北海道で見られる流氷の季節は終わってしまったが、カナダ北東部では今の時期、グリーンランドから巨大な氷山が南下する時期を迎えている。
今月16日にはニューファンドランド・ラブラドール州の沿岸に15階建てのビル並みの巨大な氷山が出現した。
北米大陸最東端に位置するカナダのニューファンドランド・ラブラドール州の海岸沿いは、グリーンランドから南下する氷山の通り道という意味で、通称「Iceberg Alley」と呼ばれている。
今月16日には、ニューファンドランド島のフェリーランド沖を高さ70メートル、幅200メートルを上回る高層ビル並みの巨大氷山が通過して行くようすが注目を集めた。
氷の高さはビル15階分に相当するほどの大きさだが、米沿岸警備隊の国際氷山パトロール(ICC)によると、海面上に見える部分は全体のわずか10%程度で、海中にはさらに巨大な氷の塊が漂っているという。
氷山通過時には、波頭にぶつかった衝撃音や亀裂が入る音などが海岸付近まで聞こえるそうで、地元には「Iceberg Finder」などといった氷山追跡グループも活動している。
国際氷山パトロールによると、先週1週間で大西洋を縦断した氷山は648にのぼり、これは例年の平均に比べると約3倍多く、気候温暖化が関係していると推測される。
氷山の季節は今ぐらいから晩夏まで続き、9月中旬になると氷が再び凍結を始める。
自然の雄大さを感じる光景で観光客には大人気だが、地元の漁師にとっては頭の痛い存在だと言われている。
【日時】2017年04月24日(月) 11:47
【提供】ハザードラボ