決定は6月19日付。男性は中学2年だった14年10月、福岡市内の道場で乱取りの稽古(けいこ)中、指導者から首を絞める「片羽絞め」を受け、一時意識を失った。男性側は指導者としての安全配慮義務に違反するとして15年2月に提訴したが、指導者側は「小学生に絞め技をかけた男性に、絞め技の危険性を理解させるためで違法性はない」と反論していた。
1審判決は「体で分からせるのは指導として不適切」と判断。2審・福岡高裁も今年1月、「口頭で厳重に注意する方法もあり、行き過ぎというほかない」として、指導者側の控訴を棄却した。
福岡市内で3日に記者会見した男性は「強くなりたいと柔道を始めたが、今回の指導に疑問を感じてやめた。判決で指導の皮をかぶった暴力がなくなってほしい」と語った。
絞め落としを巡っては、全日本柔道連盟(東京)の重大事故総合対策委員会が今年4月、「一般的、社会通念的な見地からも暴力以外の何物でもない」として、各都道府県連盟などに根絶を呼びかける通知を出している。
同委員会の磯村元信委員長は取材に「日本の柔道界には、絞め落としや、『マイッタ』を許さないなど古い慣習があったが、そのままにしていては柔道の発展につながらない」と述べた。【平川昌範】
1審判決は「体で分からせるのは指導として不適切」と判断。2審・福岡高裁も今年1月、「口頭で厳重に注意する方法もあり、行き過ぎというほかない」として、指導者側の控訴を棄却した。
福岡市内で3日に記者会見した男性は「強くなりたいと柔道を始めたが、今回の指導に疑問を感じてやめた。判決で指導の皮をかぶった暴力がなくなってほしい」と語った。
絞め落としを巡っては、全日本柔道連盟(東京)の重大事故総合対策委員会が今年4月、「一般的、社会通念的な見地からも暴力以外の何物でもない」として、各都道府県連盟などに根絶を呼びかける通知を出している。
同委員会の磯村元信委員長は取材に「日本の柔道界には、絞め落としや、『マイッタ』を許さないなど古い慣習があったが、そのままにしていては柔道の発展につながらない」と述べた。【平川昌範】