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>>182 ちょっと誤解があるようなので…。 1941年の開戦は、｢宣戦布告｣が無かったから、｢卑怯な開戦＝騙し討ち｣と非難されたのではなく、不戦条約から脱退しないまま｢侵略｣行為を為したために非難されたのです。 1941年以前、｢宣戦布告あり｣の先制攻撃を｢合法｣とする国際条約は、1907年の第２回ハーグ万国平和会議で決定された開戦法規があります。 これは日露戦争後にロシアの呼びかけで実現したもので… ①先制攻撃する側は、期限付き最後通牒を交付する ②期限切れの後、外国メディアを通じて、○○国と交戦状態であると、内外に知らせる これらの手続き後に先制攻撃することを定めました。 この時も先制攻撃は｢侵略｣と呼ばれましたが、｢侵略＝犯罪｣ではありませんでした。 これは我が国も批准しており、これだけなら真珠湾攻撃も、もし宣戦布告が間に合えば(最後通牒の期限が０日なのでかなり苦しいですが)、それなりに言い訳出来た可能性はあります。 しかし、問題はそのハーグ会議の後、先制攻撃＝侵略そのものを犯罪とする1928年の｢ケロッグ･ブリアン条約(パリ不戦条約)｣が出来、我が国も批准して翌29年に発効している事です。 すなわち1929年以降は、期限付き最後通牒の有無にかかわらず、｢先制攻撃＝侵略＝非合法｣となったのです。 この意味で、我が国の真珠湾攻撃は｢侵略｣と非難されて当然の行為なのです。 真珠湾攻撃について、｢侵略者｣という非難から逃れる事は不可能ですが、少なくとも開戦前に不戦条約から脱退していれば、｢卑怯な開戦＝騙し討ち｣とは言われなかったでしょう。 このパリ不戦条約は現在も有効であり、各国憲法も、この精神を取り入れて作られています。 一応ご認識下さい。