🚨 事件・事故

　神奈川県横須賀市の女性殺害事件で気になるのは、飲食店従業員の加藤美穂さん（２２＝同市公郷町）が、警察の勧めで住民票の閲覧制限を申請していたのに、なぜ殺害されたのかだ。

元交際相手の自称塗装工の谷登志雄容疑者（４３＝横浜市戸塚区）にハサミで顔や首を５０カ所以上もメッタ刺しにされた。

　確かに、大谷容疑者はしつこい男だった。

　２人はかつて同棲していたが、大谷容疑者のＤＶが原因で１２年５月に別れている。

大谷容疑者はその後も復縁を迫り、昨年６月、美穂さんの首を絞めて逮捕された。

同８月に執行猶予付きの判決が出たが、美穂さんは現在のマンションに引っ越し、同１１月に閲覧制限を申請。

「ところが今年３月に、美穂さん宅のドアの鍵穴が接着剤でふさがれるという嫌がらせが起きているんです。大谷容疑者の仕業と考えた美穂さんは、警察に被害届を提出しています」（捜査事情通）

　さらに６月、大谷容疑者は美穂さんが勤める飲食店に姿を現したという。

「大谷容疑者は３回ほど客として来店し、美穂さんは店長に『元カレ』と紹介したそうです」（捜査事情通＝前出）

　そして６月２８日、大谷容疑者はいよいよ美穂さん宅に押し掛ける。

「大谷容疑者は午前８時ごろに訪れ、１時間ほど口論した後、隣接するラブホテルに美穂さんを無理やり連れ込もうとした。彼女は怖くて渋々ついて行ったようです。美穂さんはとっさに従業員に助けを求めたんですが、それに激怒した大谷容疑者に押さえつけられ、従業員室にあったハサミで刺し殺されたのです」（捜査事情通＝前出）

　美穂さんは、店から自宅まで大谷容疑者に尾行されていた可能性もある。

大谷容疑者が姿を現した時点で、すぐに店も住まいも変えていれば、悲劇を防げたかもしれない。

居場所を特定されないように、メールやＳＮＳも半年ぐらいは絶つべきだった——そんな指摘もある。

　執拗なストーカーから逃れるためには、相当な覚悟が必要なのだ。