大手通販サイト、アマゾンになりすました業者が、「有料動画の未納料金を支払わないと法的手続きに移行する」などと脅して、金銭をだまし取る詐欺被害が各地で相次いでいるとして、消費者庁が14日、注意を呼びかけた。
消費者庁によると2015年6月以降、アマゾンを騙る業者が、携帯電話のSMS(ショートメッセージサービス)を利用して、有料動画の未納料金を支払うよう求める被害を訴える相談が全国各地の消費生活センターに寄せられている。
SMSを受け取った消費者が、記載された電話番号にかけ直すと、電話に出た相手が「本日中に支払わなければ、民事裁判に移行します」とか「ブラックリストに載せ、預金や財産の差し押さえをする」などと告げて不安をあおる手口で、消費者が「動画を見た記憶がない」と断ると、「使用履歴がないことを立証できるので、いったん●●万円を支払えば、後で返金する」「保険に入ってもらえればお金が戻る」などと執拗に催促するという。
金銭の支払いを承諾した場合は、アマゾンの通販サイトで使用できるギフト券数万円分をコンビニエンスストアで購入し、その番号を伝えるよう指示してくる。
この間、ギフト券番号を伝えるまでに消費者が電話を切ろうとすると、「本日中の返済処理に間に合わない」などと理由をつけて、消費者に考える隙を与えたり、警察に通報したりしないよう、一度も電話を切らせないよう巧みに誘導するという。
消費者庁がアマゾンに確認したところ、アマゾンが運営する動画配信サービスではクレジット決済による前払方式を採用しており、SMSで未納料金を請求したり、ギフト券を購入させたりすることはないとしている。
消費者庁は「典型的な詐欺の手口だ」として、SMSに記載された電話番号は無視するとともに、心配があれば消費者ホットライン(188)か警察相談専用電話(#9110)に相談するよう呼びかけている。
【日時】2017年11月14日(火) 18:09
【提供】ハザードラボ