東京都新宿区の出版社「第三書館」は10日、イスラム教徒が反発する預言者ムハンマドを描いたフランスの風刺週刊紙「シャルリーエブド」の風刺画を転載した本「イスラム・ヘイトか、風刺か」を出版した。
イスラム教徒に配慮し、預言者ムハンマドの顔にはモザイクがかけられた。
同社の北川明社長(71)によると、初版は3000部で、約500店で販売予定。
ただ、イスラム教徒らの抗議などを受け、販売を取りやめる動きもあるといい、実際に店頭で販売されるかは各書店の判断という。
本はA5判64ページで、日本語の翻訳や解説を付けたシャルリーエブドの風刺画を中心に48点を収録。
同社編集部は問題になった一連の風刺画について「風刺の持つウイットもユーモアの薫りも感じられない」と批判。
議論するためには絵を出す必要があったと説明している。
表現の自由について風刺マンガ家などの意見も載せている。
出版をめぐっては、イスラム教団体「日本アハマディア・ムスリム協会」(愛知県津島市)が「宗教を侮辱するような行為に対して断固として非難する」などとする声明を発表。
在日パキスタン人協会も発売中止などを求める抗議声明を出しているが、北川社長はこれまでの取材に「抗議は来ているが、本を読んでいない人たちからのものだ。実際に本を手に取って読んでから判断してほしい」と話している。
【日時】2015年02月10日(火) 12:35
【提供】日刊現代