第2回大会以降、WBCが行われる年にAクラス入りしてきた楽天。
岸孝之の加入で4年ぶりのAクラス入りに期待が高まる今季、“勝利の四重奏”を奏でるのは「鷲の新人投手カルテット」だ。
昨秋のドラフトで入団した新人選手14人中、初のキャンプを1軍で迎えた大学・社会人出身の即戦力ルーキーが4人いる。
ドラフト2位の池田隆英(創価大)、4位の菅原秀(大阪体育大)、5位の森原康平(新日鐵住金広畑)、9位の高梨雄平(JX-ENEOS)だ。
最速151キロを誇る池田は、2試合投げた対外戦で制球に苦しみ、3回を被安打8、7失点。
プロの洗礼を浴びてファームで出直しになったが、残り3人衆の評価は急上昇。
■菅原秀の縦スラは威力絶大!
唸りを上げるストレートとキレ味鋭いスライダーで周囲をざわつかせているのが菅原秀だ。
145キロ以上をコンスタントに計測するストレートは、低めに構えた捕手のミットに到達するまでまったく垂れない。
また、同じ軌道から鋭く変化し、「消える」と評判の高い縦のスライダーも抜群。
この組み合わせで3試合、5回を投げて被安打2、7奪三振を記録。
課題のコントロールも四死球ゼロと上々な滑り出しを見せている。
■白眉の右打者のインコース攻め、森原康平 右投手が右打者の懐に投げきるスキル。
プロでも難しいこのスキルを持つのが森原康平だ。
この武器を生かし、2月16日のハンファ(韓国)戦ではMLB通算71本塁打の元メジャーリーガー、ウィリン・ロザリオを併殺打に仕留め、3月4日のDeNA戦では白崎浩之、シリアコ、宮崎敏郎の右打者3人をタジタジにさせて三者凡退に退けた。
成績は5試合、5回を投げて1失点、2被安打、4奪三振。
四死球はゼロ。
こちらも好発進だ。
■ポスト金刃に名乗りを挙げた高梨雄平
昨季、信頼できる救援左腕は金刃憲人1人だけだった。
そんな窮状を救うべく、左のサイドスロー・高梨雄平も奮闘中。
成績は5試合、7回を投げて被安打5、8奪三振、与四球3、3失点。
ゴロ率が61%と高く、打たせて取る投球で開幕1軍入りに名乗りを挙げた。
その持ち味を象徴する場面があった。
2月28日ソフトバンク戦。
四球連発に安打で、いきなりノーアウト満塁に。
ここで打席に迎えたのが今宮健太、柳田悠岐、明石健志。
しかし高梨は、このそうそうたる実績を誇る3者を連続ゴロアウトに打ち取ってみせた。
ゴロ凡打の間に三塁走者に2度の生還を許して2点を失ったが、内野前進守備なら無失点というシーンだった。
昨季の楽天は、救援陣の防御率が12球団ワーストの4.53。
後ろが崩れて試合を落とすケースが目立った。
再度の1軍合流を期待したい池田を含めて、リリーフ陣の再整備を解決すべくAクラスの最前線で活躍する「鷲の新人投手カルテット」を見ることができるかもしれない。
【日時】2017年03月08日(水) 16:05
【提供】デイリーニュースオンライン