世界でも有数の“パワー半導体”の会社を…」“受託製造”で商機をつかめ 人口3.3万“半導体の街”からの挑戦
半導体を製造する新潟県小千谷市の企業が、新たに300億円の投資を行う計画で、地元から期待の声が上がっています。
一方、雇用を巡って人材の奪い合いになる懸念や過去に“工場売却”の歴史もあることから、課題も見えてきています。小千谷発“パワー半導体”の現在地を取材しました。
新潟県小千谷市の“パワー半導体”工場へ
自動化された機械が運んでいく黒い円盤状の製品…。半導体です。
人口3万3000人あまりの新潟県小千谷市にある『JSファンダリ新潟工場』。
社長の岡田憲明さんに話を聞きました。
JSファンダリ 岡田憲明社長
「皆さんがよくご覧になるのが“黒いパッケージ”に入っているものになるが、この一個一個のパッケージに小さな四角、これ一個一個が入っている。非常に大きな電流、電圧を扱えるような半導体を作っている。それを通称『パワー半導体』という言い方をする」
[匿名さん]
半導体にはスマートフォンやパソコンの頭脳となるものや、USBメモリーなどの記録媒体に使われるものなど、いくつか種類があります。その中で、電化製品や電気自動車など電気を使う製品に欠かせないのが『パワー半導体』です。
JSファンダリ 岡田憲明社長
「顕著なのが車だが、今まではガソリンを使って車を動かしていたものが全て電気に切り替わる。電気に切り替わるということは、そこでパワー半導体の需要が生まれる。これからは右肩上がりでどんどんパワー半導体の需要が増えていくだろうというのが一般的に言われていること。」
[匿名さん]
半導体をめぐる国際情勢と“国内回帰”の動きの間で
かつては『日の丸半導体』と呼ばれ、世界シェアで50%を超えていた日本の半導体産業。
しかし外国企業の台頭などもあって、2019年にはシェアが10%にまで下がっています。こうした中、ここ数年で浮き彫りとなったのが、半導体のサプライチェーン=供給網の不安定さです。
米中貿易摩擦やウイルス禍、ウクライナ侵攻などによって国内の半導体不足が深刻化したことで、経済安全保障の観点から半導体製造の“国内回帰”が注目されています。
JSファンダリでは新潟工場に対し、2回に分けて合わせて300億円の投資を行って将来的に生産能力を2倍から3倍にし、300人の新たな雇用を目指す計画です。
16万平方メートル=東京ドーム3.4個分の敷地面積があるJSファンダリは3棟の工場があり、600人近い社員が働いています。
この会社を設立したのは2022年12月ですが、実は工場自体はもともと、この小千谷に存在していたものでした。
[匿名さん]
半導体の街”新潟県小千谷市
1984年に電機メーカー・三洋電機が新潟県小千谷市に半導体の工場を構え、『新潟三洋電子』を設立。多い時で、社員1500人以上が働いていました。
ただ、2009年に半導体事業の縮小を決定。2011年にはアメリカの半導体会社「オンセミ」が新潟工場を取得。翌年には希望退職を募り、人員整理も行われました。
かつて『新潟三洋電子』の社長を務め、2006年から2期にわたって小千谷市長を務めた谷井靖夫さん(85)は、当時をこう振り返ります。
【小千谷市 元市長 谷井靖夫さん(85)】
「三洋電機がなくなったときに『ここの工場が稼働停止してしまって廃工場になるんじゃないか』ということは一番恐れたこと。外資であれ、何であれ、続けて操業できたということは、
小千谷にとっては本当に幸せなことだった」
[匿名さん]
ただ、アメリカの「オンセミ」も2020年に新潟工場の売却に乗り出しました。
去年11月に就任した宮崎悦男市長は当時、新潟県議会の議員で「オンセミ」の新潟工場売却に危機感をもち、経産省への要望活動を進めていました。
宮崎悦男 小千谷市長
「こういったものを作って、雇用をしっかり守ってほしいということと、できれば国内企業、少なくとも親日の国に買収してほしいということと、設備投資を是非お願いしたいと」
様々な企業が小千谷の工場を視察しましたが、なかなか買収には至りません…。
そこで白羽の矢が立ったのが岡田社長でした。実は岡田さんは長岡市出身。これまで30年以上、半導体の業界に身を置いていて、別の半導体会社の社長を退任したところでした。
JSファンダリ 岡田憲明社長(65)
