>>544
フランシス・ベーコンの「叫び」という絵を思い出した。「教皇の叫び」と、剣山に前足をついて叫ぶエイリアンのチェストバスターみたいな生き物の叫び。エイリアンのほうがベーコンの絵を参考にしたのだろう。心にしろ体にしろ、生き物が苦痛を感じて本能的に叫ぶ姿は歯をむき出した咆哮になる。苦痛を感じ、または危険や恐怖を前にして、生き物が叫ぶとき、それは危険対象への反射的な威嚇でもあるのだろう。ひるんだ外敵が逃げることで生き残れば、泣き叫びにより迫力がある個体が子孫を残す。そして戦う力のない幼児ほど、防御の威嚇としての泣き叫びは激しいものとなっているのだろう。
「怒り」は予告編しか見ていないけれども、泣くシーンはたぶん直接何か痛い目や恐怖にあったときでなく、何か真実を知ってしまったときとかかもしれない。