🌊 茨城災害

茨城新聞　2011年4月28日(木)

校舎使用不能27校　県内学校、92%被災

東日本大震災で被害を受けた県内の学校は全体の92%、848校に上ったことが27日分かった。特に
被害が大きく、校舎が当面使用できない学校は小中高校で 27校、うち小中学校11校が新学期か
ら近隣の学校などを利用している。被害は学校以外の教育施設や文化財にも及び、県教委は教育
関連の被害総額について「今後、大きく膨らむ見通しで、現時点では算定できない」としている。同日開かれた県議会文教治安委員会で報告された。

県教委によると、県内のほとんどの学校で何らかの被害が確認され、被災を免れたのは全公立
学校923校中75校にとどまった。

校舎が損壊し、全体か一部が当面使用できないのは▽小学校12校▽中学校10校▽高校5校-の27
校。このうち近隣校などを利用しているのは▽日立市立水木小▽常陸太田市立佐都小▽ひたち
なか市立磯崎小▽行方市立三和小▽同小貫小▽東海村立照沼小▽同東海中▽常陸大宮市立大宮
中▽茨城町立桜丘中▽城里町立常北中▽常総市立石下西中-の11校。

被害が大きかった27校は、いずれも1981年以前の古い耐震基準で建築され、構造耐震指標(Is値)
が基準の0・6を下回っていた。県教委は「学校耐震化の遅れと今回の震災の被害には、それなり
の関連性がみられる。延長された国庫補助のかさ上げを活用し、耐震化促進を図っていく」と説
明した。

学校以外の教育施設では、全22施設中8施設で被害が大きく、▽県近代美術館天心記念五浦分館
▽県立図書館▽水戸生涯学習センター▽西山研修所の4施設はいまだ開館のめどが立っていない。

県内文化財では▽国指定27▽登録文化財80▽県指定69-の計176件の被害が確認された。特に旧弘
道館(水戸市)や旧シャトーカミヤ(牛久市)、鹿島神宮(鹿嶋市)、水戸徳川家墓所(常陸太田市)な
どの被害が大きかった。