「前の会社でも9年間社長をやって、社長のある意味での大変さというのもよく分かっていたし、年齢も年齢だったので悩みに悩んだが、最後の人生の中でこれだけのやりがいのある仕事をさせてもらうのは、おそらくこれが最後だという気持ちで、今回は引き受けさせてもらった」
これまでに2回看板を架け替えた小千谷の工場。浮き沈みのある半導体業界ですが、岡田社長は“これまでにないビジネスモデル”に挑戦することで、経営の継続に自信を持っています。
JSファンダリ 岡田憲明社長
「このファンダリというのは、設計等は一切やりません。それから、自分たちの『最終商品』は一切持ってません。ですので、いろんな会社さんが設計をして、それを我々に生産を委託してくるようなそういうビジネス」
[匿名さん]
半導体の製造のみ行う“受託製造”で商機を
かつての日本の半導体産業では、電機メーカーなどがそれぞれの製品のための半導体を作っていて、半導体の設計から製造まで一連で行っていました。
一方、JSファンダリは「受託製造」という形をとっています。『半導体の製造のみを行う』スタイルにすることで、仮に半導体を搭載した商品が売れなかったとしても、別の半導体の商品でカバーできるため影響を抑えられる考えです。
JSファンダリの『ファンダリ(ファウンドリー)』は直訳で「鋳物(いもの)工場」のこと。国内ではパワー半導体の受託製造に専念する企業はないため、岡田社長は、その需要の高さも感じています。
JSファンダリ 岡田憲明社長
「日本でこういう『ファンダリ』をメインでやる会社があると非常に助かるんだっていう声を、これまで多くのお客様から聞いたので、この話をいただいたときに必ずやファンダリビジネスというのは日本で成功するというふうな確信を得ていたので、今回これを立ち上げたという形です」
そしてJSファンダリの誕生から、さらなる動きもありました。
この日、花角知事のもとを訪れたのは同じ半導体の製造会社・サンケン電気の高橋広社長です。
【サンケン電気 高橋広社長】
「JSファンダリのところで、工場を貸してもらえるという話がありまして…」
[匿名さん]
雇用増で人材不足?“半導体の街”の期待と課題
サンケン電気はJSファンダリの工場の一角を借りて、電気自動車向けのパワー半導体の製造を行うことになったのです。80億円の投資と100人の新たな雇用を考えています。
サンケン電気 高橋広社長
「我々のこれからの成長エンジンという位置づけで活動をしていくので、ぜひ新潟県の皆さんにご協力を頂いて、工場の成功をぜひ成し遂げたい」
ただ、課題もあります。
サンケン電気、JSファンダリは合わせて400人近い雇用を検討しています。どの業界も人手不足の中で、小千谷の経済界からは“人材の奪い合い”になることを危惧する声も上がっています。小千谷市は新潟県と連携しながら、Uターン・Iターン政策に力を入れる方針です。
宮崎悦男 小千谷市長
「大きな企業が後を継いでくれる。その一方で、地元の企業が人材を確保することが厳しくなっていくということは絶対に避けなければならない。メッセージ性のある『Uターン・Iターン政策』をやっていきたい」
課題と大きな期待を背負う小千谷発パワー半導体。
国内のパワー半導体工場は小規模な所が多いのが特徴で、岡田社長はさらに事業を拡大し“世界に誇る企業”へと将来を見据えています。
JSファンダリ 岡田憲明社長
「ここをとにかく“一大パワー半導体のファンダリ会社”に仕立て上げるのが、僕の強い希望。パワー半導体として、JSファンダリとして、新潟工場、何とか工場という形でいくつか工場を持ちながら、非常に大きい、世界でも有数のパワー半導体のファンダリ会社というものを作れれば良いなと思っている」
[匿名さん]
Jなんて。
みんな春に金かかるのに貧乏でやる気にならんし。まだ忠犬社員の強制御奉公(ホールド※会社ダメにしたウンコ先輩多数含有)で成り立ってるペラッペラで震災後からず〜っと騙されてる感じ。そら若い奴はバカらしくて辞めてくんだろな。
[匿名さん]
JVCケンウッドが4月からJSファンダリ工場内に空ラインを借入製造ライン立ち上げが開始しました。
(JVCケンウッド側がネット上で発表してます)
JSファンダリは、クリンルームを必要とする会社に生産場所を貸付するみたいです。
現にオンセミ 製品は、生産されています。
JSファンダリ株式会社 オンセミ 製造業
JSファンダリ株式会社 JVCケンウッド製造業
こんな感じでしょうか?
[匿名さん]
半導体って、日進月歩だから投資しにくいんじゃない。JSは賃貸料に変えたかな
[匿名さん]