香川県の養鶏場で今月に発生した高病原性鳥インフルエンザについて、農研機構は24日、ウイルスの遺伝子情報(ゲノム)の解析の結果、昨年ヨーロッパで大流行したウイルスと、ユーラシア大陸の野鳥がかかるウイルスの2種類が混合したものだと明らかにした。
この問題は今月10日、さぬき市の養鶏場で食肉用のニワトリが相次いで死亡しているのが見つかり、遺伝子検査の結果、高病原性鳥インフルエンザだと判明し、約9万羽が殺処分されたもの。
当初、県の保健所と農研機構で2種類の遺伝子検査を行なったが、陽性かどうか判断できず、再検査を実施した。
農研機構のその後の分析で、香川県のウイルスには、欧州で流行したH5N8亜型と、ユーラシア大陸の野鳥に多くみられるHxN6亜型の2種類の遺伝子が混合することで、新たな「遺伝子再集合」ウイルスであることがわかった。
鳥インフルエンザは、ウイルスの表面に存在するふたつの糖タンパク質の種類によって分類される。
このうち致死率が高い病原性鳥インフルエンザは、遺伝子型がA型で、名前にH5とかH7がついている。
農研機構は「遺伝子再集合」の原因について、2016年〜2017年にかけて欧州で流行したH5N8亜型が、渡り鳥によって営巣地のシベリアへ運ばれ、そこでHxN6亜型に感染した野鳥の細胞内で起こった可能性が高いとみて、野鳥が運ぶウイルスが養鶏場内に侵入しないよう農家は十分な警戒が必要だとしている。
【日時】2018年01月25日(木) 14:55
【提供】ハザードラボ