広島電鉄(広島市中区)や一畑バス(松江市)など中国地方で高速バスを運行する4社は7月1日、広島―松江線と広島―米子線で、出発日に応じて運賃が変動するカレンダー運賃制度を導入する。閑散期や平日を割安にして利用を促し、新型コロナウイルス禍で落ち込んだ乗客数の回復を狙う。
中国運輸局によると、中国地方を発着する高速バスでカレンダー運賃制度を導入するのは初めて。
両路線の広島市内発着の運賃は現在、片道4千円。利用実績を基に、盆や正月を想定したS、週末や祝日のA、平日のB、閑散期のCの4区分に分ける。高速バス予約サイト「発車オ~ライネット」だけに対応する、割安なウェブ購入運賃も新設する。
ウェブ購入の場合、S4400円、A4200円、B3800円、C3400円。窓口購入は松江線が各区分ともウェブより400円高くなる。米子線は4800円に統一する。往復割引は廃止する。松江線の松江駅―三次インター間、たたらば壱番地―広島駅新幹線口間は固定運賃とする。
日々の運賃カレンダーは両社のホームページで確認できる。導入キャンペーンとして7月1~13日はC区分の運賃で利用できる。広電は「コロナ禍の行動制限緩和で休日は乗客が増えつつあるが、出張の利用客が多い平日は戻りが鈍い。閑散期を中心に新しい乗客の獲得につなげたい」としている。