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■高齢ドライバーはなくならない
高齢者の運転による事故の危険性が叫ばれていますが、高齢者ドライバーはなくならないし、なくなりようがないのが現実です。

免許返納してしまえば、ドライバーではなくなるわけですが、高齢ドライバーの免許返納は簡単には進まないものです。

その理由は、返納したら困るからです。

極めて単純明快な理由であり、それだけで、対案はなかなかでてきません。

原因が単純なのに対策ができないのは、なんとも根が深い問題であることを示しています。

つまり、いくつになってもハンドルを握らないと生活ができない現実があるわけです。

東京都心部にでも住んでいない限り、老後の移動手段としての自動車は欠かせないものといえます。

いや、田舎でもバスの便が良いところはあるし、少し歩けば日常生活に必要な施設が揃っている場所もあるとの反論が聞こえてきます。

しかし、若くない肉体は少しの距離であっても歩行に苦痛を伴うことがあるものです。

高齢になると、5分の距離が歩けないという話も珍しいことではありません。

もっとも、何も荷物を持っていなければ、その程度は歩けるかもしれません。

しかし、買い物などはどうしましょう。

カートを曳いて歩くのでしょうか。

平坦な道ばかりであれば良いのですが、自動車のようにはいきません。

■すべての知恵を絞るべき時期にある
高齢者に、あれも駄目これも駄目と言ってないで免許を返納しろ！というのは乱暴な話です。

まだ元気なオヤジ世代も、やがて高齢者になったら身にしみることになるでしょう。

20代の頃と今の体力の差を考えてみれば、少しは理解できるかも知れません。

ただ、多少の距離は病気などでなければ歩くことも必要ではあります。

少なくとも、公共交通機関をそれなりに整備することで、免許の返納率が上向く可能性があります。

しかし、金がかかることですから、簡単にできないことは周知のとおりです。

いっそのこと、高齢ドライバーを減らすことを諦めるという手もあります。

それが嫌なら、すべての知恵を絞るしかありません。

絞った結果、お手上げであれば諦めるしかないわけです。

人間の住む場所が一箇所ではない以上、この問題はなくなりようがないことも認めざるを得ないのかも。

ところで、一時期よくみかけたセニアカーなら、短距離の移動に便利です。

ある程度、人や施設が集まっているエリアなら、こういった乗り物を普及させることもひとつの手にはなるでしょう。

価格が低下してくれば、けっこうな戦力になる可能性はあります。

増えたら増えたで交通マナーの問題も出てくるでしょうが。

いずれにしても、オヤジ世代の人間としては、来るべき自分が高齢者になったときにどうするかを考えておく必要があります。

そして、そのときの社会環境を作るのは、いまのオヤジ世代が社会と政治にどう向き合うかにかかっています。

なにかと困難な状況に向き合わされる世代ではありますが、次の世代へのことも考えて、額に汗することも重要だといえるでしょう。