活発な火山活動が続く新燃岳について、気象庁の火山噴火予知連絡会は19日に臨時の会合を開き、今回の噴火は上昇したマグマが噴出する「マグマ噴火」だとの見解を示した。
今後、地下のマグマだまりから多量のマグマが火口直下に供給されれば、さらなる大規模噴火につながるおそれがあると言う。
産業技術総合研究所は、今月11日の噴火直後と、連続噴火が止まり、噴火が再開した14日以降に採取した火山灰の成分を比較。
その結果、11日〜12日の火山灰に付着している火山ガスは、水溶性成分が多く、マグマの成分が少なかったのに対し、14日以降の火山灰には、マグマ成分が多いことが判明。
今回の噴火は、当初はマグマの熱で水蒸気が熱せられる「水蒸気噴火」だったのが、「マグマ噴火」に移行したものだと結論づけた。
新燃岳では11日の噴火移行、17日未明まで連続的に噴火が続いたが、大きな噴石の飛散や火砕流は見られず、火山灰の噴出が続いている。
防災科学技術総合研究所などの報告で、これまでに降った火山灰の量は26〜45万トンと推定されており、2011年1月26〜27日の噴火時の噴出量(約7000万トン)に比べれば、非常に少ない。
6年前の噴火は、マグマ噴火の後に、大きな噴石を飛散する噴火が数カ月間断続的に発生し、地下のマグマだまりが急激に収縮した。
噴火予知連は、「現在のマグマだまりは2011年の噴火前と同じくらい回復していると考えられることから、今後、大量のマグマが火口直下に上昇すれば、さらに規模が大きな噴火が発生するおそれがある」と警告している。
■新燃岳をはじめとする国内の火山の現状については、ハザードラボ「火山マップ」をご覧ください。
【日時】2017年10月19日(木) 19:00
【提供】ハザードラボ