福島県広野町は、復興を進める地域の新たな観光資源にしようと、去年から
東北以北では珍しいバナナの栽培に取り組み、19日、初めての収穫が行われました。
バナナの栽培は、広野町が出資した振興公社が町内にある二ツ沼総合公園の農業用ハウスで、
去年9月から進めてきました。
150本のバナナの木は、いま高さ2メートルから3メートルほどに成長し、
1本の木に100本から200本程度の実がなっています。
19日は、広野町の遠藤智町長などがハウスを訪れ、10センチ余りに実ったバナナの実の根元に
ハサミを入れ、初めての収穫が行われました。
あわせて広野町のバナナの愛称も発表され、公募の結果、「綺麗」という名前に決まりました。
「綺麗」は無農薬で栽培され、皮ごと食べられるのが特徴で、海辺や山並みの
きれいな自然の中で育ったこととあわせてこの名前に決まったということです。
収穫されたバナナはまだ皮が緑色をしていて、今後、1か月ほど
温度や湿度が管理された倉庫で熟成されたあとに出荷されます。
来月22日と23日には地元で収穫祭が開かれて来場者に振る舞われるほか、
一般向けには東京の高級フルーツ店などで販売される見通しです。
広野町振興公社の中津弘文社長は
「流通までしっかりと成功させて、このバナナを通じて、双葉郡の復興、
元気を全国に発信していきたい」と話していました。