🏃🏿‍♀️ 陸上競技

戸辺、４年ぶりＶで世界切符　走り高跳び「メダル争いする」

6/27(木) 21:44配信

産経新聞

　２メートル２７を一発で跳んだ戸辺が左胸をたたき、右腕を高々と突き上げた。大会３連覇中の衛藤ら３人がこの高さをクリアできず、４年ぶり３度目の優勝。世界選手権代表を決め、「最低限良かったかな」とほおを緩めた。

　持ち前の修正力が光った試合だった。２メートル１５から試技を始め、２メートル２０、２メートル２４とも１本目を失敗。だが、２７歳は勝負を分ける高さは２メートル２７以降だと踏み、焦ることなく、１本ずつ跳躍を整えていった。

　「踏み切りの３、４歩目で重心を下げないといけないんだけど、うまく下げられていなかった」。そう気付いた戸辺は、２メートル２４の２本目から助走に入る位置を３０センチほど遠ざけた。助走の重心を下げるとストライドが広くなり、走る距離が伸びる。踏み切り位置が奥になりすぎないよう事前に調整したのだ。結果、重心は収まるべきポジションに落ち、逆に体は浮き上がって栄冠をたぐり寄せた。

　２メートル３５の日本記録保持者であることを考えると、２メートル３０を跳べなかったことは物足りない。本人も「体の状態は良いが、技術がまとまってない。５０％くらいかな。ここからの調整が本番の成績を左右する」とみる。

　「東京五輪の金メダル獲得を見据えたとき、世界選手権は大きなステップになる。メダル争いくらいしないと」。目線は早くもドーハに向けられた。（宝田将志）