石川県と岐阜県にまたがる白山ではきょう、火山性地震が急増しており、午後3時までの発生回数は361回にのぼった。
気象庁によると、白山で1日あたりの地震が200回を超えたのは、観測開始以来初めてで、火山活動がやや高まっているとして、注意を呼びかけている。
気象庁によると、白山では29日午前3時ごろから、山頂の御前峰(ごぜんがみね)付近直下を震源とする火山性地震が急増している。
気象庁は当初、午前9時までに発生した地震の回数を281回と発表していたが、その後の詳細な分析で、午前3時から午前6時までの3時間で301回発生したと訂正。
このうち、午前5時6分には、最大マグニチュード(M)2.8の地震が発生し、白山市白峰で震度1を観測した。
午前6時以降は、次第に発生回数が減少しており、午後3時までの1日あたりの発生回数は合計361回にのぼった。
これまでに低周波地震や地下の水蒸気やマグマの動きを示す火山性微動は発生していないという。
白山で1日あたりの地震回数が200回を超えたのは、2005年12月の観測開始以来初めて。
監視カメラによる観測では、山頂付近は雲が覆っていて、はっきりしない。
白山は、金沢市から約50キロ南に位置し 、戦国時代の1554〜1556年にかけて、マグマ噴火を起こした。
白山は、古くから信仰の対象となっていて、日本全国の白山神社の総本社があるが、このときの噴火で社堂に噴石が当たったり、大量の火山灰で手取川が濁り、川魚が死んだという記録が残る。
最も新しい噴火は1659年で、以降も噴気活動や群発地震が観測されている。
2011年3月の東日本大震災以降は、山頂直下を震源とする地震活動が活発化しており、気象庁は、噴火警戒レベルを「1」としている。
【日時】2017年11月29日(水) 16:46
【提供】ハザードラボ