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　澳門海關（マカオ税関）は4月12日、同月10日にマカオ半島北部・關閘エリアの工業ビル、新城巿工業大廈内に開設された違法な運搬活動（いわゆる運び屋行為）従事者向け商品供給拠点にあたる店舗1ヶ所に対する摘発を実施したと発表。

　現場周辺は中国本土との主要な陸路の玄関口・關閘イミグレーション（通称：ボーダーゲート）に近く、以前から両地の間を往来する運び屋相手のビジネスを行う店舗や倉庫などが存在すると指摘され、当局が高頻度でパトロールや摘発を行っている場所のひとつ。

　税関によれば、情報収集を通じてマークした運び屋への商品供給拠点と疑われる場所に対する内偵調査を進める中、10日午後、關閘イミグレーション出境フロアにある税関検査場の申告物なしレーンを通過した男1人を呼び止めて手荷物検査を実施したところ、活ロブスター2尾を所持していたことが判明。男は税関の調べに対し、事前にマークしていた關閘エリアの工業ビル内にある店舗で商品をピックアップし、運搬により報酬を得る目的で商品を携行して出境したことを認めたことから、即座に当該店舗に対する摘発を行ったとのこと。

　摘発時、現場には責任者の女が1人おり、店内から活ロブスター60袋と高級食材として知られる乾燥花膠12袋（計約192キログラム）、市価にして約15万パタカ（日本円換算：約285万円）相当が発見され、すべてについて輸出入に必要となる書類を有していなかったという。

　本件に絡む密輸品供給店の責任者の女（36）はマカオ人、運び屋の男（25）はマカオで就労する海外労働者で、店舗の責任者の女が運び屋を組織して中国本土への密輸出し、正当な貿易活動の規制逃れを行ったとし、上述の2人を対外貿易法違反で起訴、発見した物品全量を押収。このほか、運び屋の男について海外労働者雇用法違反で労工事務局が調査に入り、食材の原産地証明及び検疫申請書類を提示できなかったことについて食品安全行政を管轄する市政署がフォローアップを行うとした。

　税関では、本件を受けて広く公衆に対して報酬目当てで運び屋行為に従事するようなことがないよう累次の呼びかけを行うと同時に、今後も法執行策を動態的に調整しながら全力を挙げて運び屋による密輸の摘発を進めるとした。