出雲村田製作所が2026年4月の操業開始を目指す新工場のイメージ図。右側の建物は既存工場
電子部品製造の出雲村田製作所(本社・出雲市斐川町上直江)が、斐川中央工業団地(同市斐川町直江)に470億円を投じて新工場を建設する。電装化が進む自動車や、スマートフォンをはじめとした通信機器などに組み込む積層セラミックコンデンサーの需要拡大に対応するのが狙い。2026年4月の操業後、3年間で200人の新規雇用を計画している。
斐川中央工業団地内で、20年に稼働した「南工場」の隣接地に建設する。同工場が立つ取得済みの敷地約4万9900平方メートルに、鉄骨10階建て延べ床面積約6万9700平方メートルの建屋を構える。24年3月の着工を計画している。
同社は、積層セラミックコンデンサーの世界シェア4割を誇る村田製作所(京都府長岡京市)グループの主力生産拠点の一つで、従業員数は5320人(23年12月末現在)。
世界的にコンデンサー需要が高まる中、村田グループは20年以降、福井県とタイ、中国、フィリピンにある4拠点の生産能力を相次ぎ拡大。島根県内では出雲村田製作所が19年に出雲市、20、23年に大田市の工場を増設。30年には安来市に従業員千人規模となる工場新設に向け、用地取得の協議を行っている。
村田製作所の広報担当者は「特定の地域に偏らないサプライチェーンの複線化を進め、グローバルな需要拡大に中長期的に対応したい」と話した。