✝ キリスト教

ユダヤ民族ヤコブの子レビが始祖のレビ族の杖。サクラ属アーモンドの木から作られた。古代イスラエル最初の祭司レビ族アロンの杖でもあり、アーモンドの花はユダヤ教で定められたメノーラー（燭台）のモチーフ。アロンとは、ユダヤ教そしてその流れを汲むキリスト教やイスラム教でも預言者として崇敬を受けている人物レビ族のモーセ（モーゼ）の兄。ユダヤ教聖書｢タナハ｣（キリスト教で言う旧約聖書）の最初の５冊｢トラ（トーラー）｣とも云う。ヤコブの子レビは、モーセやアロンの會祖父に当たる。キリスト教で云う｢モーセ五書｣のうち、特にモーセが使っていた杖が神の預言により地面に投げると、杖がヘビになり、再びヘビの尾を触ると元の杖に戻ったとされるなど聖なる杖で様々な奇跡を起こしたとされる｢出エジプト記｣（旧約聖書での呼称）や芽を吹いて花を咲かせた実なるアーモンドの木などの｢民数記｣（旧約聖書での呼称）で、彼アロンが使った杖について言及されている。また、キリスト教聖典｢新約聖書｣の中の｢ヘブライ人への手紙｣でも｢芽したるアロンの杖｣として言及される。どちらの杖も同じ元々はモーセが使っていた後にアロンの名前が記された杖を同一視される場合もある。しかしながら、｢民数記｣で｢レビ族から提出させた杖にアロンの名前が記された｣と明記されていて、この時点で新たにアロンの杖とされたものであり、アロンの杖として有名な杖は｢出エジプト記｣のバージョンと｢民数記｣バージョンにより、少なくとも２本あると解釈すべきとの見解もある。古代イスラエル１２部族の名にもなる１２本の杖のうち、アロンの杖でもあるレビ族の杖だけは、前提過程の末に、死ぬことを防ぐためと云われる、民衆がこれ以上モーセやアロンに不平を述べて、神の命じるところとされる｢あかし｣の箱の前に置かれ、モーセやアロンに刃向かう者たちに対する｢しるし｣とされることになった。タナハ（旧約聖書）のうち、｢諸書｣に分類される｢歴代誌｣中のソロモン王の時代における記述として、｢契約の箱の内には２枚の板以外には何も無かった｣と明記されている。新約聖書の｢ヘブライ人への手紙｣での契約の箱アークの中の｢石板｣と｢アロンの杖｣とマナの入っている｢金の壺｣。エルサレム第一神殿崩壊後に契約の箱は行方不明に。発見された場合にレビ族の子孫たちは、何かしら行動を起こす可能性もあるかもしれない。