直接協議 運行すみ分けや収入調整
松江市内を走る一畑バスと市交通局のバス路線に関し、市や市内の交通関係者でつくる市公共交通利用促進市民会議(会長・加藤博和米子高専教授)が、共同経営計画の策定に向けて検討に乗り出す。事業者同士の直接協議を通じ、経営安定に向けた運行区間のすみ分けや運賃収入を調整できるメリットがある。近く有識者部会を立ち上げ、策定の必要性や概要について協議を始める。
複数事業者によるバス路線の共同経営は独占禁止法で規制されているが、事業者同士が計画を策定して国土交通省に認められると、同法の適用対象から除外される。全国では、広島、岡山、熊本、長崎各市などで6事業計画が認可されている。
一畑バスと市交通局の共同経営計画は、市内で重複する路線の一本化や、市周辺部と中心部といった地域別の運行のすみ分けなどを想定。運行回数や運行距離を踏まえて事業者間で収入を分配する「運賃プール」の在り方も検討する。
市民会議事務局の松江市によると、会議内に有識者部会を立ち上げ、6月中旬までに第1回目の検討を行う。有識者部会で必要性が認められれば、事業者による具体的な計画策定や国への提出準備に取りかかる。
市まちづくり部の石本彰部長は「慢性化している運転手不足や路線縮小への対応の一つとして検討を進めていく」と話した。