>>23の続き
発せられた言葉には苦渋の思いがにじむ。初めて中田の暴行問題について言及した栗山監督は「時間は凄くかかる。今すぐ“はい、どうぞ”と何もなかったように戻れるという話ではない」と今季中のチームでの1軍復帰を否定。さらに「正直、このチーム(での復帰)は難しいと思っている」と退団の可能性も示した。
過去にも不祥事を起こした選手が新天地で再出発を図ることは多く、今季は今月末までがトレードなどの補強期限。ただ今回の処分理由は「暴行」でイメージは最悪だ。栗山監督は「(他球団に獲得を)お願いします、というものでもない。何かいい方法はないのか」と複雑な胸中を明かす一方で「中田が他球団でのプレーが最善と判断したら、その可能性もあるか?」との問いには「いろんなことが全て可能性なのかもしれない」とも語った。
中田は4日に行われたDeNAとのエキシビションマッチの試合前にベンチ裏で同僚1人に暴行し、11日に球団から1、2軍の全試合の出場停止処分を科された。球団内での協議に時間を要したことで、取材対応がこの日までずれ込んだ栗山監督は「誰が一番悪いのかといったら監督である私自身。責任を凄く感じているし申し訳ない」と陳謝。現在も札幌市内の自宅で謹慎中の中田とは電話で話し合い、今後に謝罪会見を開く予定であることも明かし「次のステップを踏むためにはちゃんと謝り、言われることも受け止め、我慢して前に進むしかない、と伝えた」と語った。
もちろん謝罪会見を開いても厳しい状況に変わりはない。今季は3年契約の3年目。栗山監督は親心で「彼の人生にとって野球をやるべき」と話したが日本ハム、他球団でもプレーする道が断たれれば現役引退に追い込まれる可能性もある。残り59試合で借金14の最下位から浮上する兆しもないチームは、15日までの後半戦開幕のソフトバンク3連戦で4安打しか打てず2敗1分け。年俸3億4000万円の看板選手が支えてくれていた周囲の人々を裏切った代償は、あまりにも大きい。