発行の地図における記載のみをもって当時の中国政府が日本の尖閣諸島への支配を認めていたという根拠にはなり得ないと主張。しかしながら,中国側が指摘する注記は,原文では「本地図集の中国部分の国境線は解放前の申報(注:当時の中国の新聞)の地図を基に作成した(中文:本図集中国部分的国界線根据解放前申報地図絵制)。」とのみ記述。具体的にどの部分が解放前のものかは不明。そもそも,同地図では,台湾を「中華人民共和国」の領土として記載しており,台湾の附属島嶼であると主張する尖閣諸島に関する記述だけを台湾が日本の植民地であった時代の表記で残すことは不自然。