■安いロシア製が輸入できない木材分野に大打撃
物価の推移を表す経済指標には大きく2つある。一つ目は企業物価指数だ。これは、企業間で取引されるモノの価格水準を表す。足許の世界経済全体で、企業物価の上昇は鮮明だ。4月12日に日本銀行が発表した3月の企業物価指数(速報)は前年同月比で9.5%上昇した。
品目別に前年同月比ベースで価格の上昇率を見ると、木材・木製品が58.9%、鉄鋼が27.9%、石油・石炭製品が27.5%、非鉄金属が23.5%、化学製品が13.2%などとなっている。企業物価を輸出と輸入に分けてみると、石油・石炭・天然ガスの価格が円ベースで84.4%上昇したことなどによって、輸入物価の上昇率が輸出物価を上回っている。
2月の実績は速報の同9.3%から9.7%に上方修正された。わが国の企業物価の上昇が鮮明となったきっかけの一つは、ウクライナ危機の発生だ。それによって世界経済がグローバル化からブロック化に向かい始めた。米欧などの自由主義の国vsロシアという分断の構図が鮮明化したことによって、世界経済へのエネルギー資源や穀物、木材などの供給が減少して価格が上昇した。
わが国では、コロナ禍以降の木材価格の上昇に加えてロシアからの木材輸入が止まり、国内の木材を用いて合板を生産しなければならない企業が出始めた。ロシアからの安いモノを輸入することができなくなり、高いモノを買わなければならない企業が増えている。
■生産者物価指数の上昇はユーロ圏、中国でも
同じことは、わが国以外にも当てはまる。また、中国では新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻だ。共産党政権は“ゼロコロナ対策”を徹底せざるを得ず、港湾の稼働率は低下し、世界経済の供給制約は強まっていると考えられる。複合的な要因が重なることによって、わが国の企業は急速なコストの増加に直面している。
わが国以外の国や地域でも生産者物価指数は上昇している。2月のユーロ圏の生産者物価指数は前年同月比で31.4%上昇とかなり高い。3月の中国の生産者物価指数は同8.3%、米国では同11.2%の上昇だ。世界全体で原材料価格の上昇や人手不足などを背景に、各国の企業がコストプッシュ型のインフレ圧力の高まりに直面している。
物価の推移を表す経済指標には大きく2つある。一つ目は企業物価指数だ。これは、企業間で取引されるモノの価格水準を表す。足許の世界経済全体で、企業物価の上昇は鮮明だ。4月12日に日本銀行が発表した3月の企業物価指数(速報)は前年同月比で9.5%上昇した。
品目別に前年同月比ベースで価格の上昇率を見ると、木材・木製品が58.9%、鉄鋼が27.9%、石油・石炭製品が27.5%、非鉄金属が23.5%、化学製品が13.2%などとなっている。企業物価を輸出と輸入に分けてみると、石油・石炭・天然ガスの価格が円ベースで84.4%上昇したことなどによって、輸入物価の上昇率が輸出物価を上回っている。
2月の実績は速報の同9.3%から9.7%に上方修正された。わが国の企業物価の上昇が鮮明となったきっかけの一つは、ウクライナ危機の発生だ。それによって世界経済がグローバル化からブロック化に向かい始めた。米欧などの自由主義の国vsロシアという分断の構図が鮮明化したことによって、世界経済へのエネルギー資源や穀物、木材などの供給が減少して価格が上昇した。
わが国では、コロナ禍以降の木材価格の上昇に加えてロシアからの木材輸入が止まり、国内の木材を用いて合板を生産しなければならない企業が出始めた。ロシアからの安いモノを輸入することができなくなり、高いモノを買わなければならない企業が増えている。
■生産者物価指数の上昇はユーロ圏、中国でも
同じことは、わが国以外にも当てはまる。また、中国では新型コロナウイルスの感染再拡大が深刻だ。共産党政権は“ゼロコロナ対策”を徹底せざるを得ず、港湾の稼働率は低下し、世界経済の供給制約は強まっていると考えられる。複合的な要因が重なることによって、わが国の企業は急速なコストの増加に直面している。
わが国以外の国や地域でも生産者物価指数は上昇している。2月のユーロ圏の生産者物価指数は前年同月比で31.4%上昇とかなり高い。3月の中国の生産者物価指数は同8.3%、米国では同11.2%の上昇だ。世界全体で原材料価格の上昇や人手不足などを背景に、各国の企業がコストプッシュ型のインフレ圧力の高まりに直面している。