■種牡馬ゴールドアリュール死す
フェブラリーSの前日、衝撃のニュースが駆け巡った。
ダート界で押しも押されもせぬトップ種牡馬の地位にいた、ゴールドアリュールが急死したというのだ。
本格化後のほとんどのレースで手綱を取った武豊騎手も、その知らせに思わず絶句したと言う。
しかしその絶句の本当の意味、それは……
哀しみとともにわき上がる、あるひとつの確信だったに違いない。
「明日のG1は、あの馬かオレの馬が激走するはず」
■果たして産駒が大爆発
ユタカが本当にそう思ったかどうかはさておき、競馬界にはこんなジンクスがある。
▼種牡馬が亡くなるとその週の競馬では産駒が激走する
これを競馬村では「弔い合戦」と言う。
有名どころから無名種牡馬まで存在するなか、1頭1頭統計を取ったわけでもないので、正確な率はわからないが、ファンの感触としてはまあまあの頻度である話だと思われる。
日曜の目玉レースはもちろんG1フェブラリーSであったが、その前に3歳戦注目のダート戦が組まれていた。
昨年ゴールドドリームが勝った「ヒヤシンスS」である。
今年の大本命はデビューから3戦全勝、北海道2歳優駿の勝ち馬エピカリス(美浦・萩原清厩舎)であったが、その父が亡くなったゴールドアリュール。
休み明け、57キロの斤量も問題にせず、見事に勝ってみせた。
となれば、だ。フェブラリーSは、あの馬とあの馬を買わなくてはならなかった。
■亡き父の後に続く産駒たち
今年フェブラリーSの出走馬でゴールドアリュールの産駒は、
ゴールドドリーム
コパノリッキー
この2頭だけだった。
正直全盛期を過ぎたコパノリッキーに騎乗予定だったユタカの心の中には、
「ああ、オレじゃなければあいつに勝たれるな」
そんな確信めいたものがあったのではないか、というのがオジサンの妄想だ。
チャンピオンS惨敗から2か月で立て直し、見事ゴールドドリームはG1ウィナーとなった。
もっとも同馬は、昨年のヒヤシンスSをここ10年最速の勝ちタイムで制し、秋の高レベル重賞・武蔵野Sでも休み明けながらレコード決着に付き合う実力をみせた馬。
前走こそその反動が出たが、このタイトル奪取で自ら新時代の幕を開いてみせ、父の墓標に花を添える形となった。
■あるんです、こういうことが!
さて、今回の「弔い合戦」に似た競馬格言、あなたも覚えておきましょう。
▼牝馬の引退レースは買い
▼騎手の引退週は買い
▼乗れてない騎手の誕生日近くは大穴で買い
きっと役に立つはずです。
【日時】2017年02月27日(月)
【提供】YAZIUP